最終更新日2026年10月22日
ねもと整体&ストレッチスタジオ根本院長。
整体技術と運動指導の両面からサポート!
「うちの子、土踏まずがないみたい」「最近、足首の捻挫が多い」。スポーツをしているお子さんの足に、こんな心配を感じていませんか?
子供の扁平足は、裸足で遊ぶことやしゃがむ動作が減り、足の裏の細かい筋肉を使う機会が少なくなったことが大きな原因と考えられます。扁平足のままスポーツを続けると、着地の衝撃をうまく吸収できず、足首の捻挫や膝のケガにつながりやすくなります。ただし、足の指を使うトレーニングを毎日の習慣にすれば、ケガの予防だけでなく、パフォーマンスの向上も期待できます。
この記事では、整体師・パーソナルトレーナーとして20年以上現場に立つ私が、扁平足が起こる原因とケガとの関係、ご家庭でできるチェック方法とセルフケアを、中学生のバレーボール部の選手の事例を交えてお伝えします。
足の指にも、
歯みがきのような毎日の習慣を。
子供の足は、もともと扁平足から始まります

「うちの子、土踏まずがないみたいなんです」。保護者の方から、このようなご相談をいただくことがあります。扁平足とは、足の裏の内側にある土踏まず(足のアーチ)が低く、足の裏全体が地面についてしまう状態のことです。
実は、子供のうちは扁平足であることは珍しくありません。幼児の足は土踏まずの部分に脂肪が多く、関節や靭帯もやわらかいため、もともと平らに見えます。本来であれば、歩く・走る・跳ぶといった動きを重ねるうちに、徐々に足のアーチができてきます。
海外の研究でも、3歳から6歳の子供の44%にやわらかい扁平足が見られ、年齢が上がるにつれて少なくなることが報告されています。体重が多い子や男の子に扁平足が多い傾向も示されています。小さいうちの扁平足を過度に心配する必要はありませんが、成長してもアーチができにくい子が増えていると、私は現場で感じています。
扁平足の原因は、便利になった日常生活にあります

土踏まずができにくい大きな原因として考えられるのが、日常生活の変化です。現代人は靴を履いて生活し、昔の日本人のように雪駄や下駄を履くことがなくなりました。昔の資料を見ると、扁平足や外反母趾は少なかったという話を目にすることがあります。鼻緒のある履物は、足の指で鼻緒をはさみ、足を締めるように使うため、自然と足の裏の筋肉が鍛えられていたと考えられます。
もうひとつは、裸足で遊ぶことがなくなったことです。昔は土の上を裸足で走り回ることで、足の裏の細かい筋肉まで刺激されていました。しかし今は、公園で遊ぶときもシューズを履いていない子供はほとんどいません。海外で2300人の子供の足跡を調べた調査では、扁平足は靴を履く子供で8.6%、靴を履かない子供で2.8%と、靴を履く子供のほうが約3倍多いという結果でした。
さらに、和式トイレのしゃがむ動作も、現代人が忘れかけている動きです。私たちが子供のころは、学校のトイレもほとんどが和式でした。衛生面から今は多くの学校が洋式になっていますが、和式トイレでしゃがむ動作は、足でしっかり踏ん張るスクワットのようなトレーニングになっていた可能性があります。日常の動作が便利になるにつれて、体の機能は少しずつ衰えていきます。その機能の低下が足の裏に表れたものが扁平足だと、私は考えています。
扁平足だと、着地の衝撃が一か所に集中します

足のアーチは、地面からの衝撃を吸収するバネのような役割をしています。扁平足は、このバネがうまく働かず、衝撃を吸収できない状態です。
スポーツをしているお子さんを見ると、小学生でも走る、止まる、跳ぶといった動きを繰り返し、敏捷性や瞬発力が求められます。このときに扁平足で足のアライメント(骨の並び方)が崩れていると、ある箇所に動きが集中し、足首の捻挫や膝のケガの原因になってしまいます。足の裏やすねの内側に負担がかかり続けると、足底筋膜炎やシンスプリントといった痛みにつながることもあります。
特に女子選手に多いのが、膝が内側に入り、つま先が外を向く「ニーイン・トゥーアウト」というクセです。この姿勢では、膝や足首への負担が強くなります。海外の研究でも、ジャンプの着地で膝が内側に入る女子選手は、膝の前十字靭帯を損傷するリスクが高いと報告されています。
ただし、膝の角度を膝だけで直そうとしても、なかなかうまくいきません。膝の周りには筋肉が少ないからです。不安定な場所でも足の細かい筋肉が働いて力を分散できれば、ケガは予防できます。そのため、日ごろから足首や足の指を使い、細かい筋肉を刺激することが大切です。
競技ごとに気をつけたい、扁平足とケガの関係

扁平足が影響しやすいケガは、競技の動きによっても変わります。
・バレーボール、バスケットボール:ジャンプの着地で足首が内側に倒れやすく、足首の捻挫や膝の痛みにつながりやすくなります
・サッカー:切り返しやストップの動作で足首が不安定になり、捻挫を繰り返すきっかけになります
・陸上、長距離走:同じ着地を何千回も繰り返すため、すねの内側の痛み(シンスプリント)や足の裏の痛みが出やすくなります
・剣道、ダンス、体操:裸足で踏み込む競技では、足の指で床をつかめないと、かかとや足の裏に負担が集中します
海外のランナーを対象にした研究でも、着地で土踏まずが大きく沈み込む足は、シンスプリントの危険因子のひとつとして挙げられています。どの競技にも共通しているのは、足の細かい筋肉が働かないと、衝撃が一か所に集まってしまうということです。お子さんの競技で多い動きを思い浮かべながら、足の使い方を見てあげてください。
中学生のバレーボール部女子選手の事例

扁平足で、バレーボールのジャンプのときに足首が安定しないというご相談で、中学生のバレーボール部の女子選手が来院されました。まず片足立ちをしてもらったところ、片足を上げたまま30秒立っていることができませんでした。着地では、膝が内側に入るクセも見られました。
そこでおすすめしたのが、タオルギャザーです。床にバスタオルを敷き、タオルの端に2リットルのペットボトルを置きます。このタオルを、足の指だけで手繰り寄せるトレーニングです。続けることで、雪駄や下駄のように足の指で足を締める感覚が身につきます。
回数は、30秒のタオルギャザーと30秒の休憩を1セットとして、5セットほど。歯を磨きながら毎日行ってもらいました。歯みがきで虫歯を予防するように、足の指にも毎日の習慣を与えることで、少しずつ体のコンディションが整っていきます。
裸足でトレーニングをするようになってからは、チームでも「バランスが良くなった」と口をそろえて言われるようになったそうです。扁平足の予防がケガの予防になり、安定した状態で力を出せるようになったことで、パフォーマンスの向上にもつながったと喜んでいただきました。
ご家庭でできる扁平足のチェックとセルフケア

扁平足の傾向は、ご家庭でも確認できます。まず、お子さんの靴の底の減り方を見てください。内側ばかりがすり減っているなど、片寄った減り方をしていないかがひとつの目安になります。次に、片足立ちができるかを確認してください。片足を股関節の高さまで上げて、中学生年代であれば30秒程度ぐらつかずに立てるのが目安です。途中でふらつく、膝が内側に入る、上げた足がすぐに下がってしまう、といった様子があれば、足の細かい筋肉がうまく使えていない可能性があります。
気になる点があれば、セルフケアとして特に意識していただきたいのが、先ほどのタオルギャザーと、ゴルフボールなどの小さなボールを足の指でつまむトレーニングです。どちらも足の裏の細かい筋肉を使う練習になります。
当スタジオのパーソナルトレーニングでは、シューズを履かずに裸足で運動を行います。サッカーなどの競技をしているお子さんにも、自宅でトレーニングをするときは裸足で行ってもらっています。裸足で片足立ちをすると、足の指先まで意識が向き、床をつかむような細かい筋肉が活発に働くからです。
海外の研究でも、裸足で生活する6〜10歳の子供は、靴を履いて生活する子供よりもバランスや立ち幅跳びの成績が良かったと報告されています。また、足の裏の筋肉を鍛えるトレーニングを4週間続けたところ、土踏まずが下がりにくくなったという研究もあります。
和式トイレのように「しゃがむ動作」を取り戻す

扁平足の予防には、足の指のトレーニングに加えて、しゃがむ動作を日常に取り戻すことも大切です。和式トイレが少なくなった今、かかとを床につけたまま深くしゃがむ機会は、意識しないとほとんどありません。
まずは、お子さんがしゃがめるかを確認してください。足を腰幅に開き、かかとを床につけたまま、太ももが床と平行になるくらいまで腰を落とします。このとき、かかとが浮く、後ろに倒れそうになる、膝が内側に入る、つま先と膝の向きがそろっていない、といった様子があれば、足首や股関節がうまく使えていない可能性があります。
うまくしゃがめない子は、最初は柱や机につかまりながらで構いません。テレビを見るときや歯みがきのあとなど、1日の中でしゃがむ時間を少しずつ増やしていくと、足の裏でしっかり踏ん張る感覚が身についてきます。
痛みのない扁平足は、足の機能を育てることから

扁平足と聞くと、すぐにインソール(靴の中敷き)で矯正しなければと考える保護者の方もいらっしゃいます。もちろん、痛みがある場合や医師にすすめられた場合には、インソールが役立つこともあります。
ただ、海外の総説では、痛みのないやわらかい扁平足の子供の多くは治療を必要とせず、子供の扁平足にインソールを使う効果を裏付ける根拠は十分ではないとまとめられています。先ほど紹介した3〜6歳の子供を調べた研究でも、行われていた治療の9割以上は必要のないものだったと報告されています。
だからこそ、痛みがない段階では、道具で足を支えることよりも、裸足での運動やタオルギャザーで足そのものの機能を育てることが大切だと私は考えています。
専門家に相談したほうがいいケース

子供の扁平足の多くは、成長やトレーニングによって変わっていく可能性があります。ただし、次のような場合は整形外科を受診してください。
・つま先立ちをしても土踏まずがまったくできない
・片足だけが扁平足になっている
・足の痛みや腫れが続いている
・足の内側の骨が出っ張って痛む
・足首の捻挫を何度も繰り返している
骨の形が原因の扁平足や、ほかのケガが隠れていることがあるためです。病院で大きな問題はないと言われたあとも、ジャンプの着地が不安定、片足立ちができないといった動きの課題が残っている場合は、当院でも体の使い方を確認し、お子さんに合ったトレーニングをご提案しています。
扁平足についてよくある質問
Q.子供の扁平足は、大人になれば自然に治りますか?

A.小さいころのやわらかい扁平足は、成長とともに土踏まずができてくることが多いです。ただし、10歳を過ぎても扁平足が残る子もいます。様子を見るだけでなく、裸足での運動やタオルギャザーで、足の機能を育てていくことをおすすめします。
Q.裸足でトレーニングをするときの注意点はありますか?

A.すべりにくい床の上で、周りに物がない安全な場所で行ってください。足の裏にケガや強い痛みがあるときは無理をせず、痛みが落ち着いてから始めましょう。
Q.タオルギャザーは何歳からできますか?

A.タオルを足の指でつかむだけなので、小学生でも遊び感覚で取り組めます。最初はペットボトルを置かずに、タオルだけで始めても大丈夫です。慣れてきたら重さを加えてください。
まとめ

子供の扁平足は、靴の生活や洋式トイレなど、便利になった日常生活の中で、足の裏の細かい筋肉を使う機会が減ったことが大きな原因と考えられます。アーチが衝撃を吸収できないと、足首の捻挫や膝のケガにつながります。
- ・小さい子供の扁平足は珍しくないが、成長してもアーチができにくい子が増えている
- ・裸足で遊ぶことや、しゃがむ動作が減ったことが扁平足の原因のひとつ
- ・扁平足だと着地の衝撃が一か所に集中し、捻挫や膝のケガにつながりやすい
- ・タオルギャザーやボールつまみを、歯みがきのように毎日の習慣にする
- ・かかとをつけてしゃがむ動作を、日常の中に取り戻す
- ・痛みのない扁平足は、インソールに頼る前に足の機能を育てる
まずはご家庭で、靴の減り方と片足立ちをチェックしてみてください。
痛みが続く場合や、つま先立ちでも土踏まずができない場合は、自己判断せずに専門家へご相談ください。
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