ねもと整体&ストレッチスタジオ根本院長。
整体技術と運動指導の両面からサポート!
最終更新日 2026年5月30日
ランニングで膝の外側が痛い原因と治し方

ランニングを続けていると、膝の外側に鋭い痛みや違和感が出てくることがあります。「走るたびに膝の外側が痛い」「最初は少し違和感があるだけだったのに、気づいたら走れなくなってしまった」そんな経験をされている方は少なくありません。
この痛みの多くは、腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)と呼ばれる状態です。私はねもと整体&ストレッチスタジオで整体師として施術を行うと同時に、ジュニアアスリートから一般の方まで長年スピードトレーニングのコーチとして指導をしてきました。
今回はその両方の現場経験から、なぜランニングで膝の外側が痛くなるのか、そしてどうすれば改善・予防できるのかをお伝えします。
ランニングで膝の外側が痛くなるとはどういう状態か?

膝の外側の痛みは、ランナーの間でとても多いトラブルのひとつです。特に「走り始めてしばらくすると痛みが出てくる」「坂道や長距離で症状が強くなる」「走り終わった後もズキズキする」という方に多く見られます。
この痛みの正体は、腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)と呼ばれる組織への過剰なストレスです。腸脛靭帯とは、骨盤の外側から膝の外側にかけて走る太い靭帯のことで、ITバンド(アイティーバンド)とも呼ばれます。ランニング動作の中で膝を繰り返し曲げ伸ばしするたびに、この腸脛靭帯が膝の外側の骨(大腿骨外側上顆)と摩擦を起こし、炎症が生じることで痛みが発生します。
せっかくランニングを楽しんでいたのに、走るたびに痛みが出るというのはとてもストレスになりますよね。しかしこの状態は、原因を正しく理解して適切に対処することで、多くの場合は改善が見込めます。
まずは「なぜ腸脛靭帯にストレスがかかってしまうのか」という根本的な原因から見ていきましょう。
膝の外側が痛くなる本当の原因|立ち方・歩き方・走り方のつながり

腸脛靭帯炎の原因としてよく挙げられるのが「ランニングフォームの問題」です。もちろんフォームは重要ですが、私が整体の現場やランニング指導の現場で長年見てきた中で感じるのは、フォームを修正する前に見直すべきことがあるということです。
まず自分の足を触ってみてください。多くの方が、ふくらはぎの外側や太ももの外側の筋肉が硬くなっているのを感じると思います。人の体は日常の立ち方・歩き方の習慣によって、足の外側に体重が乗りやすい構造になってしまうことがあります。この外側への偏りが積み重なることで、腸脛靭帯にじわじわとストレスがかかり続けてしまうのです。
つまり原因の順番としては「立ち方→歩き方→走り方」という流れがあります。ランニングフォームだけを修正しようとしても、そもそもの立ち方・重心の癖が残ったままでは、根本的な改善にはなりません。
片足立ちで30秒止まれますか?

ひとつ簡単なセルフチェックをご紹介します。今すぐ片足立ちをして、30秒間キープしてみてください。ふらついてしまう方、どこかを触れていないと安定しない方は、バランス能力が低下しているサインです。
これは単純な筋力不足ではなく、重心の取り方に癖がついているケースがほとんどです。足のアライメント(骨の並び)が崩れた状態で走ると、走れば走るほど外側への負担が蓄積されていきます。
つま先と膝の向きが5ミリのズレを生む

もうひとつ確認していただきたいのが、つま先と膝の向きです。立ったときや歩いているとき、つま先がわずかに外側を向いていませんか。たった5ミリ、1センチのズレでも、足の外側に余分なストレスをかけ続ける原因になります。
真っすぐ前に進もうとしているなら、膝もつま先も進行方向に真っすぐ向いているのが理想です。まずは「膝とつま先を進行方向に真っすぐ揃えて歩く」ことを意識するだけで、外側にかかる負担はかなり変わってきます。
今日からできるセルフケア|外側の筋肉を歯を磨くように緩める
腸脛靭帯炎の予防と改善において、外側の筋肉のケアは毎日続けることが何より大切です。歯を磨くように、毎日の習慣にしてほしいのです。
座ってできる腸脛靭帯・外側ストレッチ

特別な道具は必要ありません。椅子や床に座った状態でできる方法をご紹介します。
・椅子に座り、片方の足を反対の膝の上に足を組むように乗せます。
・その状態で乗せた膝をゆっくりと内側(体の中心方向)に押し込みます。
・太ももの外側から膝の外側にかけて、じわっとした伸び感を感じたらそこで止めて20〜30秒キープします。
・左右それぞれ2〜3セット行います。
この動作で外側の筋肉の張りを感じた方は、日常的に外側に体重が乗っている可能性が高いです。痛みが強い場合は無理をせず、伸び感が出る手前の範囲で行ってください。
お尻まわりのストレッチも欠かせない理由

腸脛靭帯は大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)という筋肉とつながっており、この筋肉はお尻の横側から始まっています。
外側だけでなく、お尻まわりの筋肉も合わせて緩めることが、腸脛靭帯への負担軽減につながります。仰向けに寝た状態で片膝を抱えて胸に引き寄せるストレッチや、股関節を外に開くような動きも積極的に取り入れてみてください。
整体ではどうアプローチするのか?|股関節と足関節の調整
セルフケアだけでは改善が難しいケースも多くあります。その場合、整体では主に股関節と足関節へのアプローチを行います。
股関節の調整

股関節には屈曲・伸展・内転・外転・内旋・外旋という6方向の動きがあります。この動きのどこかが制限されると、ランニング中に下肢全体のアライメントが崩れ、膝の外側に余分なストレスがかかります。
股関節へのアプローチは自分でストレッチを行うことも可能ですが、関節の動き自体を調整するモビライゼーション(関節調整法)は施術者でなければできない技術です。
また股関節の関節調整を専門的に行えるセラピストはまだ少ないのが現状です。
足関節(足の骨)の調整

もうひとつ重要なのが足関節、つまり足首と足の骨の調整です。足には多くの細かい骨が密集しており、日常的に体重がかかり続けることで骨と骨の間の靭帯に摩擦が生じ、動きが制限されてしまうことがあります。
試しに足の小指側の骨を指で押してみてください。痛みを感じる方は少なくないはずです。これは足の外側に体重が偏っているサインで、ランニング時にも足全体のバランスが崩れる原因になります。
整体では足の骨ひとつひとつの動きを丁寧に確認し、動きが悪くなっている部分をスムーズに戻していきます。足関節の動きが改善すると、脚全体のアライメントが整い、腸脛靭帯へのストレスが軽減されていきます。
走れない期間も心肺機能を落とさない工夫

腸脛靭帯炎で走れない期間が続くと、ランナーにとって最も辛いのが心肺機能の低下です。実は心肺機能は、トレーニングを休止すると比較的早い段階から落ち始めることが分かっています。走れないからといってただ安静にしているだけでは、復帰したときにパフォーマンスが大きく下がってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、ステップ台を使った有酸素運動です。ステップ台の昇り降りは膝への衝撃が少なく、心拍数を適度に上げながら心肺機能を維持することができます。
腸脛靭帯への負担を最小限に抑えながら体力を維持できるため、症状が落ち着いてきた段階でのリハビリとしても効果的です。少しトレーニングの知識を取り入れることで、焦らず着実に、パフォーマンスを落とさずにランニング復帰を目指すことができます。
膝の外側の痛みは根本から改善できる

ランニングで膝の外側が痛くなる腸脛靭帯炎は、走り方だけの問題ではありません。立ち方・歩き方・重心の癖・足のアライメントなど、日常動作全体のバランスが深く関係しています。ランニングフォームだけを修正しようとしても、そもそもの土台である「立ち方・歩き方」が整っていなければ、同じ場所に同じストレスがかかり続けてしまいます。
今日からできる5つのこと
- 片足立ち30秒チェックで自分のバランス能力を確認する
- 膝とつま先を進行方向に真っすぐ揃えて歩く習慣をつける
- 外側の筋肉のストレッチを毎日、歯を磨くように続ける
- 症状が改善しない場合は股関節・足関節への専門的なアプローチを検討する
- 走れない期間もステップ台などで心肺機能を維持する
走ることが好きな方ほど、休むことへの罪悪感を感じやすいものです。しかし今の期間は「体を正しく使うための準備期間」だと捉えてください。焦って走り出すのではなく、土台となる体の使い方を整えながら、一歩ずつ復帰していきましょう。
腸脛靭帯炎はきちんとケアをすれば、またランニングを楽しめるようになります。根本からアプローチすることが、長くランニングを楽しみ続けるための一番の近道です。
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