顎関節が動かない主な原因

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大
川崎市登戸・向ヶ丘遊園の「ねもと整体&ストレッチスタジオ」院長 根本大。20年の臨床経験を持つ関節ニュートラル整体の施術者。健康運動指導士・米国ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。整体技術と運動指導の両面からのサポートしており、長年の経験をお伝えしています。
顎関節が動かない!口が開かない時の対処法と治療選択肢

朝起きたら突然口が開かない、食事の時に顎関節が動かない...そんな経験はありませんか?整体師として20年以上、顎関節症の患者さんと向き合ってきた私が、顎関節が動かない原因と効果的な対処法をお伝えします。
なぜ突然、顎が動かなくなるのか?
朝、鏡の前で歯を磨こうとした瞬間、「あれ?口が開かない...」そんな恐怖を感じたことはありませんか?
顎関節が動かない状態は「開口障害」と呼ばれますが、その裏には必ず理由があります。20年間、患者さんの顎と向き合ってきた私が見てきた真実をお話しします。
顎関節症の真実 - 心と体が発する3つの警告サイン

あなたの心が顎を固くしている 多くの方が気づいていないのですが、咀嚼筋群(側頭筋、咬筋、内側翼突筋、外側翼突筋)は心の緊張をそのまま映し出します。仕事のストレス、人間関係の悩み、将来への不安...それらが無意識に歯を食いしばらせ、夜中の歯ぎしりとなって顎を痛めつけているのです。
音が消えた日の恐怖 「いつものカクカク音がしなくなった」そんな日は要注意です。関節円板という小さなクッションがずれて、関節の動きを完全に止めてしまうことがあります。多くの患者さんが「音がしなくなって安心していたのに...」と後悔の言葉を口にされます。
炎症という体からの悲鳴 関節包や周辺組織が腫れて物理的に動きを制限している場合、それは体からの「もう限界です」というサインなのです。
今すぐできる!顎を救う3つの方法

1. 頸部の可動性改善による顎関節負担の軽減
顎関節と頸椎は解剖学的・機能的に密接な関連性を有しています。頸部のストレッチングを実施することで、顎関節への負荷を軽減できる可能性があります。特に重要なのは、頸部伸展(後屈)ではなく、頸部屈曲(前屈)動作の改善です。
頸部機能不全のある患者様では、下顎を胸骨に近づける動作時に自然開口が生じることがあります。これは頸部可動域制限に対する代償機構として顎関節が過度に機能しているためです。頸部の動的機能を改善することで、顎関節への代償的負荷を軽減することが可能となります。
2. 頭蓋骨可動性の向上
頭蓋骨の微細な動きを促進する手技を実施します。両手で頭部を把持し、軽度の回旋を加えながら頭頂方向への牽引を行ってください。頭蓋底と上位頸椎の関節機能は頸部全体の運動連鎖に大きく影響するため、この部位の機能改善により顎関節への負担軽減効果が期待できます。
3. 全身姿勢アライメントの調整
姿勢制御は顎関節機能に重要な影響を与えます。脊柱後弯姿勢(猫背)では、頸椎の生理的前弯が消失し、いわゆるストレートネック様の形態変化を呈します。この際の根本的問題は骨盤後傾位による姿勢変化であり、これが頭部前方位を誘発します。骨盤から脊柱全体のアライメント調整を図ることが重要です。
総括
顎関節症候群は、関節可動性亢進型と拘縮型という異なる病態を呈する場合があります。しかし、いずれのタイプにおいても、顎関節への直接的なアプローチではなく、頸部、頭蓋骨、肩甲帯の機能改善を通じた間接的アプローチにより、顎関節への機械的ストレスを効果的に軽減することが可能です。

患者との対立から生まれた哲学 - ある大学生との出会い

整体師として学んだ2つの忘れられない症例
私が長年整体師をやってきて、2つの忘れられない事例があります。
【症例1】18年前の大学生男性の症例 顎が動かないという大学生が来院されました。当時はまだ臨床経験が乏しく、「顎関節の施術と同時に全身の関節の調整も整えるために行っていきます」と説明したところ、その大学生が「この先生は分かっていない!信用できない」と騒ぎ出しました。
私もまだ駆け出しの頃で驚きましたが、「受けるかどうかはっきり自分で判断してください」とお伝えしました。結果的にその方は施術を受けることを選択され、全身調整により顎関節の症状が改善しました。この経験から、患者さんとの信頼関係の大切さと、全身アプローチの重要性を学びました。
歌声を取り戻した少女 - 宝塚合格への道のり

【症例2】中学3年生女性・宝塚受験の症例 中学3年生の女の子が宝塚を受験したいということで相談に来ました。試験では歌を歌ったり口を大きく開かなければいけないのですが、顎関節が動かないと歌えないので違和感がある、顎を調整してほしいというご依頼でした。
この女の子は数回の施術で口が開くようになり、その後宝塚にも無事合格したとお母さんと一緒に報告に来ていただき、とても嬉しかった思い出があります。
2つの症例から見えてきた顎関節症の本質的な分類

この2つのパターンを大別すると、顎関節の本質的な対応方法がわかってきます。
1人目の大学生男性:関節が「開きすぎる」タイプ 顎がグラグラするタイプで、喋っていても違和感があるほど顎が不安定でした。最終的には大学病院での手術になったことから、関節がルーズな状態と判断されました。
2人目の中学生女性:関節が「開かない」タイプ 口が開かない状態でしたが、調整して開くようになり、違和感がほぼ良くなりました。これは関節の立て付けが悪くなっていただけで、整体で対応ができるケースでした。
この2つのタイプで考えてみると、同じ顎関節の違和感でも「口が開きすぎるタイプ」と「口が開かなくて痛いタイプ」があることを認識する必要があります。
口が開かないタイプの場合 手技療法によって顎周囲の筋肉を緩め、関節を動かしやすくするだけで、網戸の立て付けと同じように症状が完治します。
関節がグラグラタイプの場合 整体では対応できません。信頼できる歯科医師に確認したところ、このグラグラタイプの人は歯科でも対応ができないので、大学病院での手術しかないとのことでした。
あなたの顎関節症はどちらのタイプ?

もしあなたが顎の痛みや違和感でお悩みの場合は、この「関節が開かないタイプ」なのか「開きすぎてしまうタイプ」なのかということをしっかり判断し対応する必要があります。歯科なのか整体なのか、はたまた大学病院での手術なのかということで選択肢が全く変わってきます。
これらの経験を通じて、顎関節の問題は局所的な問題ではなく、全身のバランスと密接に関わっていることを確信しています。顎関節が動かない症状は、適切な対処により改善可能です。症状が続く場合は、一人で悩まず専門家にご相談ください。整体師として、皆様の健康回復をサポートいたします。
まとめ

まとめ
顎関節症の苦しみは、経験した人にしか分からない深刻な問題です。朝起きて口が開かない恐怖、食事のたびに感じる痛み、人との会話さえ億劫になってしまう日常...これらは単なる身体的な不調を超えて、あなたの心にも深い影を落とします。
顎関節症が引き起こす本当の恐怖
口が開かないということは、ただ食べ物を噛めないだけではありません。大切な人との食事を楽しめない、笑顔を作ることさえ躊躇してしまう、歯磨きや歯科治療も困難になる...日常生活のあらゆる場面で制約を感じることになります。さらに恐ろしいのは、慢性的な痛みによる睡眠不足、集中力の低下、そして「この痛みはいつまで続くのだろう」という不安が心を蝕んでいくことです。
早期回復がもたらす希望の光
しかし、適切な治療を受けることで、あなたの人生は劇的に変わります。口が自由に開くようになれば、好きな食べ物を心から楽しめる、大きな口を開けて笑える、歌を歌える、そして何より「痛み」という重い鎖から解放されます。宝塚に合格した少女のように、顎関節の回復は新しい夢への扉を開くかもしれません。
一人で悩み続ける必要はありません。皆さんの周りの専門家に相談した方が早いです。
歯科医院や整体・カイロプラクティックの経験豊富な先生を探し、適切なケアを早めに受けることをお勧めします。
登戸ねもと整体&ストレッチスタジオのご症状・お悩みメニューは下記になります。腰痛(坐骨神経痛・ぎっくり腰・分離症・すべり症・腰椎椎間板ヘルニア)肩こり(頚椎症・頚椎椎間板ヘルニア・巻き肩・ストレートネック)膝痛・腱鞘炎など症状・お悩みの個別ページに飛ぶことができます。
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