シンスプリントは、安静だけでなく足首・股関節・膝の動作の癖を修正することで、競技を続けながら回復を目指せる障害です。サッカーやバスケットボール、陸上などを一生懸命頑張っているお子さんが、ある日「すねの内側が痛い」と言い出した。練習を休ませた方がいいのか、それともこのまま様子を見ていいのか、判断に迷う保護者の方は多いのではないでしょうか。この痛みはシンスプリントと呼ばれるスポーツ障害のひとつで、走る・跳ぶ・切り返すといった動作を繰り返す競技の子供に非常に多く見られます。好発年齢は12歳から16歳とされ、一度痛みが出ると練習や競技を休まなければならなくなることも多く、なかには数か月から数年単位で治りにくくなってしまう難治例もあります。
当院にも、すねの内側の痛みを訴えてご来院されるお子さんが少なくありません。そうしたお子さんの動きを実際に観察していくと、痛みの背景には足首の硬さや股関節の使い方、膝の入り方といった、体の使い方に共通した癖があることが多く、単に安静にするだけでは根本的な解決にならないケースがほとんどです。この記事では、当院で行っているセルフチェックの方法や実際の改善事例を交えながら、競技を続けながら回復を目指すための考え方をお伝えしていきます。
シンスプリントとは?

シンスプリントは、正式には脛骨過労性骨膜炎、あるいは脛骨内側ストレス症候群と呼ばれる障害で、脛骨(すね)の内側に沿って鈍い痛みが出るのが特徴です。ダッシュやジャンプ、切り返し動作を繰り返す競技、具体的にはサッカー、バスケットボール、陸上、テニス、バレーボール、剣道などで多く見られ、好発年齢は12歳から16歳とされています。
一度痛みが出ると、練習や競技を休まなければならなくなることも多く、なかには数か月から数年単位で治りにくくなってしまう難治例もあります。
どんな子供がなりやすいか?

一般的には、扁平足傾向がある、お尻や太もも周りの筋力が弱い、ふくらはぎや足裏の柔軟性が低い、練習量が急に増えた、硬い路面での練習が多いといった要素がリスクとして知られています。当院で実際に来院されるお子さんの動きを見ていくと、これらに加えて、いくつか共通した動作の問題が見られます。
足首が硬くしゃがむ動作がうまくできず、その分すねに常に代償動作としてのストレスがかかり続けていること、股関節の使い方が意識できていないこと、膝が内側に入る動きが多く敏捷性を伴う動作の際に膝への負担が強いこと、お尻の後ろ側やハムストリングスが硬くしゃがむ動作ができないこと、ジャンプの着地で重心を落とす「パワーポジション」が取れていないことなどです。
海外の研究でも、股関節の外旋可動域の低下や足関節の底屈可動域の低下がシンスプリントの発症リスクと関連することが報告されており、すね単体の問題ではなく、股関節から足関節までの連動した動きの悪さが背景にあるという当院の考え方は、科学的にも裏付けられています。
当院で行っているセルフチェック

走る動作が多い競技のお子さんには、当院では次の3つのセルフチェックをお勧めしています。ひとつ目は片足立ちバランスチェックです。片足を股関節の高さまで90度上げて、しっかり立てるかを確認してください。シンスプリントになりやすい中学生年代であれば、目安として30秒程度は立てるはずです。
この時間立てず膝がぶれてしまう場合は、筋力とは別にバランス能力そのものに課題がある可能性があります。ふたつ目はスクワット動作のチェックです。かかとを床につけたまま、太ももが床と平行になる位置までしっかりしゃがめるかを確認してください。このとき膝が内側に入っていないか、つま先と膝の向きが一致しているかがポイントです。三つ目はフォワードランジのチェックです。
足を腰幅程度に開き、片足を大きく前に出してください。前足の膝が内側に入っていないか、膝がつま先より前に出すぎていないか、そして後ろ足の膝もしっかり屈曲しているかを確認してください。これら3つの動作のうち、ひとつでもうまくできないものがあれば、それがシンスプリントの原因になっている可能性があります。
当院での施術アプローチ

セルフチェックで課題が見つかった場合、当院ではすぐに保護者の方へ、この3つのチェックを定期的に行うようお勧めしています。というのも、こうした基本的な動作の癖は、意外にも子供自身では修正が難しいためです。
分別がつく年齢になるまでは保護者の方が見てあげて、それが無意識にできるようになるまで繰り返し行っていく必要があります。当院ではこれに加えて、股関節の屈曲動作を引き出す施術や、実際の競技動作に近い敏捷性ドリルを取り入れながら、痛みの改善と動作そのものの修正を並行して行っています。
改善事例のご紹介

当院にバスケットボール部の中学2年生のお子さんが、すねの内側の痛みを訴えて来院されたケースがあります。病院ではすでに保存療法を行っていましたが、競技能力を落とさずに回復できないかというご希望があり、整体を週1回30分、パーソナルトレーニングを週1回ご予約いただき、両面からサポートさせていただきました。
最初の1か月で痛みは軽減したものの、競技後にはまだ痛みを感じる状態が続いていました。そこで動作面の問題にも着目し、実際の競技に近い敏捷性ドリルを取り入れながら切り返し動作を修正し、あわせて股関節の屈曲動作が不十分だった点を踏まえ、重心を一気に落とせるパワーポジションのフォームを修正していきました。
2か月目に入ると競技後にも痛みを感じなくなり、スピードも向上したと大変喜んでいただけました
よくある質問
Q.痛みがあっても練習は続けていいですか?

A.痛みを我慢して走り続けると、治りにくい難治性のシンスプリントに移行してしまうことがあります。ただし完全に運動を止める必要はなく、痛みの少ない範囲での動作修正やトレーニングを並行して行うことで、競技力を落とさずに回復を目指すことができます。
Q.病院と整体、どちらに行けばいいですか?

A.強い痛みが続く場合や疲労骨折が疑われる場合は、まず整形外科で画像診断を受けることをお勧めします。そのうえで当院では、股関節・足関節までつながる動作の癖を見極め、セルフチェックをもとにした具体的な改善アプローチを行うことができます。
Q.どのくらいの期間で競技に復帰できますか?

A.症状の程度や動作の癖の根深さによって個人差が大きいため一概には言えません。ただし当院の事例のように、痛みの施術と動作修正を並行して行うことで、2か月前後で競技後の痛みが軽減し、パフォーマンスの向上につながったケースもあります。
まとめ

シンスプリントは、走る・跳ぶ・切り返すといった動作を繰り返すお子さんに多く見られる、オーバーユースが背景にあるスポーツ障害です。ただ安静にするだけでは根本的な解決にならず、足首の硬さや股関節の使い方、膝の入り方、ハムストリングスの柔軟性、パワーポジションの姿勢といった、動作そのものに隠れた原因があるケースが少なくありません。
この記事のポイント
- シンスプリントはオーバーユースが背景にあり、走る・跳ぶ・切り返す動作の多い競技の子に多い
- 片足立ちバランス、スクワット、フォワードランジの3つでセルフチェックできる
- 足首・股関節・膝の連動した動きの悪さが痛みの背景にあることが多い
- 当院では痛みへの施術と動作修正を並行して行い、競技を続けながらの回復をサポートする
まずは片足立ちバランス、スクワット、フォワードランジという3つのセルフチェックで、お子さんの動作にどんな癖があるかを確認してみてください。ひとつでもうまくできない動作があれば、それがすねへの負担につながっている可能性があります。こうした基本的な動作の癖は子供自身では気づきにくく、修正するのも難しいため、保護者の方が根気強く見てあげることが何より大切です。当院では、痛みへの施術と動作そのものの改善を両面からサポートすることで、競技を諦めることなく、痛みのない体で思い切りプレーを続けられるようお手伝いしています。すねの痛みは決して珍しいものではありませんが、原因を正しく理解し、適切に対応することで、お子さんの競技人生は大きく変わっていきます。
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有限会社ディーエスシーエス 代表取締役根本大

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大。
・米国NSCA‐CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
・健康運動指導士



