腰痛改善に腹筋と背筋どっちが重要?整体師が教える正しい鍛え方

腰痛改善に腹筋と背筋どっちが重要?整体師が教える正しい鍛え方

はじめに

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大

川崎市登戸・向ヶ丘遊園の「ねもと整体&ストレッチスタジオ」院長 根本大。20年の臨床経験を持つ関節ニュートラル整体の施術者。健康運動指導士・米国ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。整体技術と運動指導の両面からのサポートしており、長年の経験をお伝えしています。

腰に手を当てている男性

腰痛の方は病院や整形外科などで「腹筋や背筋を鍛えなさい」と指導される方が多いと思います。実際に、筋力不足が腰痛の原因の一つであることは間違いありません。しかし、闇雲に腹筋運動や背筋運動を始めても、かえって腰痛が悪化してしまうケースも少なくありません。

今回は整体師とパーソナルトレーナーの私が、当院にご来院されている方のケースをもとに、腹筋・背筋どちらが大切かということ、そしてより根本的な腰痛改善のアプローチについてお伝えしたいと思います。20年の臨床経験から見えてきた、本当に効果的な腰痛改善の方法をご紹介します。

柔軟性が失われるメカニズム

椅子に座って腰に手を当てている女性

現代人の生活習慣を考えてみてください。デスクワークで長時間座りっぱなし、通勤電車でも座る、帰宅後もソファに座ってテレビやスマホを見る。このような生活では、ハムストリングス(太もも裏の筋肉)や股関節周りの筋肉が常に縮んだ状態になります。

筋肉は使わなければ硬くなり、硬くなった筋肉は骨盤や背骨の動きを制限します。この状態で無理に体を動かそうとすると、腰椎に過剰な負担がかかり、腰痛が発生するのです。

よくある腰痛のパターン

立ち上がって腰に手を当てている50代男性

座位からの立ち上がり動作での腰痛が多い。
腰痛になりやすいご来院されているケースで言うと、長い時間座っていて腰が痛くなったり、掃除などで同じような姿勢、例えば床掃除などをしていて立ち上がろうとしたら腰が痛くなっていたというパターンが非常に多く見られます。

このような症状を訴える方の多くは、デスクワークや運転など座る時間が長い職業に就いています。また、趣味で長時間ゲームをする方、読書が好きな方なども該当します。座っている時間が長いほど、ハムストリングスは硬くなり、骨盤の動きは制限されていきます。

なぜ立ち上がる時に痛むのか

腰に手を当てている40代女性

立ち上がる動作では、本来は股関節を中心に体を折りたたんだ状態から伸ばす動きが必要です。しかし、ハムストリングスが硬くなっていると、股関節が十分に動かないため、代わりに腰椎が過剰に動いて代償しようとします。

この時、腰椎周りの筋肉や椎間板に大きな負担がかかり、痛みが発生するのです。

座位での腰痛のメカニズム!骨盤後傾と腰痛の関係

背中が丸まって座っている男性

座っている時は骨盤が後傾するはずです。後傾というのは骨盤が後ろに倒れることですが、太ももの後ろにあるハムストリングスが硬い方は、自然と骨盤が引っ張り込まれるので姿勢が崩れてきます。

正常な座位姿勢では、坐骨で体重を支え、腰椎は適度な前弯(前方への緩やかなカーブ)を保っています。

しかし、ハムストリングスが硬くなると、骨盤が後ろに引っ張られ、腰椎の前弯が失われてしまいます。すると、背骨全体が丸まった「猫背」の状態になり、椎間板の前方に圧力が集中します。

椎間板への負担

下半身を表現しているイラスト

この姿勢を長時間続けると、椎間板の中心にある髄核が後方に押し出され、椎間板ヘルニアのリスクが高まります。また、椎間板周辺の靭帯や筋肉も常に引き伸ばされた状態になるため、炎症を起こしやすくなります。

この点で考えると、やはりこの骨盤後傾の一番の原因であるハムストリングスの柔軟性を回復させることが重要だということがお分かりいただけると思います。

骨盤を支えるのはどちらの筋肉か?

腰に手を当てている30代女性

しかしここで考えていただきたいのは、骨盤が後傾しないようにする際に、腹筋と背筋のどちらの筋肉を使っているかということです。答えは、背面側の背筋や首の後ろ側の筋肉になります。

具体的には、脊柱起立筋群と呼ばれる背骨の両脇を走る筋肉群が、骨盤を前傾位(正常な位置)に保つために働いています。これらの筋肉が弱くなると、重力に負けて骨盤が後傾し、猫背姿勢になってしまうのです。

腹筋と背筋、どちらが重要か?優先順位から考える

お腹と腰に手を当てている男女

順番から言うと下肢の柔軟性の回復の方が改善しやすいのですが、筋力強化という点で考えると、どちらかというと背筋の方が支える力になってくるので大切だと思います。

これには解剖学的な理由があります。人間の体は前面よりも背面の筋肉の方が多く、背骨を支える主要な筋肉のほとんどが背面に位置しています。腹筋は主に体幹を屈曲させる(前に曲げる)働きをしますが、日常生活で姿勢を保持するのは背筋の役割なのです。

誤解しないでいただきたいこと

腰を反っている30代女性

しかし誤解しないでいただきたいのは、「背筋が重要で腹筋はやらなくていいのか」というと、そういうわけではありません。腹筋と背筋は互いに拮抗する関係にあり、両者のバランスが取れていることが理想的です。

腹筋が弱すぎると、骨盤が前傾しすぎて「反り腰」になり、これもまた腰痛の原因になります。反り腰では腰椎の後方にある椎間関節に負担がかかり、腰椎分離症やすべり症のリスクが高まります。

多くの方が腹筋トレーニングは思いつくと思いますが、背筋力の強化と考えるとすぐに思いつかないのではないでしょうか?腹筋運動は学校の体育でも習いますし、ダイエット目的でも広く知られています。しかし、背筋のトレーニング方法については、具体的にイメージできる方は少ないのではないでしょうか。

背筋が盲点になる理由

腰に両手を当てている女性

このような理由から、背筋というのが盲点になっており、意識的に鍛える必要があると考えております。当院にご来院される腰痛患者さんの多くが、腹筋はある程度できるのに、背筋が極端に弱いというケースが見られます。

重要なのは腹筋と背筋のバランスです。どちらかが偏ったトレーニングをしてしまうと腰にとっては良くないので、背筋のトレーニングなども少しずつ行っていきましょう。理想的には、腹筋と背筋の筋力比は1対1から1対1.3程度と言われています

背筋のトレーニングの注意点!よくある間違い

背筋のトレーニングしている女性

背筋のトレーニングで陥りがちな間違いについてお伝えします。背筋トレーニングというと、どうしてもうつ伏せの状態で上体を起こすように体を反らすトレーニング、いわゆる「背筋運動」を思い浮かべる方もいらっしゃいます。

この方法は、確かに背筋を鍛える効果はあります。しかし、腰痛を持っている方、特に特定の疾患がある方にとっては、かえって症状を悪化させる危険性があるのです。

なぜ注意が必要なのか?

腰を反っている30代女性

これは腰にとって注意しなければいけない点です。腰が過剰に反りすぎると、すぐに腰痛が発症してしまう人がいるからです。腰椎は前弯しており、元々反りやすい構造になっています。この自然なカーブを保つことは大切ですが、過剰に反らせることは避けなければなりません。

さらに腰椎分離症やすべり症の方が腰を反ると急に悪化してしまいます。これらの疾患では、腰椎の後方にある椎間関節に過剰な負担がかかっており、反る動作でさらに圧迫されるためです。

また椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症のような腰痛でも、背骨を動かしすぎるのは痛みを誘発してしまうことになるので注意が必要です。椎間板ヘルニアでは、反る動作で神経への圧迫が強まることがあります。脊柱管狭窄症では、反る姿勢で脊柱管がさらに狭くなり、神経症状が悪化する可能性があります。

安全な背筋トレーニングとは?

プランクしている30代の女性

では、どのような背筋トレーニングが安全なのでしょうか。基本的には、腰椎を過剰に動かさず、背筋を等尺性収縮(筋肉の長さを変えずに力を入れる)させるトレーニングが推奨されます。

例えば、四つ這いの姿勢から片手と反対側の足を床と平行に伸ばす「バードドッグ」というエクササイズは、背筋を鍛えながらも腰椎への負担が少ない優れた方法です。また、プランクのように体幹全体を安定させるトレーニングも効果的です。

専門家の指導を受けることの重要性

背筋トレーニングの指導受けている30代女性

つまり背筋のトレーニングは、できれば専門家の指導を受けた上でフォームを習得して行うべきだと思います。自己流でトレーニングを始めて、かえって腰痛が悪化してしまったという相談は後を絶ちません。

当院では、お一人お一人の腰痛の原因を詳しく評価し、その方に最適なトレーニングプログラムを提案しています。同じ腰痛でも、原因や症状は人それぞれ異なります。だからこそ、個別対応が必要なのです。

効果的な腰痛改善プログラムの流れ

背筋のトレーニングをしている男女

ステップ1:柔軟性の回復
まずは下肢、特にハムストリングスと股関節周りの柔軟性を回復させます。ストレッチは痛みのない範囲で、できれば毎日行うことが理想的です。一回のストレッチ時間は20〜30秒を3セット程度が効果的です。

ステップ2:背筋の強化
柔軟性がある程度回復したら、背筋の強化に移ります。最初は軽い負荷から始め、徐々に強度を上げていきます。痛みが出る場合は無理をせず、フォームを見直すか、別のエクササイズに変更します。

ステップ3:腹筋のバランス調整
背筋がある程度強化されたら、腹筋とのバランスを整えます。ただし、従来の上体起こし型の腹筋運動は腰に負担がかかるため、プランクやデッドバグなど、腰椎を動かさない方法がおすすめです。

ステップ4:日常動作への応用
最後に、強化した筋力を日常生活の動作に活かせるようにします。正しい座り方、立ち上がり方、物の持ち上げ方などを実践的に学びます。

まとめ

トレーナーに指導受けている男性

腰痛改善には、まず下肢の柔軟性回復が最優先となります。硬くなったハムストリングスや股関節周りの筋肉が、骨盤を通じて腰椎に悪影響を与えているケースが非常に多いのです。

筋力強化では、背筋が盲点になりやすいという点に注意が必要です。多くの方が腹筋のトレーニングは知っていても、背筋の適切な鍛え方を知らないため、筋力のアンバランスが生じています。

腹筋と背筋のバランスが重要であり、どちらか一方だけを鍛えるのではなく、両者のバランスを考えたトレーニングが必要です。また、背筋トレーニングは正しいフォームで行うことが必須です。誤った方法では、かえって腰痛を悪化させる危険性があります。

専門家の指導を受けることを強くおすすめします。整体師やパーソナルトレーナーなど、体の専門家に相談することで、あなたの腰痛の原因に合わせた最適なプログラムを組むことができます。

当院では、お一人お一人の状態に合わせた適切なトレーニング指導を行っております。関節ニュートラル整体の手技で体の歪みを整えながら、運動指導で根本的な改善を目指します。腰痛でお悩みの方は、ぜひご相談ください。一緒に、痛みのない快適な生活を取り戻しましょう。

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