スクワットから始める体質改善法

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大
川崎市登戸・向ヶ丘遊園の「ねもと整体&ストレッチスタジオ」院長 根本大。20年の臨床経験を持つ関節ニュートラル整体の施術者。健康運動指導士・米国ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。整体技術と運動指導の両面からのサポートしており、長年の経験をお伝えしています。

「また今日も運動できなかった...」そんな自分を責めていませんか?
運動が大切だと頭では分かっているけれど、どうしても続かない。ジムに入会したものの結局行かなくなってしまった。SNSで見かけるトレーニング動画を試してみても、きつくて3日坊主で終わってしまう。
もしあなたがこのような悩みを抱えているなら、それはあなたの意志が弱いからではありません。運動に対するアプローチ方法が間違っているだけなのです。
運動習慣がないことで起こる5つの深刻なデメリット

運動嫌いで運動習慣がない生活を続けていると、体に様々な悪影響が蓄積されていきます。これらのデメリットを知ることで、運動の重要性を実感していただけるでしょう。
実感していただけるでしょう。
1. 慢性的な肩こり・腰痛の発生
運動不足により筋力が低下すると、正しい姿勢を維持することが困難になります。特にデスクワークが多い現代では、前かがみの姿勢が習慣化し、肩や腰に過度な負担がかかります。
結果として、肩こりや腰痛が慢性化し、日常生活の質が大幅に低下します。頭痛薬や湿布に頼ったり、病院でレントゲンやMRIなどの検査を受けても、根本的な筋力不足が解決されなければ、医療費ばかりがかさんでしまいます。
2. 関節痛のリスク増大
筋力や柔軟性が不足すると、膝や股関節などの関節に本来かかるべきでない負担が集中します。これにより、膝痛や股関節痛が発生しやすくなります。
特に階段の上り下りや長時間の歩行で痛みを感じるようになると、さらに活動量が減少し、悪循環に陥ってしまいます。
3. 肥満と生活習慣病のリスク
運動不足は基礎代謝の低下を招き、肥満になりやすい体質を作ります。肥満は見た目の問題だけでなく、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病のリスクを大幅に高めます。
また、体重増加により関節への負担も増し、前述の関節痛がさらに悪化する可能性があります。
4. 疲労感と精神的不安定
運動不足により体力が低下すると、日常の些細な動作でもすぐに疲れてしまいます。この慢性的な疲労感は、集中力の低下やイライラしやすい状態を引き起こします。
また、運動には精神的なストレス解消効果がありますが、運動習慣がないとストレスが蓄積され、精神的なコントロールが困難になりがちです。
5. 睡眠の質の悪化
運動不足は睡眠の質にも大きな影響を与えます。日中の活動量が少ないと、夜になっても体が十分に疲れておらず、寝付きが悪くなります。
また、浅い眠りが続くため、朝起きてもだるさが残り、昼間の活動にも悪影響を及ぼします。この悪循環により、さらに運動する気力が失われてしまいます。
なぜ運動嫌いは生まれるのか?3つの根本原因

1. 運動に対する間違ったイメージ
多くの人が「運動 = ジムでのハードなトレーニング」と考えています。SNSで見かける腹筋を割るためのコア系トレーニングや、汗だくになるまでの激しい有酸素運動。これらを見て「自分には無理」と感じてしまうのは当然です。
しかし、本当に効果的な運動は、必ずしもハードである必要はありません。アスリートレベルの激しいトレーニングを目指す必要もないのです。
2. 結果への過度な期待と挫折体験
運動を始める時、多くの人が短期間での劇的な変化を期待します。しかし、体の変化には時間がかかります。1週間、2週間で目に見える効果が現れないと「やっぱり自分には向いていない」と諦めてしまうのです。
特に学生時代の体育で嫌な思いをした経験がある方は、運動に対する苦手意識が根深く残っています。
3. 日本特有のフィットネス環境
実は、日本のフィットネス施設に通っている人口はわずか4%台です。これに対し、欧米では15%から20%の人がフィットネス施設を利用しています。この数字が示すように、日本ではジム通いそのものが困難な環境にあるのです。
つまり、多くの人が運動を続けられないのは、個人の問題ではなく構造的な問題でもあるのです。
運動が好きになると人生が変わる:実際のクライアント事例

私が整体院で指導している40代女性のお客様の話をご紹介します。
以前の彼女は、2階に上がるだけで息切れしてしまう状態でした。「運動は嫌いだし、続ける自信がない」とおっしゃっていました。
しかし、3ヶ月間の適切な指導を受けた後、劇的な変化が起きました。階段の上り下りが楽になっただけでなく、日常生活で積極的に階段を使うようになったのです。
その結果、自然と日常の活動量が増加しました。以前は車やタクシーを多用していた彼女が、歩きや自転車での移動を基本とするようになりました。これにより、特別な運動時間を作らなくても、買い物や移動自体が有酸素運動となったのです。
「体調がこんなに良くなるなんて思わなかった」と、現在では運動を楽しんでいらっしゃいます。
このように、運動が好きになることで素晴らしい連鎖反応が生まれます。体力向上→日常動作が楽になる→活動量増加→自然な有酸素運動効果→生活の質向上→さらなる体調改善という好循環が始まるのです。
運動嫌いでも続けられる運動:まずはスクワットから始める理由
長年、高校や大学の運動部でトレーナーをしてきた経験から、運動嫌いの方に最初にお勧めしたいのがスクワットです。
なぜ最初はスクワットなのか?

人間の全身の筋肉の約7割は下半身に集中しています。つまり、スクワットを正しく行うだけで、全身の7割のトレーニング効果を得ることができるのです。
運動嫌いの方が最初から腹筋運動、背筋運動など複数の種目に取り組むのは挫折の原因となります。まずはスクワットで運動習慣の土台を作り、慣れてきたら徐々に腕立て伏せや背筋などの上半身トレーニングを加えていく段階的なアプローチが成功の秘訣です。
腹筋は上記のトレーニングでも自然と使われますし、最後の補助的なトレーニングで十分。
スクワットがもたらす5つの効果
基礎代謝の向上:大きな筋肉群を鍛えることで、日常生活でのカロリー消費が増加
姿勢の改善:下半身の安定性が向上し、自然と背筋が伸びる
日常動作の楽さ:立ち上がる、階段を上るなどの動作が格段に楽になる
血流の改善:下半身の筋ポンプ作用により、全身の血行が良くなる
自信の回復:「運動ができた」という成功体験が次のモチベーションに
正しいスクワットの習得法:アスリート指導から学んだ技術
しかし、スクワットの効果を最大限に得るためには、正しいフォームで行うことが絶対条件です。
私が長年アスリート指導で学んだことは、トップアスリートでさえ正しい基本動作を知らないケースが多いということです。逆に言えば、数センチレベルの動作修正を行うだけで、劇的な変化が生まれることも分かりました。
段階別スクワット習得法
ステップ1:正しい立ち方の確認 まず、正しい立ち方から始めます。足の位置、重心の置き方、骨盤の傾き、肩の位置を整えます。これだけでも、多くの方は体の安定感の違いを実感できます。
ステップ2:椅子を使った安全なスクワット いきなり完全なスクワットを行うのではなく、椅子に座る動作から始めます。これにより、股関節から動き始める正しい動作パターンを身につけることができます。
ステップ3:フォームの細かな調整 膝の角度、つま先の角度、股関節の角度、背骨の角度、そして顔の向く方向など、一つずつ丁寧に確認していきます。
ステップ4:段階的な種目の追加 スクワットに慣れてきたら、腕立て伏せ(壁や膝をついた状態から)や腹筋運動を徐々に追加していきます。この段階的なアプローチにより、無理なく全身バランスの良いトレーニングが可能になります。
ステップ5:日常生活への組み込み 朝起きた時の3回、テレビを見ながらの5回、寝る前の3回など、無理なく継続できる方法を見つけます。
アスリート指導者だからこそ分かる「0から1」の重要性

最近まで百合ヶ丘高校男子バスケットボール部を7年間、関東学院大学空手部(全国優勝校)を7年間、日大レスリング部を15年間サポートしてきました。
その中で気づいたことは、0から1へのステップは1から100へのステップよりもはるかに困難だということです。
元気で毎日練習漬けのアスリートでさえ、正しい動作の基礎基本を知らないことが多いのです。しかし、基礎を正しく習得した選手は、より強度の高い動きでも痛めにくくなり、パフォーマンスが向上します。
これは一般の方にも同様に当てはまります。運動嫌いの方こそ、最初の基礎基本が重要なのです。独学には限界があるため、専門家から学び、実践し、定期的に修正を受けるというプロセスが成功への近道となります。
毎日+10分で変わる生活習慣

私自身も多忙な日々を送りながら、日常的にすきま時間でトレーニングを行っています。移動は月に数回程度しか車を使わず、ほとんど歩きか自転車で移動しています。
ジムでトレッドミルで走らなくても、買い物などの移動をウォーキングや自転車で行えば、十分な有酸素運動になります。筋トレについても、中級者レベルまでは自分の体重やダンベルで十分に筋力向上や筋肥大を実現できます。
重要なのは、筋トレ、ストレッチ、有酸素運動を個別に考えるのではなく、統合的なアプローチで全身の関節をくまなく動かすことです。このような考え方で毎日+10分のエクササイズを行うことで、フィットネス施設に通わなくても遜色ない効果を得ることができます。
継続のための3つの重要ポイント

1. 小さく正しく始める
間違った方法では続きません。最初は完璧を求めず、正しいフォームで少ない回数から始めることが大切です。
2. 専門家のサポートを受ける
独学の限界を認識し、適切な指導を受けることで、効率的に上達できます。また、挫折しそうになった時のサポートも重要です。
3. 個別最適化を図る
一般論ではなく、あなたの体の特性、生活スタイル、目標に合わせたプログラムを作成することが成功の鍵です。
まとめ:運動嫌いから卒業する第一歩

運動嫌いでも続けられる運動の秘訣は、正しいアプローチ方法を知ることです。
ハードなトレーニングや特別な設備は必要ありません。全身の筋肉の7割が集中している下半身を鍛えるスクワットから始めることで、効率的に体質改善を図ることができます。
ただし、正しいフォームで行うことが絶対条件です。膝の角度、つま先の角度、股関節の角度、背骨の角度、顔の向く方向など、多くの注意点があります。
0から1への道のりは決して簡単ではありませんが、適切な指導のもとで基礎基本を習得することで、運動嫌いの方でも確実に変化を実感できます。
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