このタイミングで行う体幹強化のトレーニングとは?
人の運動能力は「ゴールデンエイジ」すなわち6歳から12歳頃までの期間の運動習慣で決まると言われています。
もちろん、何歳からはじめても、向上はするのですが、このゴールデンエイジの期間に習得した動きは飛躍的に向上して、生涯継続されると言っても過言ではありません。
将来運動で花を咲かせたい!そう考える保護者の方は、この時期にどのような運動やトレーニングを行えば、高学年・高校大学に行ったときにアドバンテージになっていく大事な期間だと思います。
ねもと整体&ストレッチスタジオで開業から17年経ちますが、開業したころからゴールデンエイジの期間に注目して、子供の整体やパーソナルトレーニング、高校大学の部活動のトレーニングやストレッチ指導をしてきました。
何のスポーツにも体幹が弱いとダメ しかし体幹のトレーニングは⁈
多くの子供のトレーニングで課題になるのが「体幹が弱い」「体幹トレーニングさせよう」と陥ります。
物事をごく単純に考える思考パターンが実は無駄な時間になることが多いのです。
例えば、対人競技で相手とコンタクトをして、いつもバランスが悪いから体幹のトレーニングをすれば解決するのか?
バスケットボールの相手プレーヤーとリバウンドを競り合い、負けると体幹のトレーニングで解決するのか?
おそらくスポーツの試合を目の前で多く見られた保護者や指導者の方ですら、体幹の弱さと考えてしまうのは仕方がありません。
柔道の五輪金メダリストで、男子日本代表前監督の井上康生さんがリオオリンピックで金メダル2個を含む「全7階級でのメダル獲得」という快挙を成し遂げました。
井上康生元監督が就任された際にテレビYouTube・出版で人気のトレーナー。リオ五輪柔道復活の立役者、 バズーカ岡田さんに日本代表の体幹トレーニングをトレーナーとして指導してほしいと相談されたそうです。
その際に「日本人の足りないのは体幹トレーニングではなく、普通の筋力トレーニングです」と答えられ、日本人選手は4年間で筋肉量を増やして全階級でメダルを獲得できたそうです。
私もトレーナーの講習会でバズーカ岡田さんのお話を聞いたことが何度もありますが、奇をてらうようなトレーニングを行うのではなく、普通のストレングストレーナーが行うことを指導されたと話されていました。
子供に合わせたトレーニングで総合的に体幹も強くなる
子供のトレーニングで配慮しないといけないのは、単調なトレーニングを高回数でやらせ過ぎてしまうことです。
それこそ、素振りを何千回とか、昔ながらの運動をさせると関節や筋肉もオーバーユースで壊れます。
野球をしている子供の多くが、肩を痛めてしまっています。
トレーニングも同じで、同じ方向で腹筋も限界まで行い続ければ、腰が疲労骨折してしまい、分離症・すべり症・腰椎椎間板ヘルニアになる可能が高まります。
そのようなリスクを考えて同じ筋肉や部位を鍛えるにしても多方向・多刺激で関節の負担や筋肉の損傷を考慮してプログラムを組む必要があります。
私は18年以上整体とパーソナルトレーニングを生業にしていますが、整体では常に腰や肩を痛めてくる方を調整しています。
競技能力が高い人でも、故障して引退したというお話も多く聞きます。
ステップワークが高まると体幹も安定して動けるようになる
私が現在指導している子供達には競技に捉われず、マーカーコーンを置いて、フットワークや股関節の動的ストレッチのメニューを多く組んでいます。
子供の年代では、地味なキツイ動きよりもリズムカルに足を狙ったところに接地していくような動きづくりの方が積極的にドリルを行ってくれます。
素人考えだと、競技に近い動きを行う方が競技能力が向上すると考えがちです。
それよりも、多方向に動くことを学習させるのが、ゴールデンエイジのトレーニングのコツです。
関節にもその方がストレスが減るので、痛めづらいと思います。
俊敏性が向上することで対人競技で相手とコンタクトする頻度も減るかもしれません。
有限会社ディーエスシーエス 代表取締役根本大
ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大。
・米国NSCA‐CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
・健康運動指導士