サッカーをしている小学生から高校生の腰痛で、最も気をつけたいのが腰椎分離症と腰椎すべり症です。
サッカー少年の腰痛は、成長痛と決めつけず、腰椎分離症(背骨の疲労骨折)を疑うことが大切です。
腰を反らすと痛い、休むと楽になるのに再開するとまた痛む。そんな腰痛が続くときは、早めに整形外科で画像検査を受けてください。
そのうえで、腰痛の背景には、背中の胸椎や股関節の硬さが隠れていることが少なくありません。この記事では、サッカー少年が腰痛になりやすい理由と、胸椎の調整が重要な理由、そして親御さんが家庭で気づけるサインについて、ねもと整体&ストレッチスタジオの臨床経験をもとに、海外の研究も交えて分かりやすく解説します。
サッカー少年の腰痛で最も気をつけたいのは腰椎分離症と腰椎すべり症

サッカーをしている小学生から高校生の腰痛で、特に気をつけたいのが腰椎分離症と腰椎すべり症です。腰椎分離症とは、背骨の後ろ側にある部分に疲労骨折が起こった状態のことです。分離が進むと、腰の骨が前にずれてくる腰椎すべり症に移行することがあります。
アスリートは一般の方より、この分離症がかなり多いといわれています。海外の研究でも、成長期のスポーツ選手の腰痛では腰椎分離症が主な原因のひとつとされています。
ニューヨーク地域で分離症のある子ども137人を調べた報告では、関連するスポーツで最も多かったのがサッカーで、全体の約19パーセントでした。サッカー少年の腰痛は、分離症を頭に置いて向き合う必要があります。
なぜサッカーをする子どもは小学生から腰痛になりやすいのか?

サッカーに熱心に取り組むお子さんは、小学生のころから毎日のように走り込みをしています。運動としてはバランスのよい競技ですが、走る動作は、やりっぱなしになっているケースが多いのが実情です。
さらに、アスリートの体を見ていると、一般のお子さんよりも体がとても硬い子が、小学生の早い段階から目立ちます。サッカーは競技の特性上、足を高く上げる動きがほとんどありません。その影響かどうかは分かりませんが、柔軟性を軽く見ている子が多い傾向があります。関心はボールコントロールが中心で、ウォーミングアップもそこそこに、すぐボールを使った練習に入ることが少なくありません。
海外のレビューでも、分離症は腰を反らす動きと回旋動作の繰り返しで起こるとされています。臨床所見としては、股関節の前や太ももの裏の硬さ、腹筋やお尻の筋力低下、腰の反りすぎが挙げられています。体の硬さを放置したまま練習量だけが増えると、腰に負担が集中しやすくなります。
とくに成長期は、骨が急激に伸びるのに対して筋肉や腱の伸びが追いつかず、体がいつも以上に硬くなりやすい時期です。ボールを蹴る、走る、切り返すといった動きのたびに、硬くなった股関節や背中の代わりに、腰が余分に動いて衝撃や回旋を受け止めることになります。この小さな負担が毎日積み重なった結果が、疲労骨折という形で現れてくるのです。
「成長痛」と言われても要注意|休むと治まり、再開すると痛む腰痛

運動のときに腰が痛くなってきたと感じたら、それが分離症のサインかもしれません。この腰痛は、病院で成長痛と言われることもあります。しばらく休むと楽になり、練習を再開するとまた痛む。そうして、だましだまし競技を続けているお子さんも多いのではないでしょうか?
大切なのは、腰を後ろに反らしたときに痛むかどうかです。長く続く腰痛、練習のたびに悪化する腰痛、反らすと痛い腰痛は、疲労骨折を考える目安になります。痛みを我慢して続けると、骨の分離が進んで治るまでに時間がかかったり、すべり症につながったりする可能性があります。
当院に来院された小学5年生の男の子の例

クラブチームでサッカーをしている小学5年生の男の子が、腰椎分離症があると診断され、腰の痛みを訴えて当院に来院されました。当院では、すべての患者さんで関節の可動域をチェックしています。
この男の子は、長座体前屈がとても硬かった記憶があります。長座になって少し前屈してもらおうとしたところ、その状態ですでに腰が痛そうでした。後ろに反らしたときにも痛みがありました。
さらに、私が必ず確認するのが、かかとをつけたしゃがみ込み動作です。この動作が十分にできず、かかとが浮いてしまいます。かかとをつけてしゃがもうとすると、背骨を過剰に曲げてしまいます。これが、腰を動かしすぎてしまう原因のひとつです。
しゃがみ込みでかかとが浮くお子さんは、足首や股関節が十分に曲がらないため、そのぶんを背骨で補っています。本来は股関節や足首で受け止める動きを、腰が肩代わりしている状態です。
走る、蹴る、方向転換するといったサッカーの動きでも、同じことが起きていると考えられます。痛い場所だけを見るのではなく、全身の動き方を確認することが大切だと感じた場面でした。
腰痛の原因は腰ではなく胸椎の硬さにあることが多い

分離症は、腰の過剰な動きに対して発症します。そのため、根本的な改善を目指すなら、腰だけの施術では難しいと当院では考えています。柔軟性が足りず体のバランスが崩れていることが、症状の背景にあるからです。
当院では全身200の関節をすべて調整しますが、その中でも特に重視しているのが胸椎です。胸椎は腰椎のすぐ上にある背骨で、背中側に丸みを持って湾曲している部分です。この胸椎の動きが悪くなると、そのぶん腰椎が動きすぎて、痛みが出てきます。胸椎の動きがよくなれば、腰が過剰に動かなくなり、痛みが楽になっていきます。
厄介なのは、胸椎には自覚症状が出にくいことです。うつぶせで押してみると、とても硬く感じます。
個人差はありますが、当院の経験では、硬くない人がいないほど、構造的にも硬くなりやすい場所です。ところが普段の生活では硬さを感じないため、胸椎が悪いから腰に負担がきていると考える人は、ほとんどいません。腰痛というと、どうしても腰ばかりが気になってしまうのです。
海外にも、この考え方に通じる研究があります。胸椎の動きが制限されると腰椎が過剰に回旋し、腰痛につながる可能性が報告されています。腰痛と腰の過剰な動きがある方に胸椎の運動を行った比較試験では、MRIで腰椎の動きが小さくなったことが示されました。
胸椎が動かないぶん腰椎が動きすぎて、その結果として分離症やすべり症になりかけてしまう。この流れは、サッカー少年の腰痛で非常に多いと考えています。
胸椎は肋骨に囲まれていて、もともと腰椎や首の骨に比べて動きの少ない部分です。そのうえ、猫背のような姿勢が続くと、さらに動きが小さくなります。
動きの少ない部分の代わりに、動きやすい腰が頑張りすぎてしまう。腰痛を繰り返すサッカー少年には、こうした背景が隠れていることがよくあります。
腰の負担を配慮しながら、ご家庭でできること

当院では長年の経験から分離症でも可動域を正しい回復できれば痛みも改善できると考えております。海外の報告でも、症状だけでは分離症とほかの腰痛を見分けにくく、医療機関での画像検査が必要とされています。痛みの原因になっている運動を一定期間やめて骨を休ませることで、痛みは楽になりますが、その間にもできるトレーニングが多くあり、当院では指導しております。
次のようなときは、早めの受診をおすすめします。
そのうえで、骨が回復したあとの再発予防や、腰に負担をかけない体づくりでは、胸椎や股関節の柔軟性を整えることが大切になります。ご家庭では、長座体前屈でどこまで前屈できるか、かかとをつけてしゃがめるかを、ときどき確認してみてください。
かかとが浮く、前屈で腰が痛くなるお子さんは、体の硬さが腰に負担をかけているサインです。練習前のウォームアップに、股関節と背中のストレッチを取り入れることも、今日から始められる予防になります。
痛みがあるあいだは無理に伸ばさず、痛みが出ない範囲でゆっくり行うことが大切です。また、練習量が急に増える時期や、試合が続く時期は腰への負担が増えやすいため、お子さんの様子をいつも以上に気にかけてあげてください。
サッカー少年の腰痛|よくあるご質問
Q. サッカー少年の腰痛は、成長痛と腰椎分離症をどう見分けたらよいですか?

A. ご家庭だけで見分けるのは難しいのが実際のところです。腰を後ろに反らすと痛い、運動中や運動後に腰が痛む、2週間以上続く、休むと治まるのに練習を再開すると痛む、といった場合は、腰椎分離症の可能性を考えてください。
海外のレビューでも、症状や診察だけでは分離症とほかの腰痛を区別しにくいとされており、整形外科でMRIやCTなどの画像検査を受けることが大切です。
Q. 腰椎分離症と言われたら、サッカーはしばらく休まなければいけませんか?

A. 分離症の治療の基本は、痛みの原因になっている運動を一定期間やめて、骨を休ませることです。海外の報告では、休む期間は2週間から6カ月と幅があり、骨の状態によって変わります。
練習への復帰時期は、自己判断せず、必ず担当の医師と相談して決めてください。早く復帰したい気持ちは分かりますが、痛みを我慢して続けると、治るまでに時間がかかる可能性があります。
Q. 整体で腰椎分離症は治りますか?

A. 疲労骨折そのものを整体で治すことはできません。骨の回復には、医療機関での診断と、必要な安静期間を守ることが欠かせません。
当院が担当するのは、腰が動きすぎてしまう背景の改善です。胸椎や股関節の硬さを整えて、腰への負担を減らし、再発を防ぐお手伝いをしています。まず病院で骨の状態を確認したうえで、お子様でもよこしの負担を減らせるような関節調整が可能です。
当院の施術

小学生から受けられる整体
当院が強い刺激ではなく、関節を一つ一つ調整する掴み調整できます。

分離症に効果的な腰仙関節の調整
分離症の方には腰仙関節・仙腸関節へのアプローチが効果的です。
【まとめ】

サッカーをしている小学生から高校生は、腰痛に特に注意が必要です。腰を反らしたときの痛みが続く場合は、成長痛と決めつけず、腰椎分離症を疑うことが大切です。痛みを我慢して練習を続けると、骨の分離が進み、すべり症につながる可能性があります。
今日から意識したいポイント
- サッカーは分離症に関連するスポーツとして多く報告されており、体の硬さが腰への負担を大きくする
- 腰を反らすと痛い、2週間以上続く、休むと治まるのに再開すると痛む腰痛は、早めに整形外科で画像検査を受ける
- 腰が動きすぎる背景には、自覚症状が出にくい胸椎の硬さや、股関節・足首の硬さが隠れている
- 長座体前屈で腰が痛い、かかとをつけてしゃがめないといった様子は、体の硬さが腰に負担をかけているサイン
腰の痛みの本当の原因は、腰そのものではなく、動きが少なくなった胸椎や股関節の硬さにあることが少なくありません。まずは病院で骨の状態を確認し、必要な安静期間を守ったうえで、胸椎や股関節の柔軟性を整えることが再発予防につながります。痛みが続くときは、我慢させずに早めに専門家へ相談することをおすすめします。親御さんの気づきと早めの行動が、お子さんの大切な成長期と将来の競技生活を守ります。
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