骨盤の歪み 医学的根拠はない?

骨盤の歪み 医学的根拠はない?

よくある骨盤矯正の間違い

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大

川崎市登戸・向ヶ丘遊園の「ねもと整体&ストレッチスタジオ」院長 根本大。20年の臨床経験を持つ関節ニュートラル整体の施術者。健康運動指導士・米国ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。整体技術と運動指導の両面からのサポートしており、長年の経験をお伝えしています。

よくある間違いとしてですね、骨盤がずれているといった表現や骨をボキボキ鳴らすと骨盤が矯正されるという思い込みが非常に多いので、どういうことかお伝えしていきたいと思います。
これを知ってるか知らないかで、自分の体がどういう状態で腰痛や肩こりが起きているのか、姿勢が維持できないのか。ただ単に骨盤が矯正されて戻るのかと考えてしまうと、症状自体、お悩み自体が改善しないということが多いので、まず体の認識として骨盤がずれるものではないということを今日はお伝えしていきたいと思います。

骨盤矯正の実際の真実
骨盤矯正の実際の真実としては、骨盤がずれるのではなくて、動きの制限や筋肉の緊張のバランスの問題であるということです。

医学的な骨盤の動き

骨盤自体は医学的には不動関節って言われて、実際にそれを調べたところ2mmから3mmの動きしかないということです。この2mmから3mmの動きというのは私たちも触ってずれてるとか分からないですよね。実際に私も仙骨とかを触って動かしていますが、正直全然分からないですね。動いてるかどうかすら分からない。

それをいろんなメディアやSNSなどで骨盤が開くと太るとか、また関係ない誤解というのが非常に多いので、骨盤自体がほとんど動かないということをまず皆さんの方で知っていただきたいと思います。

骨盤の「傾き」について

もう1つは骨盤が全く歪まないのかというと、骨盤が歪む歪まないじゃないです。傾くというのはあります。

前傾・後傾のメカニズム
骨盤が前に倒れるのは前傾、後ろに倒れるような動作は後傾です。背骨に対して腰の方や首などもそうなんですけど、ストレスがない姿勢というのはやっぱ真っすぐな状態で、骨盤が傾いてるというのは家で言うと土台がもう傾いてる状態になりますから、やはり腰痛や肩こりには直結します。

私がお伝えしたいのは骨盤のずれや歪みではなくて、骨盤が傾くというのはあります。これはなかなか一筋縄ではいかなくて、骨盤が後ろに倒れる、どこの筋肉が硬いのか、どこの動きを意識したら動作が正しくできるのかというのは簡単に教えられるものではないのですが、これは改善ができるということですね。

骨盤が前傾しすぎたり、後傾しすぎて腰が痛くなったり、見た目も美容的に良くない。これはトレーニングなどで改善できることです。

整体での実際のアプローチ

整体で行ってる骨盤のずれ、私のところはもう骨を掴んで仙骨と腸骨という骨をしっかり握って、そのさっきお話した2mm3mmにこだわって動かしているんですけど、この2mm、3mmの動きがロックされていると上の腰が硬くなって腰痛は実際に起きます。

技術的な骨盤矯正の考え方

技術的に言うと骨盤矯正というのは、動きとしてはほとんどないところを動かすのではなくて、ちょっと遊びをつけて、マンションで言うと免震構造をつけているような全身の施術を行ってます。

その中でも骨盤というのはやはり重要な場所であるんですけど、今日お話したずれているとか、ボキッと鳴らしたからそれが元に戻るとか?いうのは思い込みです。

これは今回は全部お伝えするのは難しいんですけど、骨の音が鳴るような感じがしても、実際には骨がズレたり、戻った音ではないということです。

足の長さや足を組んだら、骨盤が歪む?ということは気にする必要はない

皆さんにお伝えしたいのは、そんなに足を組んだらずれるとか、足の長さが違うからずれてる、それは全く気にする必要はありません。
それよりも、姿勢や動的な動きの中で、腰や首に負担がない動きができているか、そこのところを見ていった方が私はいいと思います。

「骨盤が歪んでいる」「骨盤がズレている」という表現は、整体業界で頻繁に使われる言葉ですが、医学的には明確な根拠がありません。病院でいわれることもまずないはずです。

解剖学的観点から、この常識とされる概念の問題点を解説します。
骨盤は仙骨、腸骨、坐骨、恥骨から構成される骨格構造で、医学的には「不動関節」といわれてきました。
不動ということは動かないということですよね?

仙腸関節の可動域は研究により2-3mm程度とされており、これは我々が手指で触診しても、判別できる範囲を大きく下回ります。

この微細な動きを「ズレ」や「歪み」として認識することは、解剖学的に不可能です。

実際の整形外科診療において、骨盤のズレを問題と言われるケースはありません。

背骨に関しては脊柱側弯症は背骨が左右に湾曲する疾患があります。しかし、骨盤に関しては、明らかな構造的異常が確認されることは稀です。

骨盤の歪みがないなら足の長さや肩の傾きを気にする必要がない医学的根拠

骨盤が解剖学的に歪まない構造である以上、「足の長さの違い」や「肩の高さの差」を過度に心配する必要はありません。これらの現象に対する医学的見解を解説します。

足の長さの差について
いわゆる「脚長差」は、実際の骨長の違い(真性脚長差)と見かけ上の違い(仮性脚長差)に分類されます。真性脚長差は先天的要因や外傷による骨の変形が原因で、1-2cm程度の差は正常範囲内とされています。

一方、仮性脚長差は股関節や膝関節の可動域制限、筋肉の緊張バランス異常により生じる現象です。これは骨盤の構造的歪みではなく、機能的な問題として理解すべきです。整形外科学的には、明らかな脚長差がない限り、日常生活に支障をきたすことは稀とされています。

肩の高さの差の実態

肩甲骨の高さの違いも同様で、多くは筋肉の使用パターンや姿勢習慣による機能的な問題です。利き手側の筋肉発達や、日常的な荷物の持ち方、作業姿勢などが影響し、完全に左右対称な人体は存在しません。

医学的に問題となるのは、明らかな神経学的症状を伴う場合や、進行性の変化がある場合のみです。単純な見た目の左右差は、病的意義を持たないことが大多数です。

整体業界の誤解と身体の左右差に対する科学的見解
整体業界における問題のある宣伝手法
整体業界の悪しき慣習として、「体が歪んでいるので、今すぐ治さないと元に戻らない」といった恐怖心を煽る宣伝文句が横行していることは、医学的観点から大きな問題です。このような根拠のない脅迫的な表現に惑わされることは、患者様の心理的負担を増大させ、適切な治療選択を阻害する要因となります。
もちろん、姿勢の改善や身体への意識を常に持ち続けることは健康維持において重要です。しかし、それは恐怖心からではなく、正しい知識に基づいた自発的な取り組みであるべきです。

スポーツ選手における身体の非対称性
肩の左右差については、これまで携わってきたスポーツによって大きく変化することが知られています。私がこれまで診てきたスポーツエリート選手の多くは、片側に多く負荷がかかる競技特性により、優秀な選手ほど背部を観察すると明らかな左右非対称な筋肉の盛り上がりを呈している方が多数見受けられました。
これは病的な状態ではなく、競技に特化した身体適応の結果として理解すべき現象です。テニス、野球、ゴルフなどの回旋動作を主体とする競技では、特にこの傾向が顕著に現れます。

脊柱側弯症に対する最新の科学的見解
ウサイン・ボルト選手が脊柱側弯症でありながら世界最速記録を樹立した事実は、従来の「背骨の歪み=パフォーマンス低下」という固定概念を覆す象徴的な例といえます。
近年の研究では、軽度から中等度の脊柱側弯症が必ずしも運動機能や日常生活動作に悪影響を与えるものではないことが多くの文献で報告されています。むしろ、側弯症に対する過度な心配や制限が、本来持っている身体機能を制限してしまう可能性も指摘されています。

肩の高さのバランスに対する合理的な考え方
これらの科学的知見を総合的に考慮すると、肩の高さのバランスについても、大多数の方は全く気にする必要がないと考えられます。重要なのは、明らかな疼痛や機能障害を伴わない限り、これらの身体的特徴は個人の正常なバリエーションとして受け入れることです。
医学的に介入が必要となるのは、進行性の変化や神経学的症状を伴う場合に限定されます。単純な見た目の左右差に対して過度な治療介入を行うことは、費用対効果の観点からも推奨されません。
結論
患者様には、根拠のない不安を抱くことなく、科学的事実に基づいた正しい身体理解を持っていただくことが、真の健康維持につながると確信しています

整体業界における問題のある宣伝手法

整体業界の誤解と身体の左右差に対する科学的見解
整体業界の悪しき慣習として、「体が歪んでいるので、今すぐ治さないと元に戻らない」といった恐怖心を煽る宣伝文句が横行していることは、医学的観点から大きな問題です。このような根拠のない脅迫的な表現に惑わされることは、患者様の心理的負担を増大させ、適切な治療選択を阻害する要因となります。
もちろん、姿勢の改善や身体への意識を常に持ち続けることは健康維持において重要です。しかし、それは恐怖心からではなく、正しい知識に基づいた自発的な取り組みであるべきです。

スポーツ選手における身体の非対称性
肩の左右差については、これまで携わってきたスポーツによって大きく変化することが知られています。私がこれまで診てきたスポーツエリート選手の多くは、片側に多く負荷がかかる競技特性により、優秀な選手ほど背部を観察すると明らかな左右非対称な筋肉の盛り上がりを呈している方が多数見受けられました。

これは病的な状態ではなく、競技に特化した身体適応の結果として理解すべき現象です。テニス、野球、ゴルフなどの回旋動作を主体とする競技では、特にこの傾向が顕著に現れます。

脊柱側弯症に対する最新の科学的見解
ウサイン・ボルト選手が脊柱側弯症でありながら世界最速記録を樹立した事実は、従来の「背骨の歪み=パフォーマンス低下」という固定概念を覆す象徴的な例といえます。
近年の研究では、軽度から中等度の脊柱側弯症が必ずしも運動機能や日常生活動作に悪影響を与えるものではないことが多くの文献で報告されています。むしろ、側弯症に対する過度な心配や制限が、本来持っている身体機能を制限してしまう可能性も指摘されています。

肩の高さのバランスに対する合理的な考え方
これらの科学的知見を総合的に考慮すると、肩の高さのバランスについても、大多数の方は全く気にする必要がないと考えられます。重要なのは、明らかな疼痛や機能障害を伴わない限り、これらの身体的特徴は個人の正常なバリエーションとして受け入れることです。
医学的に介入が必要となるのは、進行性の変化や神経学的症状を伴う場合に限定されます。単純な見た目の左右差に対して過度な治療介入を行うことは、費用対効果の観点からも推奨されません。

結論
患者様には、根拠のない不安を抱くことなく、科学的事実に基づいた正しい身体理解を持っていただくことが、真の健康維持につながると確信しています

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