膝の痛みの主な原因 運動不足による膝の痛み

膝の痛みは多くの人が経験する身近な悩みです。日常生活に支障をきたすこともあり、早期の対処が重要となります。この記事では、膝の痛みの様々な原因と効果的な対策について詳しく解説します。
膝関節の構造的特徴と脆弱性
膝の構造は専門家の間で「ガラスのように扱う必要がある」と言われるほど脆弱です。膝が使えなくなると歩行ができなくなり、健康の維持が困難になります。膝は股関節と足関節のジョイント部分であり、大腿骨と脛骨の間にあることから、上と下の両方から影響を受けやすい関節です。
筋力トレーニングを行い筋肉量が多い人でも、膝の周りには筋肉がなく、腱や靭帯でしか支えられていません。この膝関節は加齢で年々と筋力が低下すると、関節自体に負担が大きくなります。特に軟骨というクッションが若いうちはスポンジの役割をしてくれますが、年齢とともにすり減ってしまいます。
一度すり減った軟骨は二度と戻らないため、気づいた時には骨までもすり減っていき、変形性膝関節症になってしまう方が多いです。これはクッションがない膝の骨と骨とがぶつかり合うため痛みが生じる構造になっています。ここまで進行すると歩行が困難になります。
つまり、運動を上手に活用することで、できるだけ膝関節の負担を軽減し、将来の健康の要となる膝を上手に使える人になることが重要です。
この筋肉が落ちると膝が痛くなる アウターマッスルとインナーマッスル

膝を支える筋肉で最も大切だと言われてるのが大腿四頭筋 です。
この大腿四頭筋は、腿の前の筋肉ですがこの筋肉が落ちていくと関節の負担が強くなります。 この筋肉はアウターマッスルと言われていますが膝を守るためには軟骨をすり減らさらないようにするためインナーマッスルも重要になります。 膝のインナーマッスルと言われている足を内側に寄せる内転筋が膝を守る筋肉の1つになります。
また同じように見落としがちの筋肉がの脛の前にある前脛骨筋が十分に働いているかということが大切です。 これも小さい筋肉ですが前脛骨筋が働かないと足の裏が小指球から母指球へのしっかり押さなければいけない動作が不十分になります。
筋肉が一見あるような方でも反対の腓腹筋が硬いとそれに負けて前脛骨筋が十分使うことができなくなるので、膝への負担が強くなります。
このように歩くという動作はいつも複雑な筋肉の協調で成り立っているので、専門家にトレーニング法を聞きながら 効率よくこれらの筋肉を低下しないようにしたいですね。
高齢者に多い誤解:ウォーキングだけでは不十分な理由

私のところにも多くの高齢者の患者様が来院されていますが、話している際に度々出るのが「よく歩いているんだけど、なぜ膝が痛いのか」というお話を聞きます。
我々運動指導者の中では、ウォーキングだけでは運動器の低下を防ぐことはできないことは常識ですが、一般の方、特に運動に対してそこまでリテラシーが高くない方は、歩いていれば「とりあえず健康維持になっている」と考えられている方が多くいらっしゃいます。
まず歩いていることは健康に大切な要素ですが、例えば加齢に抗って少しでも健康で歩ける膝を作っていくには、複雑な足の筋肉の維持や下肢全体の柔軟性、そして片足でしばらく立っていられるようなバランス能力が必要になってきます。
その中で歩いていると、実は柔軟性が低下したり、自分の筋肉をエネルギーとして消費してしまって筋肉が減少するなどのデメリットもあるということを認知されている方は非常に少ないです。
そのようなことから、現在厚生労働省やWHOでも筋力トレーニングを週2〜3回行うことを推奨しています。
膝の痛み改善のための推奨エクササイズ
1. チェアスクワット(椅子の起立着席運動)
これだけはやって欲しいという膝の痛みや違和感を改善されたい方の運動方法を3つ紹介します。
1つ目は椅子に起立着席をするチェアスクワットです。これは主にアウターマッスルである大腿四頭筋や臀筋のトレーニングで、回数を多く行うことで強い負荷をかけなくても筋力の維持や向上も期待できます。
下記のリンクのページでも椅子を使ったスクワットには多く触れていますので、是非ご参考にしてください。
スクワットは簡単なようでフォームが難しく、トレーニングエラーによって痛くなってしまったり運動自体を中断しなければいけないケースが多いので、椅子を用意して立ったり座ったりするチェアスクワットは、これから導入する方にもおすすめしやすい推奨のエクササイズになります。

2. 内転筋のトレーニング
2つ目は内転筋のトレーニングです。まず椅子に座った状態でボールを内ももに当てて、ボールがへこむように内転筋を使って締めるトレーニングです。10回を1セットとして3セットぐらい行うと、狭い範囲での股関節を使った内転筋のトレーニングになります。
そしてもう1つはスクワットでも足の幅を広く開いてのワイドスクワットです。つま先も膝も外に向けて足の幅も広く広げることで、股関節を広げた際の内転筋のトレーニングになります。
大きな大腿四頭筋に比べて内転筋は意識しないとなかなか刺激がないと思いますので、気づいた時に少し行うだけでも内側に締める感覚が戻ってくると思います。

3. カーフレイズとトゥーレイズ
階段で行うことによって足首の動きが多くなり、この動きを高めることで正しい踵から母指球への体重移動が行いやすくなります。カーフレイズとトゥーレイズはセットになっており、必ず両方を行っていただいた方がシナジー効果があります
イラストのようにカーフレイズは階段で行うと効果が非常に高いです。足関節の可動域を大きく使い、関節の動きや筋肉の関与が強くなります。
トゥーレイズもイラストのように座って行ってもいいですし、立って行っても効果があります。トゥーレイズができない方は前脛骨筋が弱いというよりも、どちらかというとふくらはぎの筋肉が拘縮している可能性が高いです。そのためカーフレイズも併用して行う必要があります。
特に膝がすでに痛くなっている方は膝自体を動かせないため、スクワットができない可能性が高いです。そのような方でもこのカーフレイズとトゥーレイズは問題なくできると思いますので、すぐに始めることをお勧めします。

トゥーレイズ

階段を使ったカーフレイズ
椅子の高さで膝の負担を減少させる 椅子の高さと膝の痛みの関係

膝の痛みを助長させる一つの要因が膝を屈伸させる動作になります。膝自体は非常に不安定な関節なので、すでに加齢で膝の軟骨がすり減り、靭帯がしっかりしていない高齢者にとって、何度も立ったり座ったり椅子に行う動作ですら膝にかなりの負担になります。
その際に注意するのは、不安定な椅子で高さが低いと負担が強くなる可能性があります。
特に痛みが強い場合は椅子の高さを適正な高さに調整したり、背もたれのしっかりしたものにするなど、安定性と関節の負担を減らす動作を考慮した椅子の高さ選びが重要になってきます。
膝痛予防のための運動の考え方
40代以降は加齢になると膝痛が生じてくる方が非常に増えてきます。年齢とともに軟骨がすり減り、筋力も低下し、柔軟性も体が硬くなってきます。
これは老化現象により、加齢を止めることはできません。しかし運動習慣によって筋力を向上させたり柔軟性を高めることは可能です。
例えば右足の膝が痛んでも、特定部位だけではなく他の補完として筋力を高めることで右膝の負担を減らすということはできると思います。
それには医療や薬に頼ったその場しのぎという考えではなく、できるところを強化していく。重要なところは日常的に習慣化して衰えを防ぐ。
このような建設的な考えが高齢化社会の現代では必要になってくるのではないでしょうか?
全身調整による膝痛改善のアプローチ
私の整体院では全身200の関節を全て調整する施術を標準としています。腰が痛くても首が痛くても、当然膝が痛くても首も腰も肩も足首も股関節も全て調整しています。
これは他では行っていない関節ニュートラル整体独自の技術体系です。
全ての方に全身の関節を調整するところから、膝が痛くても股関節も足関節も調整すると不思議と膝自体も楽になる方が多いです。
また膝の痛みは坐骨神経痛など腰の神経の圧迫でも生じることがあります。そう考えると全身つながって動くわけですから、特定部位だけのリハビリやウォーキングだけでは回復可能な痛みも改善できないと私は感じています。
今回ご紹介した運動不足で膝が痛くなっている方に対して3つのエクササイズを、できるところから実践していただけると何かしら好転していく可能性もあるので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
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