「休んでもまた痛む」を繰り返さない。 フォームと連動性を整えるスポーツ整体。
サッカーをする子供に増えているグロインペイン症候群とは?

「練習を休んで痛みが引いたはずなのに、復帰するとまた同じ場所が痛む」——そんな繰り返しに、お子さんも保護者様も疲れ果てていませんか。
グロインペイン症候群の再発を防ぐには、患部を安静にすることと並行して心肺機能を落とさないトレーニングを続けることが不可欠であり、痛みの出ている内転筋そのものだけでなく体重移動のクセや全身の連動性を整えることが根本的な改善につながります。
安静だけで様子を見ていると、痛みが落ち着いた頃には今度は心肺機能の低下という新たな壁が待っています。実際、トレーニングを完全に中断すると2〜8週間でVO2maxが4〜20%程度低下することが報告されており、久しぶりの練習で「すぐ息が上がる」「周りについていけない」と感じるのは、この心肺機能の低下が大きな原因になっているケースが多く見られます。
一方で、体の使い方そのものが変わらないまま競技に復帰すれば、同じ内転筋・同じ鼠径部に負担が集中し続け、痛みは形を変えて何度でも顔を出します。柔軟性が低く、特定の筋肉に負担が偏る動きのクセこそが、はっきり原因を特定しづらいグロインペイン症候群の見落とされがちな背景です。
この記事では、なぜ鼠径部に炎症が起こるのかという原因の見立てから、安静にしながらも心肺機能を落とさないための具体的なセルフケア、そして実際に競技復帰まで至った中学生の改善事例まで、臨床の現場で日々お伝えしていることを交えてご紹介します。
なぜ鼠径部に炎症が起こるのか、見落とされやすい「体の硬さ」という原因

私が整体の現場でサッカー経験のあるお子さんの体を見ていて感じるのは、柔軟性が低いケースが非常に多いということです。敏捷性や瞬発力が武器の選手は、足の速さや動きの鋭さで評価される一方、意外にも体が硬いことが少なくありません。
特定の筋肉、特に内転筋に負担が集中しやすい体の使い方をしていると、炎症のきっかけが積み重なっていきます。そしてグロインペイン症候群のように原因がひとつに絞りにくい痛みは、本人も保護者も、なぜ痛いのかが分からないまま、中長期的に悩まされる症状へと発展してしまうことがあります。
私が施術を行っている川崎市多摩区は、フロンターレの活動拠点としてジュニア年代からサッカーを始めるお子さんが多い地域です。都心にも近く人口増加も続いており、サッカーだけでなくバスケットボールやバレーボール、テニス、柔道、レスリング、体操など、幅広い競技でスポーツ障害を抱えたお子さんが来院されます。
治療の落とし穴、安静にしているだけで心肺機能が大きく落ちてしまう理由

炎症が起きている以上、まず安静にすることが基本です。特に急性期は、何か特別なことをすれば早く治るというものではなく、患部を休ませる時間そのものが治療になります。
ただし、ここで見落とされやすいのが心肺機能の低下です。運動生理学の研究では、トレーニングを完全に中断すると2〜8週間ほどでVO2max、いわゆる最大酸素摂取量が4〜20%程度低下することが報告されています。これは血液量の減少にともなって心臓が一回に送り出せる血液量が減り、心拍出量そのものが落ちてしまうことが背景にあります。一方で筋力は、2週間程度のトレーニング中断であればそれほど大きくは落ちません。
つまり痛みで練習を見学している間、体力の中でも真っ先に、そして大きく低下するのは筋力ではなく心肺機能だということです。1ヵ月ぶりに練習に復帰したお子さんが、思うように動けない、すぐ息が上がる、周りの練習についていけないと感じるのは、この心肺機能の低下が主な原因になっているケースが多く見られます。
トップレベルの選手のリハビリでも、この考え方は基本になっています。負傷後にトレーニングを再開する際、心拍数を最大心拍数の70%から段階的に90%以上まで引き上げていく方法で、数週間かけて心肺機能を負傷前の水準まで戻していく報告もあります。
プロ選手が長期離脱からでも短期間で試合勘を取り戻せるのは、患部の回復と並行して心肺機能のトレーニングを止めていないことが大きな理由のひとつです。
痛みをかばいながら心肺機能を落とさないためのセルフケアとトレーニング

グロインペイン症候群の治療で大切なのは、患部の炎症を落ち着かせることと、心肺機能を落とさないことを同時に考えることです。私がまず保護者の方にお伝えしているのは、患部に負担をかけない範囲で心肺機能のトレーニングを継続してくださいということです。
具体的には、痛みの出ない姿勢や動作を選びながら、心拍数を最大心拍数の80〜90%程度まで上げる有酸素運動を続けます。バイクこぎや、ステップ台を使った踏み台昇降であれば、股関節や内転筋への負担を抑えながら心肺機能への刺激を保つことができます。
慣れてきたら、3分間しっかり心拍数を上げて1分休むといったインターバル形式を取り入れると、限られた時間の中でも効率よく心肺機能を刺激できます。実際、トレーニングを完全にやめてしまう長期のブランクに比べて、軽い運動を継続しながら休むほうが体力の落ち込みを抑えられることが研究でも示されています。
競技への即復帰を目指すのであれば、患部を休ませることと体力を落とさないことは、両立させるべき課題として一緒に考える必要があります。
新百合ヶ丘から来院した中学1年生男子の改善事例

新百合ヶ丘からご来院された、クラブチームでサッカーをしている中学1年生の男子生徒の事例です。アジリティートレーニング中に鼠径部あたりに痛みを感じ、練習後になると痛みが強くなるという状態でした。一般的にはこうした場合、練習をお休みするという対応になりがちです。
しかし中学の3年間で1ヵ月練習を離れることは、ライバルとの差という意味で大きなハンデになります。夏休みだったこともあり、自宅でできるトレーニングメニューを作成し、ステップ台を使った有酸素運動を中心に、心拍数を最大心拍数の80〜90%まで上げながら患部に負担をかけないメニューを一緒に組み立てました。
練習は早退してもらい、当院のトレーニングスペースでバイクを使って心拍数を上げるトレーニングを実施、自宅でも他の選手に体力面で後れを取らないよう踏み台昇降を継続していただきました。1ヵ月後、痛みはほとんど改善し、無事に競技復帰することができました。
専門家に相談すべきケース

運動後に痛みが強くなる、痛みの場所がはっきりしない、1〜2週間安静にしても改善しない、こうした場合は自己判断で様子を見続けず、整形外科や専門家に相談することをおすすめします。
特に恥骨の周囲まで痛みが広がっている場合や、日常の歩行にも支障が出ている場合は、恥骨結合そのものの炎症が関わっている可能性もあるため、早めの受診が安心です。
当院のスポーツ整体とパーソナルトレーニングについて

当院は川崎市多摩区登戸で20年にわたり整体とパーソナルトレーニングを行ってまいりました。その中で特に力を入れてきたのが、スポーツをするお子さん向けの整体と、アジリティーや柔軟性、スピード向上を目的としたトレーニング指導です。
大学運動部のトレーナーや県立高校バスケットボール部のトレーナーとしての経験も多く、痛みを取り除くだけでなく再発を防ぐための筋力トレーニングやストレッチを日々お伝えしています。
中でも日本大学レスリング部のトレーナーチームには15年在籍し、試合直前のコンディショニングを担当してまいりました。ただ痛みを楽にするだけではなく、機能を改善しながら試合当日に最高のパフォーマンスを発揮できる体作りを提唱しているのが、当院の大きな特徴です。
よくある質問
病院でリハビリに通っています。整体と併用しても大丈夫ですか?

病院に通う一番の目的は、医師による正確な診断です。ここは欠かせません。ただ、病院のリハビリは保存療法が中心になることが多く、痛みが落ち着いたあとに競技へすぐ復帰できるレベルまで関節の動きを整えたり、自宅でできるトレーニングメニューまで踏み込んでサポートすることは難しい場合があります。
当院の整体とパーソナルトレーニングは、病院での診断や治療と並行してご利用いただくことで、関節の可動域の改善や心肺機能を落とさないトレーニングまでカバーできますので、多くの方が併用されています。
最近は痛みが楽になっていますが、再発するのが怖いです。どうしたらいいですか?

再発予防のためには、定期的なメンテナンスとして整体を受けていただくことをおすすめしています。炎症が出る場所は内転筋や恥骨まわりですが、根本的な原因は体重移動の癖や全身の動きのバランスにあることがほとんどです。
機械と同じように、体も定期的にメンテナンスを行うことで、同じ場所に負担が集中しにくい体づくりができます。痛みが取れたタイミングで通院をやめてしまうと、原因になっていた体の使い方がそのまま残り、再発につながりやすくなりますので注意が必要です。
(まとめ)

「休んでいる間は良くなったのに、練習に戻るとまた同じ場所が痛む」。この繰り返しに、お子さん本人はもちろん、そばで見守る保護者様も、どこまで付き合えばいいのか分からず、心がすり減ってしまっているのではないでしょうか。特に成長期のお子さんにとって、練習を離れる1ヵ月は、体だけでなくチーム内の立ち位置や本人の自信にも影響する、決して軽くはない時間です。
- グロインペイン症候群は内転筋を中心とした炎症で、痛みの部位がはっきりしにくく対応が後手に回りやすいスポーツ障害です
- 敏捷性や瞬発力を武器にする選手ほど、実は体が硬く、内転筋に負担が集中する体の使い方をしていることが少なくありません
- 安静だけを続けると、患部が落ち着く一方で心肺機能が2〜8週間でVO2max4〜20%程度低下し、復帰後に「すぐ息が上がる」状態を招きます
- 患部に負担をかけない範囲で心拍数を80〜90%まで上げる有酸素運動を続けることが、体力を落とさず競技復帰を早める鍵になります
- 根本原因は内転筋そのものよりも体重移動のクセや全身の連動性にあることが多く、痛みが取れた後こそメンテナンスが再発予防につながります
「休ませてあげたいけれど、休ませすぎてもチームに置いていかれるのではないか」。そんな相反する不安を抱えながら、日々お子さんの様子を見守っている保護者様は、決して少なくありません。けれど、その悩み方は間違っていません。安静と体力維持は、本来どちらか一方を選ぶものではなく、両立させて考えるべき課題だからです。
痛みをかばいながらでも、心肺機能を落とさずに過ごす方法はあります。そして、痛みが引いたあとに同じ場所を再び痛めないためには、内転筋そのものだけでなく、体の使い方全体を見直していく視点が欠かせません。
当院は川崎市多摩区登戸で20年にわたり、整体とパーソナルトレーニングの両面からお子さんの体づくりに携わってまいりました。日本大学レスリング部のトレーナーチームに15年在籍し、大学運動部や県立高校バスケットボール部でのトレーナー経験もある中で一貫してお伝えしているのは、痛みを取るだけで終わらせず、機能を改善しながら競技復帰後に本来のパフォーマンスを発揮できる体をつくるという考え方です。
「また同じ場所が痛むのではないか」という不安を抱えたまま様子を見続ける前に、一度、お子さんの体の使い方そのものを一緒に確認させてください。フロンターレの活動拠点でもあるこの地域だからこそ見えてくる、成長期のお子さんに合ったサポートを、ご家族と一緒に考えてまいります。
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有限会社ディーエスシーエス 代表取締役根本大

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大。
・米国NSCA‐CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
・健康運動指導士



