走ると膝が痛い 

走ると膝が痛い 

中学生・高校生・大学生ランナー向け

日常生活では痛くないのに走ると膝が痛む場合、多くはふくらはぎ・もも裏の硬さとつま先・膝の向きのズレによって、着地のたびに膝へ負担が集中していることが原因です。

部活やクラブチームで走り込みをしている学生ランナーから、よくいただくご相談です。レントゲンで骨に異常がないと言われても痛みが続く場合、原因は骨ではなく「動作のクセ」にあることが少なくありません。

この記事では、日本SAQ協会レベル2インストラクターとして動作分析・ランニング指導にも携わってきた立場から、膝が痛くなる動作上の原因と、自宅でできるセルフチェック・セルフケア・ランニングドリルまでご紹介します。

走ると膝が痛む症状の特徴

歩いている男性

歩いたり階段を上り下りしたりする分には痛みがないのに、ランニング中や部活の練習中になると膝が痛くなる。特に外側や膝の下あたりに痛みが出やすく、練習を休むと落ち着くものの、再開するとまた痛み出す。

こうした症状は中学生・高校生・大学生の陸上部やサッカー部、バスケットボール部など、走る動作の多い競技のランナーに非常に多く見られます。

病院を受診してレントゲンを撮っても「骨には異常がありません」と言われるケースも多く、成長期のオーバーユース(使いすぎ)と説明されることがほとんどです。ただし、同じように走り込んでいても痛みが出る選手と出ない選手がいます。この差を生んでいるのが、着地のたびに膝にかかる負担の大きさ、つまり動作そのもののクセです。

膝の負担が集中する原因|つま先と膝の向き、股関節との連動

ステップしている男性

膝が痛くなる理由はいくつもありますが、当院が特に重視しているのは、膝そのものよりも「膝の下にある足関節」と「膝の上にある股関節」の連動です。体は各関節がつながって動いているため、膝だけを見ていても根本原因にはたどり着けません。

実際にマーカーコーンを使ったステップ練習を見ていると、片足で着地する瞬間につま先が外側を向いてしまう選手が多く見られます。これはトゥーアウトと呼ばれる動作で、つま先が外を向き膝が内側に入る状態になると、膝への負担が大きくなります。この角度のズレはぱっと見ではわからないほどわずかで、5ミリ程度外を向いているだけでも膝への負担に影響していることが少なくありません。

まっすぐ走ろうとしているのにつま先が外を向いてしまう場合、体の使い方としてはブレーキ動作に近い状態になっており、接地のたびに膝への負担が強くなります。実際に、ランニング中のつま先の外向き動作(トゥーアウト走行)は、通常の走行に比べて膝にかかる負担を高めることが研究でも示されています。

膝が内側に入る負担

立っている女性

また、走り方を改善する前に、歩き方、さらにその前に立ち方を整える必要があります。難しい動作をいきなり直そうとしても定着しません。まずは簡単な動作を正しく行えるようにし、少しずつ難易度を上げていくのが基本の考え方です。

立った状態でつま先が外側に開いている選手は、歩き方や走り方にも同じクセが出ていることが多いため、まずは立った時につま先と膝が同じ方向を向いているかを確認してみてください。

あわせて、猫背にならず胸を張って立てているかも重要です。背中が丸まっていると腕がしっかり振れず、腕振りが崩れると走りのバランスにも影響します。つま先・膝の向きと、胸を張った姿勢。この2点は、どのスポーツにおいても基本中の基本です。ただし1センチに満たないような角度のズレは自分では気づきにくいため、判断が難しい場合はランニング専門のトレーナーに動作を見てもらうことをおすすめします

自宅でできるセルフチェックとセルフケア

前屈をしている男性

走ると膝が痛む方の多くは、ふくらはぎともも裏(ハムストリングス)が硬くなっています。まずは次の2つでセルフチェックをしてみてください。

・足を閉じて立ち、膝を完全に伸ばしたまま前屈する。指先が床につかない場合、もも裏の柔軟性がかなり低下しているサインです。

・かかと立ちになり、つま先がどれくらい上がるかを見る。理想は20度ですが、ランナーの多くは5〜10度程度しか上がりません。この角度が小さいほど、着地の衝撃を足関節で吸収しにくくなります。

実際に、足関節の背屈可動域(つま先を上げる可動域)が制限されていることは、下肢のケガのリスク要因になることが研究でも報告されており、可動域を改善するトレーニングによって機能が向上することも確認されています。もも裏やふくらはぎが硬いまま走るのは、いわばジーンズを履いて走っているようなもので、動作にとってマイナスに働きます。

自宅でできるセルフケアとして、次の2つを毎日行ってください。

・椅子などに手をついて膝を伸ばす屈伸を10回行い、その後10秒間ふくらはぎ・もも裏を伸ばすストレッチを行う。これを2〜3セット、1日3回程度。

・階段などの段差につま先を乗せ、大きくかかとを上げ下げするカーフレイズを行う。段差を使うことで可動域を大きく使え、筋肉の収縮もしっかり働く。終わったら必ずふくらはぎのストレッチを10秒程度入れる。これも1日3回程度

どちらも1回あたり3分もかからない内容です。毎日続けることが何より大切です。

自宅でできるランニングドリル

足を上げている男性

セルフケアに加えて、動作そのものを整えるドリルも取り入れてみてください。マーカーコーンやタオルなどを5つ、一定間隔に置き、その上を一歩一歩ニーアップ(膝上げ)しながら歩くドリルです。

このとき大事なのは、上げている足(遊脚)のつま先と膝がまっすぐ前を向いているかどうかです。同時に、地面についている足(支持脚)の膝もしっかり伸ばしてコントロールしてください。

支持脚の膝が曲がってしまうと、着地の衝撃がその場で吸収されてしまい、動作の改善にはつながりません。何度も往復しながら、無意識の状態でもつま先と膝がまっすぐ向き、重心がしっかり乗せられるかを確認していきましょう。

専門家によるケアが必要なケース

施術をしている男性

一般的な整体院はリラクゼーションや電気治療が中心のところも多いですが、当院が行っているスポーツ整体は少し異なります。足関節・膝関節・股関節の3つを様々な方向に動かして引っかかりを確認し、少しでも動きの硬い部分があれば動きをスムーズにしていく施術を行っています。この3つの関節がスムーズに動くようになると、結果として膝への負担も減らすことができます。

多くの治療院では「膝が痛い」と聞くと膝そのものだけをケアしがちですが、当院では膝の上下、そして左右も必ずあわせて診るようにしています。体はすべてつながって動いているため、足首が硬いことで膝に負担が集中したり、股関節の動きが悪いことで膝が痛くなったりするケースがほとんどだからです。

ランニング指導も院内で行っており、スペースが限られている分、自宅でも取り入れやすいドリルを中心にご紹介しています。狭い部屋でも行えるものが多く、ステップ台などを使えば踏み台昇降のような形でランニングドリルの要素を練習することも可能です。セルフケアやセルフチェックを続けても痛みが引かない場合や、腫れ・熱感を伴う場合は、無理をせず一度動作を見てもらうことをおすすめします。

よくある質問

まとめ

踵上げをしている男性

走ると膝が痛む場合、まず疑いたいのは骨そのものより「動作のクセ」です。つま先と膝の向き、そして足関節・股関節との連動を整えることが、痛みの改善への近道になります。

今日から意識したい3つのポイント

  • 立った時・歩く時からつま先と膝の向きをまっすぐに揃える
  • ふくらはぎ・もも裏のストレッチとカーフレイズを毎日続ける
  • マーカーコーンドリルで、遊脚と支持脚の向き・伸びを確認する

1センチに満たないズレは自分では気づきにくいものです。セルフケアを続けても改善しない場合や痛みが2週間以上続く場合は、足関節・膝関節・股関節の連動を見てもらえる専門家に相談することをおすすめします。

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・米国NSCA‐CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
・健康運動指導士

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