なぜ運動が必要なのか?腰を守る「動きの質」は学ばないと身につかない

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大
川崎市登戸・向ヶ丘遊園の「ねもと整体&ストレッチスタジオ」院長 根本大。20年の臨床経験を持つ関節ニュートラル整体の施術者。健康運動指導士・米国ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。整体技術と運動指導の両面からのサポートしており、長年の経験をお伝えしています。

私が長年整体院を運営してきて痛感するのは、腰痛の根本原因が運動機能の問題にあるという事実を、いかに患者様へ分かりやすく伝えることが難しいか、ということです。
多くの方が「腰痛の原因は骨盤の歪み」「姿勢が悪いから仕方ない」といった認識をお持ちですが、実はこれらの症状が運動不足や運動機能の低下によって引き起こされているということを理解されている方は、極めて少ないのが現状です。
今回の記事では、運動不足がなぜ腰の問題に直結するのか、臨床経験をもとに詳しく解説していきます。
腰痛が起きる3つの理由
原因①子供の頃の怪我が大人の腰痛を引き起こす理由

幼少期に尻もちをついて外傷から後々腰痛の原因になっている方は意外に多いです。
またスポーツをしていた学生時代に腰を痛めた経験がある方も多いのではないでしょうか?
「あの時は痛かったけど、もう治った」と思っていても、実はその時の外傷が大人になってから腰痛として再発するケースが非常に多いのです。
子供の頃の怪我が後々まで影響を及ぼす理由は、完全に治りきらないまま放置してしまうことにあります。
当時は痛みが引いたとしても、下肢の筋肉が痙攣してその拘縮から腰への負担も非常に多いです。
さらに、スポーツのオーバートレーニングにより、成長期の腰痛は分離症・すべり症など腰での影響を与えるため、大人になってから姿勢の崩れや運動機能の低下として腰痛として表面化するのです。
また、幼少期に痛めた部位は、無意識にかばう動作が習慣化してしまいます。
この代償動作が長年続くことで、腰だけでなく全身のバランスが崩れ、慢性的な腰痛へとつながっていくのです。
過去の怪我を思い出し、それが今の腰痛の原因になっている可能性を見直すことが、根本改善への第一歩となります。
原因②年齢とともに腰が弱る—加齢が引き起こす運動機能の衰え

年齢を重ねるにつれて、「以前は平気だった動作が辛くなった」「腰が重く感じる」といった経験をされる方は多いのではないでしょうか?
これは避けられない老化現象の一つであり、加齢によって筋力・柔軟性・運動制御能力が低下することが大きな原因です。体の水分も減り、椎間板も老化していきます。
特に30代後半から40代にかけて、筋肉量は徐々に減少し始めます。
腰を支える下肢の筋力が落ちると、日常生活での姿勢維持が困難になり、腰への負担が増大します。
さらに、加齢とともに関節や筋肉の柔軟性も失われていきます。
体が硬くなると、前屈やしゃがむ動作で背骨が過度に動いてしまい、腰痛を引き起こしやすくなるのです。
また、運動制御能力、つまり体を巧みに使う力も低下します。
若い頃は無意識にできていたバランス調整や動作のコントロールが難しくなり、ぎこちない動きが腰に負担をかけます。
しかし、これらの機能低下は適切な運動によって予防・改善が可能です。
年齢のせいと諦めず、今からでも運動習慣を取り入れることが、腰を守る最善の方法なのです。
原因③動かなすぎも動きすぎもNG—運動バランスが腰を守る鍵

腰痛の原因として、「運動不足」はよく知られていますが、実は「運動のやり過ぎ」も腰痛を引き起こす大きな要因となります。
まず運動不足の場合、筋力や柔軟性が低下し、日常生活での姿勢維持が困難になります。
デスクワークや座りっぱなしの生活が続くと、腰を支える筋肉が弱まり、些細な動作でも腰に負担がかかりやすくなるのです。
一方で、運動をやり過ぎている場合も問題があります。
正しいフォームを理解せずに自己流でトレーニングを続けると、腰に過度な負荷がかかり、かえって痛めてしまうことがあります。
特に腹筋運動やランニングなど、腰に負担のかかる種目を頻繁に行うことで、慢性的な腰痛に発展するケースも少なくありません。
また、ランニングやウォーキングなどの有酸素運動はやりっぱなしで、体が硬くなりやすいと言われています。
大切なのは、「適切な運動量」と「正しい動作」「柔らかさと筋力」のバランスです。
自分の体力レベルや体の状態に合わせて、無理のない範囲で継続的に運動することが重要です。
やらなすぎもやりすぎも腰を壊します。
専門家の指導を受けながら、自分に最適な運動習慣を見つけることが、腰を守る最良の方法なのです。
あなたの腰痛は「運動不足」が原因かもしれない—筋力と柔軟性が腰を守る鍵

まず姿勢について考えていくと、腰の負担が強くなる姿勢というのは、背中を丸めたり腰を反りすぎてしまうケースです。
ではなぜ腰が丸くなったり反ってしまうのかということを考えた時に、2つの理由があります。
1つ目は筋力不足です。
姿勢を維持するためには筋肉が支える要素として重要なので、筋力がない方はすぐに疲れてしまい、姿勢が崩れてしまいます。
2つ目は、多くの方があまり意識されていない点ですが、柔軟性の低下です。
分かりやすいケースで言うと、「前屈をした時に最低限指が床につくか?」「しゃがんだ時に背骨が丸まっていないか?」という日常動作での動作テストをすることが、ご自身の現状を知ることにつながります。
つまり、静止している状態では筋力が支え、動作をしている時には柔軟性が必要になります。体が硬いと、しゃがんだり前屈したりする際に背骨が過度に動いてしまい、腰に負担がかかるのです。
これらのことから、筋力と柔軟性の両方が備わっていなければ、そもそも正しい姿勢を保つことができず、腰への負担を軽減することは難しいと言えます。
運動で身につける「体の巧みさ」が腰痛改善の決め手

筋力でも柔軟性でもなく、腰の負担を左右する最も重要な要素は、体を上手に使う「巧みさ」だと私は考えています。
これは単に電気治療を受けたり、薬を飲んだりしても改善が難しいものです。 唯一、この体の巧みさを向上できる方法は、正しい運動をする以外にありません。
それもただ自己流で運動するのではなく、どういった点に気をつけて、関節に優しく力強い動作を行えばよいのかということを学び、そして実践することが重要です。
最近では、フィットネスや健康指導の現場でも筋トレが注目されています。また、ヨガやピラティスなどストレッチ系のエクササイズも人気が高まっています。
しかし、これらで網羅できないほど、人間の動きは複雑で多様なのです。
基礎となる部分が大切なので、当院でもスクワットを基本とした運動を、高齢者の方にも体力のある方にも推奨していますが、さらに腰の状態を根本から改善したい方は、より多くの動作パターンを学び、実践していく必要があると常々感じております。
腰痛改善のカギは「腹筋」より「スクワット」—腰を守る本当に必要な運動とは?
腹筋運動が腰痛を悪化させる理由—優先すべきは別の運動だった

私は整体院とパーソナルジムを長年運営してきましたが、腹筋運動を行って腰を痛めてくる方が一定数いらっしゃいます。
腰痛を改善したいために腹筋をやって腰を痛めてしまっているということは、本末転倒ですよね?
ただ、これは不注意というよりも、そもそも「腰痛の方は腹筋をした方がいい」という情報が世の中に溢れているため、思い込みによって行ってしまっているのがよくわかります。
ぎっくり腰などで腰を痛めた経験がある方はわかると思いますが、1cm、2cmのちょっとした腰の曲がりで腰が痛くなってしまう方が多いのではないでしょうか?
つまり、運動の優先順位としては、腹筋はそこまで高くないと私は考えています。
たった一つの運動で腰痛が変わる—スクワットが秘める3つの力

腰痛を改善するためには、スクワットが非常に効果的です。その理由をお伝えします。
スクワットは3つの関節を同時に動かす、非常に優れたエクササイズです。
3つとは、足関節(足首)、膝関節、股関節という下肢の3つの大事な関節を同時に動かす運動です。
意外にも、スクワットというのは奥が深く、正しいスクワット動作ができる人はかなり少ないと感じています。
これはパーソナルトレーナーの目線で見ての話ですが、膝とつま先の方向や体幹の動きなど、細かいところに目を向けると、多くの方が修正が必要になってくる種目です。
逆に言うと、この正しいスクワットを1回でも正確に行えるようになると、先ほどお伝えしたような「体の巧みな使い方」「筋力」そして「下肢の柔軟性」という3つの重要なポイントを全て向上させることができる素晴らしいトレーニング方法なのです。
スクワット一つで全てが変わる—中途半端な10種目より完璧な1種目を

スクワットは、下肢の関節の動きとプラス体幹の動きを意識したトレーニングです。
腹筋や背筋を改めて行わなくても、スクワットを正確に行い体幹を意識してトレーニングすることで、体の巧みさも向上させることができます。
つまり、スクワットだけでも腰痛の原因になっている「筋力不足」「柔軟性低下」「体の使い方の問題」という3つの原因を全て解消できる可能性があります。
もちろん、もっといろんな腰痛改善エクササイズがあるのも事実です。
しかし、中途半端にいろんな種目をやるよりも、スクワットを極めるつもりで正確に行っていくことが、闇雲に種目を増やすことよりも、いかに大切かということを皆さんにお伝えしたいです。
もう諦めない—運動で腰痛と正面から向き合う

ここまで、運動不足がなぜ腰痛の根本原因となるのかを詳しく解説してきました。
腰痛が起きる原因は、幼少期の外傷、加齢による機能低下、運動バランスの崩れという3つの医学的要因があります。
そして、これらの問題を解決するには、筋力・柔軟性・体の巧みさという3つの要素を同時に向上させることが不可欠です。
単に電気治療や薬に頼るだけでは、根本的な改善は難しいのが現実です。
唯一、これらの機能を向上させる方法は、正しい運動を継続的に行うこと以外にありません。
特に、スクワットは3つの関節と体幹を同時に鍛えることができる最も効率的なエクササイズです。
中途半端に多くの種目をこなすよりも、まずは正しいスクワットを極めることが、腰痛改善への最短ルートとなります。
腰痛は運動不足が引き起こす運動機能の問題であり、運動でしか根本的に解決できないのです。
年齢や過去の怪我のせいにして諦めるのではなく、今からでも適切な運動習慣を取り入れることで、腰痛のない快適な生活を取り戻すことができます。
運動不足から活動量を増やしたり運動習慣をつけることで腰痛がない生活も夢ではありません。
最近ではトレーニング科学も日進月歩で発達しており、今まで運動が苦手だと感じていた人でも効果的なトレーニング方法を学べばかなり結果を出すまでの成功率は上がっていると思います。 腰痛を単に年だからと諦めず、運動不足による機能の低下であるということをしっかりと認識し、少しでも改善するように運動を始めてみませんか?
当院の取り組みの紹介

当院での腰痛改善の取り組みについてもご紹介いたします。
腰痛がひどい方に対してはまず整体で痛みを少しでも楽にしていただいて、運動ができる状態にしていきます。
腰痛も、腰が痛い方からすでに足の痛みやしびれまで、坐骨神経痛といった症状が強い方もお見えになられます。
その中でいきなり整体と筋トレをおすすめすることは難しいので、まずは痛みを解消し、痛みのない生活というのを当面の目標に伴走することを心がけております。
そして初回カウンセリングで3つのエクササイズだけはお伝えするようにしています。
本当は運動としての効果を上げるには様々な取り組みが必要ですが、どうしても多くの情報をお伝えすると行動ができないケースがままあるので、まずは3つの簡単なエクササイズから隙間時間に行っていただいております。
そして時短のエクササイズでも効果を感じていただけると、自然と次にもっと体を動かしていきたいという欲求も増していくと思います。
当院の特徴として、パーソナルトレーニングコースも専門性が高いことを行っております。
ただし、痛みが強い場合はいきなりトレーニングすることは難しいので、整体をまず行い、体が楽になってから、ご希望の方にはパーソナルトレーニングコースでさらに予防の対策を行っております。
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