腰痛がプランクなどの体幹トレーニングで効果ある?

腰痛改善のために多くの人が取り入れているプランク運動。
しかし、このポピュラーな体幹トレーニングは、本当に腰痛改善に効果があるのでしょうか?
プロのトレーナーとして15年以上の経験を持つ筆者が、プランクの効果と限界、そして本当に必要な腰痛改善アプローチについて、最新の研究結果と臨床経験を基に解説します。腰痛でお悩みの方必見の情報をお届けします。


今日は、プランクで腰痛が改善するのか?について書いてみたいと思います。プランクとは、腕立て伏せの状態で前腕と肘をついて姿勢をキープする腹筋中心のトレーニングです。
このプランクは腹筋やスポーツでも体幹トレーニングとしてポピュラーで多くの方が自宅エクササイズに取り入れていますね。
『腰痛改善にプランクがいい』と言われている理由は、私の見解も述べたいと思います。
一般的にどこでも行われてきた上体を起こしていく腹筋。この腹筋は腰を微妙に動かしてしまうので腰痛の方にとっては、余計に痛くなってしまった!という方も少なくありません。
この腰を反動で動かしてしまう腹筋に対して、全く腰を動かさないのがプランクになります。
プランクだけでは腰痛が改善しない

筋肉体操でNHKの番組によく出演されている谷本先生がプランクについて筋量が増えないと書かれている記事をみたことがあります。研究者レベルで見ても、 短時間で腹筋の引き締め効果といわれている「プランク」は実は腹筋がつくようなトレーニングではないことは明白です。
コアマッスルがキツイから有効というロジックは成立しませんね。理学療法士・トレーナーなどから、普及したプランクは、体幹トレーニングという分かりやすさや、器具が必要がないことで本が売れやすい!動画再生が伸びやすいことから運動指導者に共感されて、あちこちで広まりました。
しかし、腰痛の方がプランクを導入しても、腰痛改善につながっていない現実は、見直さなければならない時期にきていると思います。

なぜ?腰を動かして腰痛になるのか?

日常生活で腰痛が起こるタイミングを考えるとプランクだけではだめに理由がわかります。よく腰痛になる局面では長い時間、座り続けて立ったら腰が・・というのは多いと思います。これは、腰を屈曲方向に長い時間曲げ過ぎたからなんです。では、この時に支えなければいけない筋群というと腹筋よりも背筋の方です。
では?背筋を鍛えればいいのか?というとそうではありません。なぜ?腰が曲がるのか?多くが柔軟性の問題が多いと思います。骨盤が後傾するその問題とは、下肢の柔軟性(背面側)が硬くなり骨盤を後ろに引っ張り込まれることなのです。
これは、プランクのみでは改善できず、プランクを行ってもいいのですが、ハムストリングスのリハビリや背筋側のエクササイズも必要だということがお分かりいただけると思います。弊社メールマガジンではそのコツをメールマガジンやLINE公式アカウントで公開しております。

じっと座るあいだに、あなたの腰は静かに悲鳴を上げている

デスクワークの方が腰痛になるメカニズムをご紹介します。まず画像のようにデスクワークの方が長時間座っていると、猫背になって腰が過剰に曲がってしまっています。
この姿勢は、一般的に言う腹筋が弱いというよりも、背筋群が機能していないため、腰部が過剰に屈曲してしまっています。
それとこれは私の臨床経験上言えることですが、このような姿勢になりやすい方は、大腿後面のハムストリングスが通常よりも短縮している方が非常に多いと感じています。
この問題を改善するには、実は体幹を意識するよりも、まずは大腿後面のハムストリングスの柔軟性を向上させることが重要です。
すると、骨盤後傾が自然と改善され、いつの間にか楽に正しい姿勢で座ることができるようになります。
なおかつ、背筋群の感覚が研ぎ澄まされていけば、長時間姿勢を維持するのが非常に楽になります。
これらのどの筋肉が弱化して、姿勢が保持できないのかということを改めて考えると、一般的な認識にない要素が多いのがわかると思います。
骨盤後傾の主要な要因として、大腿後面のハムストリングスが短縮していますが、長時間のデスクワークにより殿筋や背筋の筋力低下と機能不全が生じ、姿勢の維持が困難になります。この現代のデスクワーク環境で骨盤後傾の姿勢が習慣化されてしまうと、背骨の上部の胸椎も後弯角度に変化し、腰部も代償として過剰に屈曲してしまうため、立ち上がったときに腰が辛いということになります。どの筋肉が弱化しているのか、短縮しているのか、理解することがこの問題の解決になります。
どうして毎朝、腰がつらいの?

どうしても腰がいたいの?
朝、電車で立っていると、腰が痛いなと感じる方は非常に多いです。このような腰痛がなぜ起こるのかという要因ですが、朝は前屈するとわかるように非常に体が硬くなっています。
デスクワークの時にハムストリングスが硬いと骨盤後傾が要因ですとお伝えしたように、立っている状態でも、長時間姿勢を維持するために、自然と骨盤が立つようなコンディションを考えてみてください。
この時も腹筋というよりも、主に背中側の背筋群が機能してくると、この姿勢が保ちやすくなります。
それよりも、大腿後面のハムストリングスが硬いと朝は体が硬いので、骨盤が後傾しやすくなり、それを正そうとすることで、体がガチガチに固まってしまうのです。
そして、電車のつり革を掴んでいる際に、自然と体を捻ったり背骨を捻る動作も自然と行っています。
この動作は、股関節の内旋・外旋という動作が余裕ができてくると、自然と過剰に腰を捻らなくなります。
これも単に体を固めるようなプランクの動作とは異なり、可動域、どちらかというと、広げるという体の機能性を高める運動をしていった方が理想です。
このように電車のつり革を掴み、余裕を持って姿勢を維持するためには、単なる体を固めるような体幹トレーニングだけでは対応できず、可動域に余裕を持たせ、自然とこの状態が長続きできるような体作りが私は大切だと思います。
腰痛の本当の原因は“そこ”じゃない

腰痛を改善する考えとして、体幹トレーニング、すなわちプランクのメニューを行えばという考えでは対応できないのがお分かりいただけたかと思います。
体幹トレーニングだけ行えば腰痛が改善するというのは思い込みで、その人に合わせた個別性のある運動プログラムが必要なのがわかります。
ただし、シンプルな考え方として筋トレとストレッチをバランスよく組み合わせると腰痛に対応したトレーニングができるのではないでしょうか?
腹筋だけ鍛えれば良いという考えをまず捨て去り、常に腹筋の反対側の背筋ということもバランスよく考えてみてください。
また支持する力を強くするという考えも間違いではないのですが、それよりも最低限の柔軟性が足りないと知らず知らずに姿勢が乱れて、その姿勢を維持するために、余計な力を使って腰に過剰な緊張が生まれてしまうということがわかってきたかと思います。
難しく考えないで、体のトレーニングとして全面性のトレーニングという考えをお伝えしたいと思います。
全面性のトレーニングは、文字通り体全体を考えた刺激を与えるということです。
イメージとしてこの筋肉だけ鍛えるというのではなく、全体を満遍なく刺激するという意識で筋トレ、ストレッチを組み合わせると正しい方向に向かっていくと思います。
冒頭で紹介したように、本の購買が高まるようなコンテンツ、動画、これらはあくまでも消費者にとってすぐに使えるような感覚を持たせがちですが、実際には包括的な視点も必要になり、常に一般の方も1つのエクササイズにとらわれない方が良いということが私の考えです。
私のブログでも、このような整体師とパーソナルトレーナーとしての皆さんに、お役立ていただけるような情報を、これからも配信していきたいと思います。
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