Director
川崎市登戸・向ヶ丘遊園 ねもと整体&ストレッチスタジオ
根本 大
Nemoto Dai
20年の臨床経験を持つ関節ニュートラル整体の施術者。整体技術と運動指導の両面から患者さまをサポートし、長年の経験で培った知識と技術をお伝えしています。
最終更新日 2026年3月17日
20年のプロが教える「本当に必要なケア」の正体

先日、当院(ねもと整体&ストレッチスタジオ)に通われている女性から、こんなご質問をいただきました。
「娘がもうすぐ出産するのですが、産後の骨盤矯正はいつから受けさせるのが良いですか?」
私は迷わず、こうお答えしました。
「骨盤は自然に戻るものですから、慌てて『矯正』を受ける必要はありませんよ」
お客様は驚かれました。「えっ、でも骨盤矯正専門の整体ってたくさんありますよね?根本さんのところではできないんですか?」と。
20年・延べ4万人以上の施術経験を持つ私が、なぜあえて「産後の骨盤矯正の必然性は低い」と断言するのか。それは、「骨盤矯正」という言葉の裏に潜む矛盾を、臨床の現場で見続けてきたからです。
この記事では、その矛盾を正直にお伝えしたうえで、産後のママさんの体に「本当に必要なケア」とは何か、具体的にお伝えします。
「骨盤矯正」という言葉を、まず疑ってほしい
「産後に開いた骨盤をすぐに締めないと元に戻らない」「今やらないと一生太る体になる」——こうした言葉を見聞きしたことがある方は多いと思います。
しかし、医学的な事実をお伝えすると、骨盤の関節(仙腸関節)が動く範囲はわずか2〜3ミリです。その微細な関節を、手技によって「パカパカに開いた状態から締める」というのは、解剖学的に見て誇大な表現にほかなりません。もし本当に骨盤が大きく開いたままであれば、激痛で歩くことすらできないはずです。
※仙腸関節の構造や医学的な詳細については、当院コラム「骨盤を狭くする」の真実!で詳しく解説しています。
また、「骨盤の高さが左右で違う」「脚の長さが揃えば骨盤が戻った証拠」といった評価も、医学的根拠に乏しいものです。人の体は本来左右非対称であり、形よりも関節が正しく動いているかどうかの方がはるかに重要です。
不安を煽るセールストークに乗せられて、高額な回数券を契約したり、体に合わない施術を繰り返す必要はありません。
それでも産後の体は、確実にケアが必要な理由

「骨盤矯正」という看板には懐疑的であるべきですが、産後のメンテナンスそのものは、私はむしろ通常以上に重要だと考えています。理由は明確です。産後のママさんの体は、想像をはるかに超えた負荷にさらされているからです。
育児が体に与える、想像以上のダメージ
赤ちゃんが生まれた直後から、ママの体には容赦ない負荷がかかり始めます。新生児の平均体重は約3kg。それがやがて5kg、7kg、10kgと増えていく中で、一日に何十回もの抱っこ、中腰でのオムツ替え、不自然な姿勢での授乳が積み重なっていきます。
腰はもちろん、膝・股関節・肩・首、そして手首にまで慢性的なダメージが蓄積します。特に手首は、授乳時に赤ちゃんの頭を支え続けることで腱鞘炎になりやすく、痛みがひどくなると抱っこ自体が困難になってしまいます。
睡眠不足が、回復を妨げる
体がダメージを修復するのは主に睡眠中です。しかし産後の多くのママさんは、まとまった睡眠を取れない状態が何ヶ月も続きます。疲労が慢性化し、小さな痛みが「気づいたら深刻な状態に」なっていることが珍しくありません。
痛みは、育児の質に直結する
腰が痛ければ、子どもを抱き上げるたびに顔をしかめてしまいます。肩が張り続ければ、気持ちにも余裕がなくなります。「産後だから仕方ない」と我慢を続けた結果、育児そのものが辛くなってしまうのは、本末転倒です。
私がお客様にお伝えしたのは、こういうことです。
「骨盤の形を直すためではなく、育児を痛みに邪魔されず、笑顔で過ごせるようにするために、体のケアを活用してください」
3. 産後の体に本当に起きていること ― 整体師の視点から
産後の体を診るとき、私が注目するのは「骨盤の形」ではなく、「各関節が正しく動いているかどうか」です。
出産によって骨盤周辺の靭帯や筋肉は大きなダメージを受けます。その影響は骨盤だけにとどまらず、股関節・腰椎・膝関節・足首と、連鎖するように全身に波及します。特に産後は、インナーマッスル(深部の安定筋)の機能が低下しているケースが多く、表面の筋肉だけで無理に体を支えようとするため、特定の部位に過剰な負担が集中します。
また、仙腸関節については、産後しばらくの間は靭帯がまだ緩んだ状態にあります。この時期に「骨盤を動かそう」と自己流のストレッチを過剰に行うと、関節が不安定になり、腰痛が逆に悪化するケースが実際にあります。自己流の骨盤ストレッチで症状が悪化して来院される方を、私は何人も見てきました。
大切なのは、「骨盤を締める」という発想ではなく、産後に低下した関節の機能と筋肉のバランスを、段階的に回復させることです。
4. 産後ケアで本当に必要な3つのアプローチ

では具体的に、何をすれば良いのか。当院での実践から、核心となる3つのアプローチをお伝えします。
① 関節の「動き」を取り戻す
産後に固まってしまった股関節・腰椎・胸椎の可動域を、丁寧に回復させることが最優先です。骨盤だけにこだわるのではなく、全身の関節がスムーズに連動して動けるようにすること。それが、腰痛や膝痛の根本的な予防につながります。
当院では施術の前後に関節の可動域と筋力を検査し、変化を確認しながら進めます。「なんとなく楽になった気がする」ではなく、体の変化を数値として捉えることを大切にしています。
② スクワット・ランジで「大きな筋肉」から回復させる
産後の体力回復において、私が特にお勧めしているのがスクワットやランジなど、下肢の大きな筋肉を動かす運動です。
「産後だから激しい運動はNG」というイメージがありますが、体の状態が許す範囲での下肢トレーニングは、むしろ回復を加速させます。太ももやお尻といった体の中でも特に大きな筋肉群を動かすと、それに協働する形で体幹やインナーマッスルも自然と働き始めます。「小さな筋肉だけを鍛える」よりも、大きな筋肉を動かすことで全身の筋力・体力が効率よく戻ってくるのです。
また、スクワットやランジは股関節・膝・足首の可動域を同時に回復させる動きでもあります。下肢の柔軟性と筋力が戻ることで骨盤周辺の安定性も高まり、腰や膝への負担が自然と減っていきます。
ポイントは「正しいフォームで、小さな負荷から始めること」。膝がつま先より前に出すぎない、背中が丸まらない——こうした基本を押さえるだけで、育児で酷使している腰や膝をさらに傷めるリスクを避けられます。フォームに不安がある方は、専門家に一度確認してもらうのが最も確実です。
③ 育児動作そのものを改善する
どれだけ施術を受けても、日々の育児の動作が体を傷め続けていれば、根本的な改善にはなりません。「抱っこの際に腰ではなく脚を使う」「授乳クッションで手首への負担を減らす」「オムツ替えの台の高さを調整する」など、日常の小さな工夫が積み重なって大きな違いを生みます。
当院では整体の施術に加え、ご自宅でも続けられるセルフケアと、育児動作の改善アドバイスもお伝えしています。整体で関節の動きを回復させた後に正しい動作を習得することで、施術の効果が長続きします。
5. こんな症状があれば、早めにケアを!
以下のような状態が続いている場合、「産後だから仕方ない」ではなく、体のサインとして受け取ってください。
抱っこのたびに腰や肩に痛みが走る、立ち上がる際に腰がつらい、膝に力が入りにくい・階段がきつい、手首や親指の付け根に痛みがある、寝ても疲れが取れない・体がだるい感じが続く、出産前の体調に戻っていない感覚がある——これらはいずれも、関節や筋肉が回復を必要としているサインです。
多くの場合、適切なアプローチで改善が期待できます。「まだ我慢できる」と放置すると慢性化しやすいため、早めのケアをお勧めします。
焦らなくて、大丈夫です。
「骨盤矯正しなきゃ」と不安になる必要はありません。
あなたの体はすでに、自然に回復しようとしています。
出産という大仕事を乗り越えたあなたの体は、すでに十分すごい。
痛みなく抱っこできる日々、笑顔でわが子と向き合える毎日——
それがあなたに、当然あっていいものです。
自分の体を信じて、焦らず丁寧にケアしてください。
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