4つの方向に関節のあそびを戻す

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大
川崎市登戸・向ヶ丘遊園の「ねもと整体&ストレッチスタジオ」院長 根本大。20年の臨床経験を持つ関節ニュートラル整体の施術者。健康運動指導士・米国ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。整体技術と運動指導の両面からのサポートしており、長年の経験をお伝えしています。
今回のコラムでは、ゴルフ肘やテニス肘を自分でケアするストレッチについてご紹介していきます。この2つの肘の痛みの特性として、関節の動きを回復させるためには4方向に骨を動かすということがポイントです。
痛みがない範囲で4つの方向に動かすと、関節に遊びができます。関節の遊びというのは、タワーマンションの免震構造のようなもので、衝撃に対して緩和する構造になっています。
つまり、難しく考える必要はありません。4方向にストレッチを行うことで、自然と関節に遊びができ、痛みが緩和されるケースが多く見られます。
できれば重症化する前に、これらのストレッチを実践してみてください。早期からの予防的アプローチにより、不快な症状の改善が期待できます。
肘のストレッチの注意点 3段階で可動範囲を徐々に広げる

肘の関節には、3段階の関節可動域があります。まず、自分で動かすことができる範囲の自動運動があり、そこからさらに他動的に動かせる範囲があって、最終的に動かなくなったところがエンドフィールです。
エンドフィールには2段階あり、ストレッチを行う際は、この2つのエンドフィールを理解して関節を動かす必要があります。
皆さんに意識していただきたいのは「関節」というキーワードです。
一般的にストレッチというと筋肉を伸ばすというイメージで行われる方が多いと思いますが、痛みが出る原因となっているのは関節内の引っかかりであり、筋肉を伸ばしているだけでは痛みを消失させるには不十分です。
3段階の動きとは、浅い角度、さらに深い角度、そして最後に動かなくなった関節の遊びの領域です。
これら3段階を常に意識してストレッチを行わないと、いきなり深く曲げても浅い関節の部分が引っかかっているということもあるため、3段階の角度を意識して行っていただくことで、良い結果が得られやすくなります。
掌屈(しょうくつ)ストレッチ - 手のひら側に曲げる動き

腕を前に伸ばし、手のひらを下向きにして、反対の手で指先を体の方に引き寄せます。手首の上側が伸びるのを感じながら下方向に浅く・真ん中・深くと軽い屈曲伸展を繰り返し、最後に10秒ほどキープします。
背屈(はいくつ) ストレッチ- 手の甲側に反らす動き

腕を前に伸ばし、手の甲を上向きにして、反対の手で手首を下に押し下げます。手首の下側が伸びるのを感じながら、上方向に浅く・真ん中・深くと軽い屈曲伸展を繰り返し、最後に10秒ほどキープします。
手首回内ストレッチ

肘を90度に曲げて体の横に固定し、手のひらを上下に返すように手首をゆっくりと回転させます。両方向に10-15回ずつ行います。親指方向に浅く・真ん中・深くと軽い回内回外動作を繰り返し、最後に10秒ほど回内でキープします。
手首回外ストレッチ

肘を90度に曲げて体の横に固定し、手のひらを上下に返すように手首をゆっくりと回転させます。両方向に10-15回ずつ行います。小指方向に浅く・真ん中・深くと軽い回外回内動作を繰り返し、最後に10秒ほど回内でキープします。
肘と手首は連動する!手首を極めて、肘のあそびを回復させよう
掌屈(しょうくつ)ストレッチ

肘関節は蝶番関節で、主に屈曲(曲げる)と伸展(伸ばす)の動きを行うと伸展時は前腕が上腕から離れる方向に動き、関節角度が大きくなり、肘の伸展にあそびがつきます。
背屈(はいくつ) ストレッチ

肘関節の伸展は上腕三頭筋と肘筋が主働筋として働き、上腕二頭筋や上腕筋などの屈筋群が拮抗筋として伸張される動作です。関節は肘関節は蝶番関節で屈曲と伸展の動きを行います。
手首回内ストレッチ

手首回内ストレッチは橈尺関節で回内筋群を収縮させ、拮抗する回外筋群を伸張しボールを投げる方向への可動域を改善する運動療法です。
手首回外ストレッチ

手首回外ストレッチは橈尺関節で回外筋群を収縮させ、拮抗する回内筋群を伸張し手のひらを上向きにする可動域を改善する運動療法です。
朝の痛みが消える日!4方向ストレッチで肘を救う方法


長い間あなたを苦しめてきた肘の痛み。朝起きた時のズキンとした痛み、コーヒーカップを持つだけでも響く違和感。それがまるで魔法のように、静かに消える場合があります。
4方向のストレッチ。たったそれだけのことが、あなたの毎日を変えてしまうのです。
関節に生まれる「僅かなあそび」は、まさに心の余裕のようなもの。硬く閉ざされていた扉が、そっと開かれる感覚。
肘の痛みと共に歩んできた日々。諦めかけていた趣味のテニスやゴルフ。「もう無理かもしれない」と心の奥で呟いていたあの気持ち。
でも今、これはのストレッチを毎日行えば不快な肘の痛みも軽減されるかもしれません。
4方向に動かすことは、小さな変化への第一歩。
それは単なるストレッチではありません。機械のメンテナンスなのです。
肘の痛みのない朝を迎える日は、もうそこまで来ています。
テニス肘・ゴルフ肘での考え方

テニス肘・ゴルフ肘での考え方:
・肘だけでなく肩甲骨の安定性も重要
・手関節の柔軟性も肘への負担に影響
・体幹の安定性が上肢全体の運動鎖に影響
スポーツでの肘の使い方として、運動連鎖を考える必要があります。例えば、スイングやサーブの際に最後にフォロースルーを入れる時、手首の動きが連動していることがわかります。
また、瞬間的に肘を伸展する際に安定させるために、肩甲骨の支持する力も必要になります。
同時に、体幹が安定していないと体全体の力を手に伝えることができません。
このように、テニス肘・ゴルフ肘も複数の要素を改善することで痛みを抑制することができます。
今回は、主に自分でできるテニス肘・ゴルフ肘のモビリティを中心にお伝えいたしました。
単なる可動域だけではなく、動的な柔軟性もこの中に含まれます。
手は意外に疲労感や硬さという感覚を自覚しにくいと思いますが、繰り返し動作を行う方は、常に保守点検を行い、動きを最大限まで高めるメンテナンスが大切です。
肘の痛み 4方向・3段階の可動域アプローチ

テニス肘・ゴルフ肘の痛みは、関節の「あそび」を回復させることで改善できます。重要なポイントは以下の通りです。
4方向ストレッチの基本: 肘の関節を上下左右の4方向に動かすことで、関節に必要な「あそび」を作ります。これはタワーマンションの免震構造と同じ原理で、衝撃を吸収し痛みを軽減します。
3段階の可動域アプローチ: 浅い角度から深い角度、そして最終的な関節の遊びの領域まで、段階的に動かすことが大切です。いきなり深く曲げるのではなく、関節の引っかかりを段階的に解除していきます。
関節重視のストレッチ: 一般的な筋肉を伸ばすストレッチではなく、関節の動きを重視したアプローチが効果的です。痛みの原因は関節内の引っかかりにあるためです。
運動連鎖の理解: 肘だけでなく、肩甲骨の安定性、手関節の柔軟性、体幹の安定性も重要です。これらが連動して働くことで、肘への負担が軽減されます。
継続的なメンテナンス: 手は疲労感を自覚しにくい部位ですが、繰り返し動作を行う方は定期的な保守点検が必要です。痛みが出る前の予防的アプローチが最も効果的です。
毎日のちょっとした時間で行えるこれらのストレッチを継続することで、朝の痛みやコーヒーカップを持つ時の違和感から解放される日が来るでしょう。重症化する前に、ぜひ実践してみてください。あなたの肘の痛みのない快適な日常を取り戻すために、今日から始めてみませんか?
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