40代に多発する股関節の違和感の実態

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大
川崎市登戸・向ヶ丘遊園の「ねもと整体&ストレッチスタジオ」院長 根本大。20年の臨床経験を持つ関節ニュートラル整体の施術者。健康運動指導士・米国ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。整体技術と運動指導の両面からのサポートしており、長年の経験をお伝えしています。

40代に入ると、多くの方が股関節に何らかの違和感を感じるようになります。「右股関節の違和感」「左股関節の違和感」といった片側性の症状から始まることが多く、初期段階では「だるい」程度の軽微な症状として現れます。
股関節の変形は40代から急速に始まります。女性の場合は閉経後に骨量が低下するので、今まで何でもなかった方でも違和感が出始める年齢です。この年代特有の股関節の問題は、単なる加齢現象ではありません。
長年の生活習慣や運動不足、デスクワークによる姿勢の悪化が蓄積された結果として現れるのです。
女性に多い股関節の違和感の原因

特に女性の場合、妊娠初期や産後の股関節違和感を経験された方も多いでしょう。妊娠・出産によるホルモン変化は関節を緩ませ、その影響が長期間続くことがあります。また、生理前の股関節違和感も、ホルモンバランスの変化が関係しています。
さらに、女性は男性と比べて股関節の構造上、変形性股関節症になりやすいという特徴があります。臼蓋形成不全という先天的な要因も関与することが多く、40代になってその影響が顕著に現れ始めるのです。
臼蓋形成不全とは、股関節の骨盤側にある「臼蓋(きゅうがい)」という受け皿部分が生まれつき浅く形成されている状態のことです。
正常な股関節では、太ももの骨の先端にある大腿骨頭が、骨盤の臼蓋にしっかりと覆われて安定しています。しかし臼蓋形成不全の場合、この受け皿が浅いため大腿骨頭の覆われる面積が少なく、股関節が不安定な状態になります
危険な「痛みの慣れ」が重症化を招く

股関節の違和感は、以下のような症状から始まります:
軽度の段階
朝起きた時の股関節のこわばり
長時間座った後の立ち上がり時の違和感
階段昇降時の軽い痛み
股関節周辺を触ると痛い感覚
進行すると現れる症状
歩きにくい状態が続く
股関節のしびれや足のしびれ
股関節をさすることで一時的に楽になる
下腹部への違和感の広がり
しかし、軟骨は神経が通っておらず痛みを感じない組織です。違和感があって動いているうちに痛みは一時的に楽になります。実はその痛みに慣れてしまうのが、股関節の違和感を変形性股関節症の重症化につながってしまうと感じています。
これらの症状を「年のせい」と放置してしまう方が多いのですが、実はこれが大きな間違いなのです。
健康寿命を延ばすカギは股関節にあり

最近は人生80年が当たり前になり、長生きしている人を見ると運動器が丈夫な人が歩いて元気というケースが非常に多いですね。そう考えると健康寿命を少しでも伸ばすためには、とにもかくにも早く股関節の手入れをすることで悪化を防ぐことが可能です。
股関節の違和感を放置すると、徐々に変形性股関節症へと進行していきます。変形性股関節症は、関節軟骨が摩耗し、骨同士が直接擦れ合うことで激しい痛みを引き起こす疾患です。
進行段階では以下のような深刻な症状が現れます:
安静時にも続く強い痛み
歩行距離の著しい制限
日常生活動作の困難
足長差による歩行バランスの悪化
最終的には人工股関節の手術が必要になる場合もあります。人工股関節術後も、しばらくは違和感が続くことが多く、元の生活に戻るまでに長期間のリハビリが必要となります。
整体×筋トレ×ストレッチ:3つのアンチエイジングアイテム

私の整体院では整体と筋トレ、ストレッチを標準としています。整体は関節の動きをスムーズにする手技ですが、それに対して筋トレとストレッチは筋肉に対するモビリティとスタビリティを高めることができる3つのアンチエイジングのアイテムだと思ってください。
整体の効果
関節の可動域改善
筋肉の緊張緩和
血液循環の促進
筋トレとストレッチの重要性 筋トレと言うと腕立て伏せや腹筋を思い浮かべる方が多いと思いますが、一番重要なのは股関節周りの筋肉を鍛えることです。筋肉が衰えると関節の負担が強くなります。また年齢とともに変形が進んできやすくなるので、骨と骨とがこすり合い削れてきてしまいます。筋肉が硬いと、中の関節が代償動作によってより動きすぎる動作になってしまいます。
股関節違和感に効果的なストレッチを毎日継続することで、関節の可動域を維持し、筋肉の柔軟性を保つことができます。特に腸腰筋や大臀筋のストレッチが重要です。
スクワットなどの筋力トレーニングは股関節周囲の筋肉を強化し、関節への負担を軽減します。ただし、股関節に違和感がある状態でのスクワットは、正しいフォームで行うことが重要です。
見落としがちな変形性股関節症の早期発見

軟骨が今どのような状態になっているのか詳細を知りたければ、解像度の高い股関節の専門性が高いMRIを撮ることが必要です。もし40代であなたが股関節に違和感があり、MRIを撮って医師から変形性の始まりが確認できたとしたら怖くないでしょうか?
僕の考えでは虫歯と同じように、早期に軟骨や骨の状態を知ることができれば、筋肉をつけたり痩せて関節の負担を少しでも減らして、将来人工関節や松葉杖にならないように努力されるのではないでしょうか?
そのような意識を早くから持ち続けることは決して早いわけではなく、40代もしくは50代から急速に体力が落ち、年齢的な体力の低下が著しいのは皆さんもわかると思います。
年齢に抗う最新のコンディショニング

しかし最近では、アスリートもトレーニングをすることで競技年齢を長く伸ばしたり、手術した後に劇的な回復をする選手も少なくありません。つまり最新のコンディショニングとトレーニングを学べば、年齢に抗って場合によっては大幅に年齢よりも若く元気な体を維持することも夢ではありません。そのより元気に強化していくということに関しては、医療よりも我々民間の整体やトレーニングジムの方の領域だと思います。
例えば高齢者だから筋肉がつかないと諦めている方も多いと思いますが、最新のトレーニング理論によると3ヶ月で70代でも5%の筋肉量増加が認められたという臨床事例があります。これはスロートレーニングと呼ばれる手法で、ゆっくりとした動作により軽い負荷でも効率的に筋量を増やすことが科学的に明らかになっています。
同時に、このスロートレーニングの優れた点は関節への負担が極めて少なく、筋肉の肥大効果が高いということです。特に股関節に違和感を抱える中高年の方にとって、安全かつ効果的な筋力強化法として注目されています。
また当院が実践しているPNF(固有受容性神経筋促通法)ストレッチは、従来の方法では体がなかなか柔らかくならない方でも高い再現性をもって可動域改善を得ることができる専門的なメソッドです。この手法は神経系と筋肉系の協調性を高めることで、股関節周囲の深層筋にも効果的にアプローチし、根本的な柔軟性向上を実現します。
整体技術に関しても常に進歩を続けており、脊椎や仙腸関節など患者様自身では精密に動かすことのできない関節に対するアプローチ技術も、専門スキルとして著しく向上し高度化しています。特に股関節機能と密接に関連する仙腸関節の調整技術は、従来では困難であった深部関節の可動域制限に対しても、より精密で効果的な施術を可能にしています。
医療×フィットネス×整体の連携で予防を

要は医療とフィットネスや整体など、ケースバイケースで予防して将来元気にできるだけ介護にならないように準備することです。
それは実は40代から始めても取り立てて早いわけではなく、むしろすぐにそこに気づいて今からでも取り入れるべきだと私は思います。
今すぐ始められる対策法
生活習慣の見直し 長時間の同一姿勢を避け、定期的に立ち上がって股関節を動かすことを心がけましょう。
定期的な検査 股関節の違和感を感じたら早めに整形外科を受診し、専門医による適切な診断と治療を受けることが重要です。症状を感じたら以下の場合は特に注意が必要です:
歩行困難
足のしびれ
発熱や腫れ
症状の悪化
日常生活への支障
まとめ:アクティブな中高年生活を目指して
そうすることでアクティブで好きな趣味も続けられる中高年の充実した生活を続けることができるでしょう。
40代の股関節の違和感は、適切な対処により進行を防ぐことが可能です。整体・筋トレ・ストレッチの3つのアプローチを組み合わせることで、年齢に負けない健康な股関節を維持し、将来の健康な生活を守ることができます。
今日から始める股関節ケアが、10年後、20年後のあなたの生活の質を大きく左右するのです。
登戸ねもと整体&ストレッチスタジオのご症状・お悩みメニューは下記になります。腰痛(坐骨神経痛・ぎっくり腰・分離症・すべり症・腰椎椎間板ヘルニア)肩こり(頚椎症・頚椎椎間板ヘルニア・巻き肩・ストレートネック)膝痛・腱鞘炎など症状・お悩みの個別ページに飛ぶことができます。