椅子から立つと膝が痛い40代へ|動き方と運動習慣

椅子から立つと膝が痛い40代へ|動き方と運動習慣

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院長 根本大

ねもと整体&ストレッチスタジオ根本院長。
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40代の立ち上がりの膝の痛みに

椅子から立つときの膝の痛みには、原因を確認したうえで、股関節を使う動き方、足幅と膝の向き、自分に合った運動習慣を見直すことが大切です。

『立ち上がる瞬間だけ膝が痛い』『しばらく歩くと気にならなくなる』。40代に入り、そんな違和感が出ていませんか。仕事や家事は続けられるため、つい後回しにしてしまう方もいらっしゃいます。

私は、まだ動ける段階こそ体の使い方を振り返ってほしいと考えています。今回は、立ち上がりを楽にするための考え方と、川崎市多摩区宿河原にお住まいの、運送業の女性からの相談をもとに、日常に取り入れたい習慣をお伝えします。

立ち上がりの痛みを、年齢だけで片づけない

椅子から立とうとする女性の膝の様子を確認する根本院長

変形性膝関節症では、初期に立ち上がりや歩き始めなど、動作の開始時に痛みが出ることがあります。40代で症状が現れる方もいますが、年齢や痛むタイミングだけで診断できるものではありません。膝のお皿の周囲や半月板など、別の問題が関わることもあります。

私が大切にしているのは、違和感を感じた時点で、できることを早めに始めるという心構えです。痛みを我慢し続けるより、いつ、どんな動きで困るのかを整理し、必要に応じて整形外科で原因を確認することが、その後の行動につながります。

傷んだ関節軟骨は元通りに戻りにくい組織です。ただし、痛みが出たら必ず手遅れ、必ず悪化して人工関節になる、というわけではありません。腰痛や椎間板ヘルニアと回復期間を単純に比較せず、ご自身の膝に合う対応を考えましょう。

受診や運動の相談では、座っていた時間、椅子の高さ、左右どちらが痛むか、腫れの有無などを伝えると状況を整理しやすくなります。痛い動作を何度も繰り返して試す必要はありません。日常で気づいたことをメモするだけでも、自分の膝を理解する手がかりになります。

歩ける力を保つことが、これからの健康を支える

歩きやすい靴を履いて緑のある道を歩く40代の女性

膝が痛いと、近くへの買い物も車を使う、階段のある場所を避ける、休日も家で座って過ごす、といった変化が起こりがちです。移動の工夫は必要ですが、体を動かす機会そのものが減ると、脚の筋力や体力を保ちにくくなります。

膝関節症がある方やそのリスクがある方を追跡した海外研究では、座って過ごす時間の長さと、その後の歩行や立ち座りの機能低下に関連がみられました。膝の痛みがそのまま内科の病気を引き起こすと断定するものではありませんが、活動量に目を向ける理由になります。

大切なのは、痛みを押して歩数を増やすことではなく、動ける方法を探すことです。短い外出に分ける、平らな道を選ぶ、座り続ける時間を区切るなど、小さな工夫も選択肢になります。私は『将来も自分の足で仕事や買い物を続けたい』という目標を、運動を続けるきっかけにしていただきたいと思っています。

昨日より何歩多く歩けたかだけでなく、買い物に出る気持ちになれたか、立ち上がりを避ける場面が減ったかも振り返ってみてください。日常でできることを保つ視点が、運動を生活につなげる助けになります。

立ち上がるときは、股関節からお辞儀する

椅子に座る姿勢から股関節を曲げて前傾し立ち上がる3段階の図

立ち上がりで確認したいのが、体を前へ運ぶ動きです。上体を立てたまま膝だけで持ち上がろうとするのではなく、足裏を床につけ、股関節から軽くお辞儀をするように体を前へ移してから立ちます。重心を足の上へ移す感覚がつかめると、動作が行いやすくなる方がいます。

スクワットを調べた研究でも、体幹とすねの傾きによって、膝を伸ばす筋肉に必要な力が変わることが示されています。ただし、健康な方のスクワットを調べた結果です。痛みのある方が前へ倒れるほどよい、という意味ではありません。

腰だけを丸めたり、勢いをつけて飛び出したりせず、背中を自然に保ちながら股関節を曲げます。『すねと体幹が平行に近いか』は動きを見る目安の一つですが、体格や椅子の高さで変わるため、全員に同じ角度を求める必要はありません。

低いソファでは膝や股関節を大きく曲げる必要があります。まずは安定した少し高めの椅子で確認し、必要なら肘掛けなどの支えも使います。日常の立ち上がりを、無理のない練習の機会にしてみましょう。

股関節が硬く感じる方も、膝を強く曲げて無理に伸ばす必要はありません。座ったまま骨盤と上体をゆっくり動かし、股関節で折りたたむ感覚を確かめるところから始めます。背中を反らせて胸を張りすぎず、呼吸ができる範囲で行うことも大切です。

足幅と、つま先・膝の向きをそろえる

少し広めの足幅でつま先と膝が同じ方向を向く浅いスクワットの図

股関節を曲げにくい方は、足幅を少し広げると動きやすくなる場合があります。私は肩幅前後を出発点に、その方が楽に立ち座りできる幅を探します。膝が痛い方は全員広くすればよい、深くしゃがめばよい、ということではありません。

つま先は自然な範囲で軽く外へ向け、膝もおおむね同じ方向へ動かします。足裏を床につけ、立つ途中で膝だけが大きく内側へ入らないかを確認します。足幅や角度を変えるときは、足を固定したまま膝をねじらず、一度立ち直して置き直しましょう。

『膝はつま先より絶対に前へ出してはいけない』と考える必要もありません。前への移動を強く制限すると、股関節や腰側の負担が増える場合があります。膝が出たかどうか一つで良し悪しを決めず、しゃがむ深さ、体の傾き、足裏の安定、痛みの変化を一緒に確認します。

柔軟性を高める目的も、無理に深くしゃがむことではなく、必要な動きを引き出すことです。股関節や足首が動く範囲を確かめ、強く押し込まずに練習しましょう。

正面から膝の向きを見るだけでは、体の前後の動きはわかりません。可能であれば専門家に横からの姿勢も確認してもらい、膝だけでなく股関節や足首も一緒に見てもらいましょう。一つの形に合わせることより、その人が安定して動けることを優先します。

椅子スクワットを、生活の中の運動習慣に

腕を自然に下ろし女性の椅子スクワットを見守る根本院長

立ち座りとスクワットは、股関節と膝を曲げ伸ばしして体を支える点で共通しています。私は、動作を覚える入り口として椅子スクワットを使います。椅子はキャスターのない安定したものを選び、動かないよう壁につけて準備します。

足裏を床につけ、股関節から軽く前傾して立つ。座るときは、お尻を後ろの座面へ近づけ、反動や勢いに頼らず戻る。最初は少ない回数で、フォームを確認しながら行います。深さは椅子の高さなどで調整し、息は止めないようにしましょう。

運動中の痛みが強まる、終わった後もつらさが続く、翌日の歩行や立ち上がりが悪くなる場合は、回数や深さを減らすか中止し、方法を相談します。回数を達成することより、仕事や家事を無理なく続けられる量を見つけることが大切です。

柔軟性と筋力は両方に目を向けます。股関節を動かす練習だけで終わらず、身につけた動きで体を支える力を少しずつ育てる。スクワットが合わない日は別の運動を選ぶなど、続けられる形に調整していきます。

習慣にするには、毎日必ず同じ回数をこなすより、食後や着替えの前など取り組む場面を決める工夫が役立ちます。配達や立ち仕事で負担が多かった日は軽めにするなど、仕事も含めた一日の活動量で考えます。慣れてから回数や負荷を変える際も、一度に増やさず調整します。

宿河原の運送業の女性と考えた、運動と食事

ノートを持つ運送業の女性へ運動と食事の図を使って説明する根本院長

当院には、川崎市多摩区宿河原にお住まいで、運送業に従事する40代の女性が、膝の痛みと体重管理の相談で来院されました。配達の仕事では荷物の持ち運びや階段移動が重なります。仕事で体を使っていても、それだけで膝を支える筋力や動作が整うとは限りません。

初回からダイエットの相談もあったため、整体だけでなく、日々の食事と運動を一緒に見直す大切さをお伝えしました。体重管理が必要な方では、体重による膝への荷重も考えます。一方で、食べる量を極端に減らし、筋肉まで落としてしまう方法は避けたいところです。

欠食を減らす、毎食に魚・肉・卵・大豆製品などを組み合わせる、間食や飲み物を振り返る。そこに状態に合った運動を組み合わせることを重視します。運動をしない減量では必ずリバウンドする、と割合を一律に言えるわけではありません。続けられる方法を選ぶことが大切です。

海外のIDEA試験では、過体重・肥満があり膝関節症をもつ55歳以上の方で、食事と運動を組み合わせた取り組みによる痛みや身体機能の改善が報告されています。40代の方に同じ効果を約束するものではありませんが、食事と運動を併せて考える参考になります。

今回お伝えしたいのは、短期間で体重の数字だけを追うのではなく、膝の状態を見ながら動き方と生活を整えるという考え方です。痛みの軽減が得られれば、活動の選択肢を徐々に広げることも目指せます。

運送業のように休憩が不規則になりやすい仕事では、空腹のまま働き、帰宅後にまとめて食べる流れになっていないかも確認したい点です。仕事の予定に合わせて食事の準備を工夫し、休む時間を確保することも、無理なく体重管理と運動を続ける土台になります。

医療で状態を知り、無理なく動ける方法を探す

膝の画像を示しながら説明する女性医師と相談する女性

繰り返す立ち上がりの痛みや、長引く違和感は、早めに原因を確認しましょう。急に強く腫れた、熱を持っている、体重をかけられないといった場合は、運動より受診を優先します。診察で状態を知ることと、毎日の動きを見直すことは、両方大切です。

英国NICEの診療指針でも、変形性関節症には個人に合う運動療法が勧められ、過体重や肥満がある場合は体重管理も重視されています。膝を動かさず守り続けるのではなく、できる運動と必要な調整を相談し、生活の中で続けていきましょう。

まとめ|立ち上がりを見直す3つのポイント

立ち上がる女性を中心に股関節、足幅と膝の向き、運動と食事を整理した図

毎日の動作と習慣で意識したいこと

  • 股関節から軽く前傾し、足の上へ体を運んで立ち上がる。
  • 自分に合う足幅を選び、つま先と膝の向きをそろえる。
  • 椅子スクワットなどの運動と、筋肉を保つ食事を無理なく続ける。

40代の立ち上がりの違和感を、これからの動き方を見直すきっかけに。医療で状態を確認しながら、毎日続けられる運動習慣を育てていきましょう。

膝への負担は、正しい動きと適切な筋力で防げます