捻挫を繰り返す本当の理由と根本的な改善策

捻挫を繰り返す本当の理由と根本的な改善策

Director Profile
院長 根本大

ねもと整体&ストレッチスタジオ根本院長。
整体技術と運動指導の両面からサポート!

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最終更新日 2026年6月30日

足首の捻挫をして、しばらく安静にしていたら痛みが引いた。テーピングをしてなんとか生活できるようになって、「もう大丈夫かな」と思って運動を再開した。でもまたしばらくして、ちょっとした段差や、グラウンドのちょっとした凹凸で、同じ足首をまたグキッとやってしまった。

そういう経験を繰り返している方は、本当に多いです。「自分は捻挫しやすい体質なのかな」「足首が弱いのかな」と思って、半ば諦めてしまっている方もいると思います。スポーツをされている方であれば、「また捻挫でまた休まないといけない」という悔しさや焦りを何度も経験してきたのではないでしょうか。テーピングやサポーターが手放せなくて、それが当たり前になってしまっている方もいるかもしれません。

でも、安心してください。捻挫を繰り返してしまうのは体質のせいではありません。明確な理由があります。そしてその理由を正しく理解して、適切なアプローチで取り組めば、捻挫の繰り返しは必ず防いでいくことができます。

この記事では、捻挫を繰り返してしまう本当の原因を、靭帯・感覚・立ち方・股関節・筋力バランスという複数の視点から丁寧に解説していきます。「なぜ自分は何度も捻挫するのか」という疑問に、当院での20年以上の臨床経験をもとにお答えします。捻挫グセに悩んでいる方、スポーツへの復帰を目指している方、ぜひ最後まで読んでみてください。

なぜ捻挫は繰り返してしまうのか?

足首に手を当てている男性

捻挫を繰り返してしまう方には、いくつかの共通したパターンがあります。まず知っておきたいのは、「痛みが取れた」ことと「足首が完全に回復した」ことは、まったく別だということです。

足首の捻挫が起きると、靭帯が引き伸ばされたり、部分的に断裂したりします。靭帯は一度伸びてしまうと、骨折のようにきれいに元通りにはなりにくい組織です。

それでも人体には回復力があるので、時間が経てば痛みは治まります。しかし問題は、靭帯の中には「関節がいまどの位置にあるか」「どの方向に傾いているか」を感知するセンサーの役割を持つ神経(固有受容器)が存在していて、靭帯が損傷するとこの感知機能も同時にダメージを受けてしまうことです。

この感覚の鈍さが残ったまま日常生活や運動に戻ると、足首が少し外側に傾いてもそれを素早く感知して修正することができず、またグキッとなってしまいます。この状態は「慢性足関節不安定症(CAI)」と呼ばれ、スポーツ医学の分野で広く研究されています。

繰り返す捻挫は「内反捻挫」がほとんど

歩いている女性

捻挫を繰り返す方の多くは、足首が内側に折れる「内反捻挫」のパターンです。足の小指側に体重が乗ったときに、そのまま内側へ崩れてしまうイメージです。

こういった方に共通しているのが、つま先が外側に開く立ち方をしているということです。街を歩いていると、つま先がハの字に広がって、重心が足の外側(小指側)に偏って歩いている方をよく見かけます。

この立ち方では、片足で立ったときに足の裏が地面に対して不安定になりやすく、わずかなバランスの乱れで内側に崩れてしまいます。

つまり、靭帯の問題だけでなく、「そもそもの立ち方・歩き方の癖」が捻挫を繰り返す大きな要因になっているのです。この癖は長年かけて無意識に身についたものなので、本人も気づいていないことがほとんどです。

股関節の動きが足首の不安定さに影響する

あぐらをかいている男性

捻挫の話なのに股関節?と思われるかもしれませんが、足首の不安定さには股関節の使い方が深く関わっています。
男性は股関節が外旋(外側に開く方向)に動きやすい傾向があり、あぐらをかくような動きが得意な方が多いです。一方、女性は内旋方向(内股・女の子座りの方向)に動きやすい方が多い傾向があります。

この股関節の動き方の癖は、そのまま下肢全体のアライメント(骨格の並び方)に影響します。股関節が外旋優位になると、つま先が外に向きやすくなり、足部の重心が外側に偏りやすくなります。その結果、小指側に体重が乗りやすくなり、内反捻挫を起こしやすいアライメントになってしまいます。

足首だけを治療しても捻挫が再発してしまう方の多くは、この股関節の内旋・外旋のバランスが崩れていることが根本にあります。

研究でも、慢性足関節不安定症の患者は健常者と比べて股関節の外旋角度や膝関節の動きに異常が見られることが報告されており、足首の問題が股関節・膝・骨盤を含む下肢全体の運動連鎖に影響を与えることが示されています。股関節の柔軟性をストレッチで整えることで、立ち方の癖そのものが改善しやすくなります。

筋力のバランスも捻挫の再発に関係している

足を踏み込んでいる女性

足首の安定性には、筋力のバランスも大きく関わっています。特に重要なのが、足首の外側についている「腓骨筋(ひこつきん)」という筋肉です。腓骨筋は、足首が内側に折れそうになった瞬間に反射的に収縮して、捻挫を防ぐブレーキの役割を果たします。

しかし、捻挫を繰り返している方はこの腓骨筋の反応が遅くなっていることが研究でも示されています。外側に重心が乗った瞬間に素早く内側へ引き戻す神経と筋肉の連携がうまく働かないため、グキッとなってしまうのです。

また、股関節の内転筋(太ももの内側の筋肉)のトレーニングも効果的です。内転筋が活性化することで骨盤が安定し、下肢全体のアライメントが整います。外側に偏っていた重心が内側に修正されやすくなるため、捻挫しにくい立ち方に近づいていきます。

片足立ちトレーニングで足首の安定性を高める

片足で立っている女性

捻挫の予防として、日常的にできるトレーニングとして特にお勧めしたいのが片足立ちです。片足で立ってみて、外側にぐらぐらと傾いてしまう方は、内反捻挫を起こしやすい状態にあります。逆に言えば、このぐらぐらをなくしていくことが捻挫予防に直結します。

研究でも、片足立ちテストの成績が低い選手は足首捻挫のリスクが高いことが示されており、バランストレーニングが捻挫の再発予防に有効であることが複数の研究で報告されています。

目安は片足で30秒間、ぐらつかずに立てること。最初はふらふらして10秒も立っていられないという方もいますが、毎日続けることで足首周囲の筋肉と感覚が鍛えられ、安定性が上がっていきます。慣れてきたら目を閉じて行うことで、固有受容感覚のトレーニング効果がさらに高まります。

立つときのポイントは、つま先をまっすぐ前に向けること、足の裏全体で地面を踏むことを意識することです。小指側だけに体重が乗らないように、足の親指の付け根・小指の付け根・かかとの3点で均等に地面をとらえる感覚を養っていきましょう。

大学サッカー部の選手が3ヶ月で競技復帰できた話

施術をしている男性

当院にご来院された大学1年生のサッカー部男性の例をご紹介します。彼は入学してからすでに何度も同じ足首を捻挫しており、「このまま競技を続けられるか」という不安を抱えてご来院されました。

全体的な動きを確認したところ、つま先が大きく外側に開いており、股関節が外旋方向に開く癖が強く出ていました。片足立ちをしてもらうと、外側にぐらぐらとぶれてしまい、10秒間立っているのがやっとという状態でした。走り込みの量は多く競技能力は高いにもかかわらず、体のバランスには大きな偏りがあったのです。

そこで週1回の整体による股関節・足首のアライメント調整と、毎日10分のエクササイズ(片足立ち・内転筋トレーニング・股関節ストレッチ)に取り組んでもらいました。

3ヶ月後には片足で30秒間ぐらつかずに立てるようになり、それと同時に捻挫の再発もなくなりました。さらに地面をしっかりとらえたスプリント動作ができるようになったことで、競技パフォーマンス自体も向上し、サッカーに本格的に復帰することができました。

このケースが示しているのは、捻挫の根本的な改善には「足首だけを治す」ではなく、立ち方・歩き方・股関節の動き方を含めた全体的なアプローチが必要だということです。

テーピングやサポーターに頼り続けることの落とし穴

テーピングをしている男性

捻挫を繰り返している方の多くは、テーピングやサポーターが手放せない状態になっています。「これがないと不安で動けない」という方もいるでしょう。テーピングやサポーターは、足首をしっかり固定して捻挫を防いでくれる便利なアイテムです。しかし、これに頼り続けることには大きな落とし穴があります。

テーピングは時間が経つにつれて緩んできます。試合の前半は問題なくても、後半になるとテープが伸びて固定力が落ち、肝心な場面で足首が不安定になってしまうことがあります。

サポーターも同様に、使用を重ねるうちにフィット感が低下します。そして何より問題なのは、外側から足首を固定することに慣れてしまうと、足首周囲の筋肉や感覚が自分で安定を保とうとする力をどんどん失っていくということです。

テーピングやサポーターはあくまでも応急処置や一時的なサポートとして活用するものです。根本的な解決策は、自分の筋力と感覚で足首を安定させられる体を作ることにあります。立ち方・歩き方・股関節の動き方を修正し、腓骨筋や内転筋を鍛えることで、テーピングなしでも安心して動ける体へと変えていくことが本来の目標です。

捻挫後のリハビリで本当にやるべきこと

片足立ちをしている男性

捻挫をしたあとのリハビリとして一般的に行われるのは、電気治療や超音波、アイシングといった物理療法が中心になりがちです。もちろんこれらは炎症を抑え、回復を助けるうえで大切な処置です。しかし、「痛みを取る」段階が終わったあとに、もう一段階深いリハビリが必要です。それが「動き方の修正」です。

当院では、捻挫後のリハビリとして裸足になって動作の確認から始めます。なぜ裸足かというと、シューズを履いた状態ではソールのクッションや固定力が邪魔をして、足の裏が地面にどのように接地しているかを細かく確認することができないからです。裸足になることで、親指の付け根・小指の付け根・かかとの3点がしっかり地面をとらえているか、小指側だけに体重が偏っていないか、といった接地の状態をリアルタイムで確認しながら指導することができます。

裸足でのパーソナルトレーニングを通じて、まず「正しく地面を踏む」感覚を体に覚えさせることが、捻挫の再発を防ぐ第一歩になります。

この感覚が身についてからシューズを履くと、シューズの中でも正しい接地ができるようになります。足首の問題は足首だけでは解決しません。足の裏から全身の動きを丁寧に見直すことが、本当の意味でのリハビリです。

何歳からでも遅くない——捻挫グセは必ず改善できる

立っている男性

「もう長年こういう体だから、今さら変わらないんじゃないか」そう思っている方もいるかもしれません。しかし、安心してください。捻挫グセは何歳からでも改善することができます。

立ち方や歩き方の癖は確かに長年かけて染み付いたものです。しかし、人間の体には可塑性(かそせい)といって、正しい刺激を与え続けることで動き方を変えていく力があります。筋肉は何歳になっても鍛えれば応えてくれますし、固有受容感覚も適切なトレーニングを続けることで回復・向上させることができます。

大切なのは、一度動きの癖を正しく修正できれば、それが再発予防として長く機能し続けるということです。逆に言えば、癖を修正しないまま何度治療を受けても、また同じパターンで捻挫を繰り返してしまいます。根本から変えるには時間がかかりますが、その分だけ確かな変化が体に残ります。

「また捻挫するかもしれない」という不安を抱えながら運動するのは、本当につらいことです。でも、その不安はきちんと取り除くことができます。諦めずに、今日できることから一つずつ始めてみてください。正しい方向に向かって続けていけば、捻挫しにくい体は必ず手に入ります。

捻挫を根本から改善するために必要なこと〜まとめにかえて〜

片足立ちしている男性

つま先が外に開いている、小指側に体重が乗りやすい、片足立ちをするとすぐぐらつく……そういった気づきがあれば、それはすでに改善への第一歩です。捻挫を繰り返してしまう背景には、痛みが治まるだけでは解決しない複合的な要因が重なっています。

捻挫を繰り返してしまう7つの要因

  • 靭帯の損傷により固有受容感覚(関節の位置を感知する能力)が低下している
  • つま先が外に開く立ち方の癖によって小指側に重心が偏っている
  • 股関節の内旋・外旋バランスが崩れ、足部のアライメントに影響している
  • 腓骨筋や内転筋の反応が遅れており、捻れを瞬時に修正できていない
  • 片足立ちのバランス能力が低下している
  • テーピングへの依存が筋力と感覚の回復を妨げている
  • 捻挫後のリハビリで動き方の修正まで取り組めていない
大切なのは、足首だけを見るのではなく、股関節・骨盤・立ち方・歩き方という全体的な流れの中で体を見直すことです。長年かけて身についた癖はすぐには変わりませんが、正しい方向性でコツコツと取り組み続けることで、必ず体は変わっていきます。実際に3ヶ月という時間をかけて着実に体を変えた事例もあります。焦らず、でも諦めずに続けることが何より大切です。

「また捻挫してしまった」という悔しさや、「繰り返してしまうのかな」という不安を、もう感じなくていい体を作っていきましょう。一人で抱え込まず、専門家の目も借りながら根本的な改善を目指して取り組んでみてください。

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