ランニングの障害 原因と対策を徹底解説

【完全ガイド】膝裏の痛みに悩むランナーへ - 原因と対策を徹底解説
◆ 第1章:基本的な理解と改善への第一歩
ランナーの多くが経験する膝裏の痛み。この症状は、単なるストレッチや筋トレだけでは改善が難しく、正しい走り方の習得から始める必要があります。本記事では、整体師であり、ランニング上級インストラクターの経験を活かし、科学的根拠に基づいた効果的な改善方法をご紹介します。ストレッチや筋トレの方法だけでなく、実践的なトレーニング方法まで、段階を追って詳しく解説していきます。
膝の裏の痛みで悩むランナーは多いと思いますが、整体師と同時にランニングの上級インストラクターの資格を取得している私が独自の視点で痛みの解決につながるお話を書こうと思います。
まず、ランナーの方の多くが、走り方のランニングフォームから変えていく必要があると思います。私は距離によって走り方を少し変化させていく必要があると思っています。
例えば、短距離のスプリンターの場合は、足の接地が前の前足部で着地している選手がほとんどです。できるだけ衝撃吸収する時間を短くするのは、前足部の方が適しているからです。
しかし、この前足部の走りだと、長い距離は、ふくらはぎや膝の裏までの負担が強くなっていきます。そのため、長距離を走る際は、足の裏の真ん中あたりのミッドフット接地が重要になってくると思います。同時にかかと接地をすることも足の負担が強くなるのでやめてください。

◆ 第2章:バランス能力の向上とストレッチ
では膝の裏の負担を減らすための走り方の修正についてお伝えしていきます。それはまず片足でまっすぐ立つというところから、行っていくと良いと思います。この時に、足裏の感覚でわずかですが、足の真ん中あたりに重心を置いてまっすぐ立てるか行ってみてください。
最初は、この片足のバランスを10秒から30秒行っていただくと、左右の片足バランスの評価をできると思います。片足バランスは、静的バランスと言ってどなたでもすぐにチェックできる方法なので行っていきましょう。
特に左右差を感じる方が多いのではないでしょうか?バランスが崩れているというのは、膝に対してストレスを与えていることになります。バランス能力を高めるのに、必要な筋力や柔軟性というのも現実的には必要です。
その点に関しては、筋肉をつけたり、腿の後ろのハムストリングスの柔軟性を向上させる必要があるので、正しいトレーニングの仕方をトレーナーに指導を受け数ヶ月かかると思ってください。
次にトップ選手も行う動的ストレッチが膝の痛みを減らす大きなカギになります。先ほどスタティックな状態での静的バランスでミッドフット接地や片足での安定感を意識するということを行いましたが、実際走るという動作は、動的な動きになるので、動的なバランスが必要になってきます。
わかりやすく言うと、サッカーのブラジル体操のような動かしながら可動域を広げていくというのが、今のアスリートのトレーナーがいるチームで行っていることです。ちなみに、運動前に静的なストレッチはほとんど必要ありません。
今回皆さんにお伝えしたいのは、足の接地の部分の修正になるのですが、先ほど確認した静的なバランスと動的なストレッチでの動的なバランスにつなげていけば、膝の裏に負担がかからない足の接地というのも身に付いていくと思います。

◆ 第3章:スキップ動作による改善と実践

様々なメニューがあるのですが、1つランニングとして近いのがスキップです。スキップは、子供からランナーなら誰でもできるので、行ってみてください。スキップするときに、膝を前に上げ、つま先もしっかり引き上げることが重要です。
スキップの動作をパーソナルトレーニングでチェックした際に、多くの方がつま先が下がってしまっています。これだと地面の反発が得られず、素早い走りをすることができません。
ここで意識するのは、ランニングの局面として、ミッドフット接地で地面をしっかりと捉えるということが重要になっていきます。膝の方向も外に開いたり内側に入るのも膝の負担になります。スキップ動作をするときに、足が開いていないかをチェックしてみてください。逆に、女性は内側に入るニーインの足の接地の方が多く、膝の障害につながってきます。
スキップ動作を行う際に、体全体のコーディネーションも前方への推進にかなり影響してきます。
上半身が使えていない方が多いので、より代償動作として弱い膝等の負担も強くなってきます。
先ほど書いたように、膝とつま先を前に送り出すようにスキップしながら、腕の振りもタイミングを合わせて行くというのがテクニックです。
私が長年、高校生の男子バスケットボール部を指導していますが、多くの高校生でも、腕の振りが意識できていないので、手と足のバランスがバラバラになっています。
よりランニングエコノミーを高めていくために、この動的ストレッチの際のスキップ動作でしっかり腕を振りながら、ウォーミングアップすると、ランニングの動作でも全体的なバランスの良い走り方になってくると思います。
先ほど膝の方向について言及しましたが、つま先の方向についても正しく学ぶ必要があります。
つま先と膝の方向を合わせていくというのが、ランニング動作に必要になってきます。
まっすぐ走ることを追求していくのに、つま先が少し外に開く人が多く、ニートゥーアウトというつま先はまっすぐ、膝は外に開くという癖がある方が非常に多いです。
この動作は、膝にも負担が強くなってくるので、もちろん膝裏の方にも負担になってきます。
この足の角度についてもスキップ動作で修正していくと、まっすぐ膝の負担を減らす走り方を習得することにつながります。

◆ 第4章:柔軟性の向上とケア

今までご紹介してきた静的バランスと動的バランスのスキップ動作による修正についてお伝えしました。
この下支えになるのが、下半身の裏側のタイトなハムストリングスとアキレス腱の拘縮を改善することが膝裏の痛みに最も必要なことです。
このやり方については、腰痛にも関係するので、以前の記事をご紹介します。
ぜひ同じようにこちらのハムストリングスとアキレス腱の効果的なエクササイズの紹介記事をリンクからご覧ください。
ランナーは一般の方よりも、このハムストリングスとアキレス腱が硬くなる傾向にあります。
特に、ランニングのトレーニングがボリューミーになるほど顕著にこの傾向が現れます。
また以前学生時代に走る競技をやってきた方や、ジャンプ動作の競技をやってきた方も非常に硬い人が多いです。
ですから、これは運動というよりも歯磨きをする位重要なケアとして認識していただければ幸いです。
ハムストリングスとアキレス腱は生理学的には拘縮してしまうと、ストレッチやヨガなどでは改善できないと言われています。
拘縮は筋肉を収縮させて、リラックスさせるコントラクト・リラックスというテクニックが有効です。
理学療法のPNF的なストレッチの技法が必要になるので、専門の理学療法士やパーソナルトレーナーの指導が必要になってくると思います。
しかし、安心してください。上記の記事を見ていただいて実践していただければ、こちらのエクササイズでも充分回復が望めます。
チェック方法としては、常に前屈を行うことと、しゃがむことを行っていると、少し改善してくるのがわかると思います。
正しい膝の裏の痛みを解消するストレッチができているかどうか確認するという作業として、常に前屈をチェックしてみてください。
柔軟性が少しずつ変わっていけば、膝裏の負担も減っていくことがわかります。
◆ 第5章:ランニング時の膝裏の痛み 筋力強化とまとめ

そして、意外にランナーが不足しているもう一つの要因が足の筋力不足です。
これはジムに行くようなトレーニングでなくても、充分自分の体重で行えます。
それは両足のスクワットを行い、片足のシングルスクワットを行うということです。
足のシングルスクワットができない方は、下半身の筋力が不足しているということと同時にバランス能力も低い可能性があります。
冒頭に紹介させていただいた片足バランスの延長線として、片足のスクワットもできるようにしてみてください。
これもランニングに必要な、股関節や足首の使い方の重要なアクティベーションになります。
最後に、これらの動作を指導するのは、パーソナルトレーニングではもちろん、オンライン上でのパーソナルトレーニングでも可能です。
弊社では小学生のサッカーやバスケットをやっているスポーツ少年少女から大学の部活やサークルでスポーツをされている選手たちも、このパーソナルトレーニングを受けられて、正しい走り方の基本を学ばれています。
一般的なスポーツ団体の現場でも、正しい走り方を指導されているケースはほとんどありません。
正しい走り方を行う前に正しい立ち方、そして歩き方、そしてジョギング、ランニング、スプリントとスピードや距離に応じても個別性がある指導が必要になってくるので、ご興味ある方はねもと整体&ストレッチスタジオの詳細もご確認いただけると幸いです。
■これまでの要点とこれからの実践に向けて
膝裏の痛みの改善には、以下の3つのステップが重要です。
正しい接地方法の習得
距離に応じた適切な接地位置の選択
ミッドフット接地の意識付け
つま先と膝の方向性の統一
バランス能力の向上
静的バランスからの段階的な練習
スキップ動作による動的バランスの獲得
上半身との連動を意識した全身運動
継続的なケアの習慣化
ハムストリングスとアキレス腱の柔軟性維持
下半身の筋力強化
定期的なセルフチェックの実施

有限会社ディーエスシーエス 代表取締役根本大

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大。
・米国NSCA‐CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
・健康運動指導士
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