何ヶ月も治らないテニス肘の本当の原因と対処法

何ヶ月も治らないテニス肘の本当の原因と対処法

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院長 根本大

ねもと整体&ストレッチスタジオ根本院長。
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最終更新日 2026年5月16日

はじめに

ひじに手を当てている男性

「もう3ヶ月以上たつのに、肘の痛みが全然良くならない…」
テニスやゴルフなど週末にスポーツを楽しんでいる方、あるいは手をよく使うお仕事の方で、こんなお悩みを抱えていませんか。アイシングをしても、マッサージをしても、少し楽になるけれどまた痛くなる。そのくり返しで、趣味のスポーツも思い切り楽しめない状態が続いている方は少なくありません。

実は、テニス肘がなかなか改善しない場合、肘そのものではなく、別の部位に本当の原因が隠れていることがあります。この記事では、20年以上の臨床経験から見えてきた「治らないテニス肘の意外な原因」を3つお伝えします。

Table of Contents

テニス肘とはどんな症状か?

パソコン作業している女性

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、肘の外側に痛みが出る症状です。テニスのバックハンドで痛みが出ることから「テニス肘」と呼ばれていますが、実際にはテニスをしていない方にも多く見られます。パソコン作業や調理、工具を使うお仕事など、手首や腕を繰り返し使う職業の方にも非常に多い症状です。

テニスをされる方の40〜50%がテニス肘を経験するという海外の研究報告もあり、決して珍しい症状ではありません。30代以降に多く見られ、週末だけスポーツをする愛好家に特に多い傾向があります。

よくある対処法としては、肘へのアイシングや湿布、マッサージ、筋膜リリースなどが挙げられます。これらは痛みを一時的に和らげる効果はありますが、「なぜ肘に負担がかかっているのか」という根本原因にアプローチしていないと、症状をくり返してしまいます。

手首の硬さが肘を代償させている

手首が動きが悪い男性

肘のすぐ隣にある関節が、手首(手関節)です。手首には前後の曲げ伸ばしと、ひねり(回内・回外)の動作があります。この動きがスムーズでないと、手首の代わりに肘が過剰に動いて負担を引き受けてしまいます。これを「代償動作」と呼びます。

スポーツ医学の分野では、こうした体の連動性を「キネティックチェーン(運動連鎖)」と呼びます。テニスのストロークやサーブは、足から始まった力が膝・腰・肩・肘・手首へと順番に伝わっていく動きです。この連鎖のどこか一部が機能しなくなると、その分の負荷がほかの関節に集中してしまいます。

PubMedに掲載された研究でも、「キネティックチェーンのいずれかのリンクが機能しなくなると、残りの部位がその損失を補うために過剰に働き、組織の過負荷につながる」と報告されています。手首の硬さはまさにこのリンクの一つです。

また、バックハンドストロークにおける手首の動き方の研究では、テニスの初心者と上級者で手首の使い方が大きく異なり、初心者のほうがインパクト時に手首を不適切な方向に動かすことで肘への負担が増えることが示されています。

肘が痛いからといって肘ばかりにアプローチしていても、手首の硬さが残ったままでは肘への負担は減りません。手首の柔軟性を改善することで、肘にかかる負担が軽減される可能性があります。

肘は自分で調整するのが難しい関節ですが、手首であれば自分でストレッチを行うことができます。手のひらを上に向けた状態で反対の手でゆっくり手首を曲げ伸ばしするストレッチや、手首をゆっくり回すストレッチを毎日続けることが、肘の回復を助けることがあります。

治らない原因② 頸椎(首)の神経が関係していることがある

肘に手を当てている女性

これは多くの方が意外に思われると思いますが、首(頸椎)の神経の圧迫が、腕や肘の痛み・しびれとして現れることがあります。

神経には「デルマトーム」と呼ばれる分布図があります。首から出る神経(C6・C7)は、前腕から肘のあたりまで分布しており、この神経が圧迫されると肘付近に痛みやだるさが現れることがあります。つまり、肘に問題がないのに、首の神経が原因で肘が痛く感じるケースがあるのです。

これは臨床的にも報告されており、テニス肘と診断された68名の患者さんを対象とした研究では、MRI検査で頸椎(C5-6・C6-7レベル)に異常が見つかった方が非常に高い割合で確認されています。また、肘の治療を4週間続けても改善しなかった50名のテニス肘患者に対して、頸椎へのアプローチ(牽引・モビライゼーション・運動療法など)を行ったところ、約86%の方に良好な改善が見られたという報告もあります。

20年以上の臨床の中で、首の調整を行った後にその場で肘の痛みが改善したケースを複数経験してきました。頸椎の調整は難易度が高く、経験のある専門家でないと対応が難しい部分でもありますが、何ヶ月も肘の治療を続けても改善しない場合、一度、頸椎に精通した施術者に相談してみることをおすすめします。

治らない原因③ 足首の硬さが肘を酷使させている

サーブをしている男性

「足首が肘に関係するの?」と驚かれる方も多いと思います。しかし、これはスポーツをされている方にとって非常に重要なポイントです。

テニスのサーブを打つとき、理想的なフォームでは足元から体重移動が始まり、その力が上半身・腕へと伝わっていきます。ところが足首が硬く、かかとをつけたままでしゃがめないような状態だと、この体重移動がうまくできません。その結果、腕と肘だけで打つ「手打ち」になってしまい、肘への負担が過剰になります。

スポーツ科学の研究では、足首の背屈(つま先を上に向ける動き)の可動域が制限されると、体全体の運動連鎖が乱れ、本来は使わなくてよい関節に過負荷がかかることが示されています。足首の硬さは下半身だけの問題ではなく、上半身全体の動作の質にも影響するのです。

医療機関でも、肘が痛い方の足首の可動域をチェックするケースはほとんどないと思います。しかし、体はすべてつながっています。まさか足首の硬さが肘に影響しているとは思わなかった、という方がたくさんいらっしゃいます。

足首の硬さは、ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)の硬さと深く関係しています。カーフレイズ(かかとの上げ下げ運動)を10〜15回行った後に、ふくらはぎを10秒間しっかり伸ばすストレッチをくり返すことで、足首の可動域が広がっていきます。これを毎日続けることで体重移動がスムーズになり、肘への負担が減ることがあります。

今日からできるセルフケア3選

・手首のストレッチ

手首のストレッチをしている女性

手のひらを上に向けて腕を伸ばし、反対の手でゆっくり手首を手前に曲げて10秒キープ。次に甲側に反らして10秒キープ。左右それぞれ3セット行います。手首のひねり(回内・回外)もゆっくり行うと効果的です。

・ふくらはぎのカーフレイズ+ストレッチ

ストレッチしている女性

壁に手をついて立ち、かかとをゆっくり上げ下げする運動を10〜15回。その後、足を後ろに引いてかかとを床につけたままふくらはぎを10秒伸ばします。左右それぞれ行います。1日3回を目安に続けましょう。

・肘周辺の過度なマッサージは控えめに

肘をマッサージしている女性

炎症が残っている時期に肘を強くマッサージすると、かえって悪化することがあります。肘そのものへの刺激は最小限にして、手首や足首などの周辺へのアプローチを優先してみてください。

実際の施術事例 登戸在住Tさんの場合

テニスとゴルフをしている男性

登戸在住のTさんは、テニスとゴルフが趣味の週末スポーツマンで、コンディショニングのために定期的にご来院されていました。ある時期から右肘に痛みが出始め、テニスもゴルフも約1ヶ月間できない状態が続いていました。

可動域をチェックしたところ、前屈が一般の方よりも硬く、しゃがむ動作ではかかとをつけたままでは全くしゃがめない状態でした。下半身全体の柔軟性が低下していることが確認できました。

同時に肘の曲げ伸ばしでも右肘に痛みがあり、手首のひねり(回内・回外)の動きにも硬さが見られました。そこでまず手首の調整を行ったところ、その場で「肘の負担が減った感じがする」というご感想をいただきました。

その後、週1回の施術を7回受けていただき、痛みはほぼ消失しました。施術と並行して、下半身の柔軟性を回復させるセルフケアをご指導し、1日3回・毎回3分のエクササイズを毎日続けていただきました。2ヶ月間のコンディショニングが効果を発揮し、テニスもゴルフも無事に復帰することができました。

【まとめ】

何ヶ月たっても治らないテニス肘は、肘だけの問題ではないことが多いです。
原因を紐解くために、大切な3つのポイントをあらためて整理します。

立っている男性

手首の硬さが、肘への負担を集中させている

手首のひねり(回内・回外)や曲げ伸ばしの可動域が低下すると、肘がその動きを代わりに担うようになります。テニスやゴルフのスイング中に手首がスムーズに動かないと、肘に繰り返しストレスがかかり続けます。肘の治療だけを続けていても改善しない場合、まず手首のストレッチから試してみてください。

頸椎(首)の神経トラブルが、肘の痛みを引き起こす

首から出るC6・C7神経は、前腕から肘周辺まで分布しています。頸椎に問題があると、その神経の通り道にある肘が痛みを感じることがあります。「肘を何ヶ月治療しても変わらない」という方は、首の状態も一度確認してみることが大切です。頸椎へのアプローチは難易度が高いため、経験のある専門家に相談することをおすすめします。

足首の硬さが「手打ち」を招き、肘にストレスをかける

かかとをつけたままでしゃがめないほど足首が硬い場合、テニスのサーブやゴルフのスイングで体重移動がうまくできず、結果的に腕と肘だけで動作を完結させようとする「手打ち」になりがちです。足首とふくらはぎの柔軟性を高めることが、肘の負担を減らす意外な近道になることがあります。

痛い場所だけを診ていても、本当の原因には気づけない

この3つに共通しているのは、「痛い場所の近くだけを診ていても、本当の原因には気づけない」ということです。体は足先から首まで一本のつながりで動いています。どこか一部が硬くなったり、動きが悪くなったりすると、その影響はつながった別の部位にじわじわと波及していきます。

肘の痛みに長く悩んでいる方ほど、「肘以外を変えることで肘が楽になる」という発想の転換が回復のきっかけになることが多いです。

今日からできるセルフケアとして、手首のストレッチとふくらはぎのカーフレイズ+ストレッチをぜひ毎日の習慣に取り入れてみてください。続けることで体全体のコンディションが整い、肘への負担が少しずつ減っていくはずです。

大好きなスポーツや日常生活を全力で楽しめない日々を、もう終わりにしませんか。

根本原因から丁寧に向き合い、肘の痛みに悩まされない体づくりのお手伝いをいたします。

ねもと整体&ストレッチスタジオ 院長 根本大

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