足のしびれは坐骨神経痛かも?原因と対策をプロが解説

足のしびれは坐骨神経痛かも?原因と対策をプロが解説

足のしびれ…その原因は坐骨神経痛かもしれません

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大

ねもと整体&ストレッチスタジオ院長根本大

川崎市登戸・向ヶ丘遊園の「ねもと整体&ストレッチスタジオ」院長 根本大。20年の臨床経験を持つ関節ニュートラル整体の施術者。健康運動指導士・米国ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。整体技術と運動指導の両面からのサポートしており、長年の経験をお伝えしています。

足がしびれてお悩みの方は坐骨神経痛の可能性があります。坐骨神経痛は病名ではなく、ヘルニアや狭窄症などの腰の神経の圧迫で足に痛みが出る症状の総称です。私は長年整体院を経営してきて、坐骨神経痛の患者さんを多く見てきました。

今日は医療とは違う視点から、足の痛みやしびれで悩んでいる方に坐骨神経痛の対策についてお話ししていきたいと思います。
私たち整体師やトレーナーが坐骨神経痛を見るときは、医療とは違う視点で、全身の動きというのを見ています。

医療の基本はレントゲンやMRIなど画像で医師の方が診断し、理学療法士のリハビリや薬を服用して保存療法を行います。悪化したものに関しては、ひどい状態なので、場合によっては手術が必要な場合もあり、その際は手術経験が豊富な先生に診てもらった方が良いと思います。

私の経験上、坐骨神経痛は1ヵ月で良くなるケース、3ヶ月で良くなるケース、6ヶ月で良くなるケース、もしくはもう回復が望めないケースとパターンがあります。経験でも正確に予想するのは難しいのですが、多くの方が3ヶ月で痛みが自然に良くなるケースも多いので、悩んでいる方は、あまり神経質にならなくても良いケースもあります。

痛みが強いからといっても捻挫と同じように時間で良くなるということがあるということだけ覚えておいてください。

足のしびれの主な原因とは?

足のしびれの主な原因とは?登戸 ねもと整体&ストレッチスタジオ

足のしびれの多くの原因が腰の神経の圧迫から起こると言われています。私の経験からは前屈ができない方が腰を過剰に屈曲しすぎたり、伸展しすぎて神経を圧迫しているケースが多いです。

坐骨神経は腰から足先まで伸びる人体最大の神経で、太さは約2センチです。腰椎4番から仙椎3番の神経が束になって形成され、お尻の梨状筋という深い筋肉の下を通って足へ向かいます。

梨状筋症候群は、この梨状筋が硬くなったり炎症を起こしたりして坐骨神経を圧迫する状態です。長時間の座位や股関節の酷使で発症しやすく、お尻から太ももの後ろ、ふくらはぎにかけて痛みやしびれが現れます。

神経圧迫の程度により症状は段階的に悪化します。軽度ではピリピリしたしびれ、中等度では痛み、重度では筋力低下や歩行困難となります。

坐骨神経痛のメカニズム(神経の圧迫・炎症)

坐骨神経が梨状筋の下を通り、神経が圧迫されて炎症を起こしている様子を示すイラスト。骨盤、仙骨、梨状筋、坐骨神経、太ももの骨が描かれ、神経の炎症箇所に痛みを示す稲妻マークがある。背景は明るいベージュ。

坐骨神経というのは腰からお尻、足にかけての太い神経です。お尻の奥に梨状筋という筋肉があり、この部位が坐骨神経を圧迫すると坐骨神経痛が出るということも言われています。

骨盤内から梨状筋の下を通り、大腿後面を下行して膝裏で脛骨神経と総腓骨神経に分かれます。

梨状筋は仙骨から大腿骨につながる深層筋で、股関節の外旋を担います。この筋肉が過緊張や炎症を起こすと、直下を通る坐骨神経を機械的に圧迫し、神経への血流も阻害されます。約15%の人では神経が筋肉を貫通する解剖学的変異があり、より圧迫されやすい構造となっています。

こんな症状は要注意(片脚の痛み・しびれ・感覚異常)

椅子に座った女性が脚のしびれを訴えて膝下を押さえている様子と、骨盤と坐骨神経の構造を示すイラストの2部構成。神経の通り道と筋肉(梨状筋)が描かれ、脚にはしびれや痛みを示す稲妻マーク。背景は明るいベージュで統一された色調。

坐骨神経痛、特にヘルニアで多いのが痛みが出てしびれてくることです。この状態で既に症状が強いと判断してください。特に半年以上の長い期間しびれが続いている方は手術してもしびれが治らない方が非常に多いので、既にしびれがある方は、早めに対応を考えた方が良いと思います。

力が入らなくなる麻痺になると最悪手術になるので早めの診断による判断が必要なケースもあり、この場合は当然整形外科から大きい病院に紹介してもらい、精密検査を早くしてもらったほうが良いケースです。

長期間のしびれが続く理由は、神経線維の構造的変化にあります。持続的な圧迫により神経の髄鞘(電線の被覆に相当)が破壊され、さらに進行すると軸索(神経の本体)自体が変性します。この軸索変性が起こると、圧迫を取り除いても神経機能の完全な回復は困難になります。

麻痺症状は運動神経の重篤な障害を示し、筋萎縮や足関節の背屈不能(下垂足)を引き起こします。特に馬尾症候群では膀胱直腸障害も併発し、48時間以内の緊急手術が必要です。

坐骨神経痛を引き起こす3つの主な原因

椎間板ヘルニアによる神経圧迫、MRI検査を受ける女性、腰痛で前かがみになっている女性の3つの場面を描いた医療イラスト。神経の圧迫部には痛みを示す稲妻マークがあり、全体は明るいベージュ背景で統一されている。

坐骨神経痛で悩んでいる方には3つの多くの原因があります。特に椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症というのが多いことが多く、この症状が両方併発していることもあるので、ご自分の腰がどこまで悪化しているのかということを正確に判断するには、MRIを撮り、手術経験が豊富な先生に見てもらうことが先決です。

**第三の原因である梨状筋症候群も見逃せません。**お尻の奥にある梨状筋が硬くなることで坐骨神経を圧迫し、長時間のデスクワークや股関節の酷使が引き金となります。軽度のピリピリしたしびれの段階で適切な対処を始めることが重要です。

痺れは放置すると筋力低下や歩行困難につながる可能性もあるため、早期の対応が必要です。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアの状態を示すイラストで、椎骨の間から飛び出した髄核が神経を圧迫している様子が描かれている。圧迫された神経の周囲には痛みを示す稲妻マークがあり、背景は明るいベージュで統一されている。

椎間板の中身が飛び出して神経を圧迫することで起こる症状です。前かがみになった際に痛みが強くなることが特徴的です。
椎間板は中央のゼリー状の髄核と、それを囲む線維輪から構成されています。
加齢や外力により線維輪に亀裂が生じ、髄核が後方に突出して神経根や馬尾を圧迫します。前屈時は椎間板内圧が立位の約2.5倍に上昇し、ヘルニアがさらに後方へ押し出されるため痛みが増強します。

脊柱管狭窄症

腰椎の断面図を描いた医療イラストで、椎間板の変性により神経が圧迫されている様子を示している。神経の圧迫部は赤く描かれ、痛みを表す黄色の稲妻マークが表示されている。背景は明るいベージュで、文字のないシンプルな構成。

脊柱管が狭くなることで神経が圧迫される症状です。歩いているうちに足に痛みやしびれが出て、休むと楽になる間欠跛行が特徴的です。
脊柱管狭窄症は加齢により椎間板の変性、椎間関節の肥厚、黄色靭帯の肥大が進行し、神経の通り道である脊柱管が狭小化する疾患です。
歩行時は腰椎が伸展位となり狭窄部がさらに狭くなるため、神経への血流が低下して虚血性の痛みやしびれが生じます。前屈姿勢で休息すると脊柱管が拡張され血流が改善するため症状が軽快します。

梨状筋症候群

骨盤と股関節周囲の構造を示す医療イラストで、赤く描かれた梨状筋が黄色の坐骨神経を圧迫し、神経沿いに痛みを表す稲妻マークが描かれている。背景は明るいベージュで、文字はなくシンプルな構成。

お尻の奥にある梨状筋が坐骨神経を圧迫することで起こる症状です。長時間の座位や股関節の使いすぎで発症することが多いです。職業としては、デスクワーカー、運転手、スポーツ選手に多発。長時間座位や股関節酷使が原因で中高年女性にも多く、ストレッチや整体で予防が可能です。

放っておくと悪化する?坐骨神経痛のリスク 慢性化の可能性

腰に手を当ててつらそうな表情をしている女性と、神経が圧迫されている腰椎の断面図が並んで描かれたイラスト。女性の腰から足にかけて痛みを示す稲妻マークが描かれており、背景は明るいベージュで統一され、全体的にシンプルな構成。

坐骨神経痛は前述した通り一度は良くなるので放置してしまう方が多いです。ひどい状態になった方でも神経が痩せ細ってきて痛みがなくなるケースがほとんどなので、また原因を追求せず放置してしまって何かのきっかけで急にまた悪化してしまう方が後を立ちません。この状態は慢性化になっていると判断して早期に対応が理想。

この慢性化パターンは「痛みの悪循環」と呼ばれ、神経の変性により一時的に症状が軽減しても、根本原因である椎間板変性や筋力低下、姿勢異常は進行し続けます。再発時にはより広範囲の神経障害や多椎間レベルでの狭窄を呈することが多く、初回より重篤な症状となる傾向があります。

歩行困難や排尿障害につながることも

車椅子に座りうつむく男性と、腰に不快感を示すような姿勢で立つ男性が描かれたイラスト。両者ともつらそうな表情をしており、坐骨神経痛の悪化による症状(下半身麻痺や排尿障害)を示唆する構成。背景は明るいベージュで、文字なしのシンプルなデザイン。

坐骨神経痛が悪化していくと麻痺になります。麻痺というのはまず歩けなくなるので下半身不随になる可能性があるということも念頭に置いてください。また排尿、排便ができなくなるというのは、脊髄神経の方まで侵されてしまうと早期に手術しなければ危険な可能性もあります。信頼できる医師に現状を定期的に見てもらうことも場合によっては必要になります。

自分でできる対策と改善法 自宅でできるストレッチ&体操(例:梨状筋ストレッチ)

坐骨神経痛のストレッチを行う女性が床に座り、片膝を抱えてお尻を伸ばす姿勢をとっている。女性の横には男性が正座で見守っており、女性の臀部には痛みを示す稲妻マークが描かれている。背景は明るいベージュで統一され、文字のないシンプルな医療イラスト。

坐骨神経痛に効果があるのは下肢全体の股関節の動きを含めたストレッチで、梨状筋のストレッチやエクササイズとして有効と言われています。ただし、既に足の痛みが強い方は逆に症状を悪化させることもあるので、医師に相談したり、専門家の整体の先生でも経験豊富な方に当たるようにして指導を受けてください。

日常生活で気をつけるポイント(座り方・立ち方)

椅子に深く腰掛けて背筋を伸ばした姿勢の女性と、まっすぐ立っている女性を並べて描いたイラスト。両者とも正しい姿勢を示しており、背景は明るいベージュで統一され、文字のないシンプルな構成。

日常で最も気をつけたほうが良いのは腰を曲げるということです。そもそも悪化してしまう方の多くは前述した通り、腰を過剰に曲げすぎて痛くなっている方が多いので、座っている時も姿勢をチェックしてみてください。

理想的な座位姿勢は腰椎の自然なS字カーブを保つことです。深く腰掛け、背もたれに背中をつけ、足裏全体を床につけます。デスクワーク時は30分ごとに立ち上がり、腰椎伸展運動を行うことで椎間板内圧を軽減できます。

整体やストレッチ専門スタジオでのケア

正面を向いた女性と男性が向かい合って座っている様子を描いたイラスト。女性は緑のTシャツ姿でやや不安そうな表情、男性は白いシャツを着て穏やかに話しかけている。背景は明るいベージュで統一され、文字のないシンプルな構成。

坐骨神経痛で近くの整体やストレッチ専門のスタジオでケアを受ける際のポイントをお伝えします。まずストレッチ系の整体の中でもリラクゼーション的な施設ではおそらく坐骨神経痛に対しての施術経験を持っている先生は少ないと思います。

予約をする前にどれぐらい経験年数があるのか、またリラクゼーションではなく、機能改善目的にした先生なのかということで、症状に対応できるかどうかイメージできるので、この2点をチェックしてみてください

早めの対処がカギ!あなたに合った改善法を選ぼう
整形外科と整体の違い

左側に注射器、右側にはうつ伏せになった男性に対して女性が背中を押して施術をしている様子が描かれたイラスト。整形外科と整体の違いを視覚的に表現しており、背景は明るいベージュで、文字のないシンプルな構成。

整形外科と整体の違いとして、整形外科は主に診断と悪化してしまったときのブロック注射や最終的な手術として頼らざるを得ないと思います。ただし体が硬い方が坐骨神経痛になりやすいので、柔軟性を把握し改善してもらえるようなセラピストを探して整体も受けることも効果がある可能性があります。

重症度によって必要な対応は違う

年配の医師が脊椎のレントゲン画像を指さしながら、心配そうな表情の若い男性患者に説明している様子を描いたイラスト。背景は明るいベージュで、医療相談の緊張感と専門的な場面が伝わる構成。文字はなく、シンプルなフラットデザイン。

重症度が高く100メートル歩けないといったレベルになると、すでに我々整体師の手に負えない状態になっています。まず近くの整形外科や整形外科からの紹介状で大きい病院でのMRIを早急に撮ったほうがいいと思います。

重症例の緊急性と医療連携の必要性
100メートル歩行困難は重度の神経障害を示し、馬尾症候群や高度な神経根圧迫の可能性があります。このレベルでは神経の不可逆的損傷が進行中で、48-72時間以内の手術が必要な場合もあります。MRI検査により圧迫部位と程度を正確に評価し、脊椎外科専門医による迅速な治療方針決定が患者の予後を大きく左右します。

まとめ!足のしびれに気づいたら、早めに対策を!

症状の早期発見・早期対応が重要

症状の早期発見・早期対応が重要
まず現在の状態を正確に把握するという意味で、足の痛みが強い、長期的にしびれがある、力が入らない、こういった場合は早めに整形外科をまず受診することをお勧めします。整体や整骨院で対応できるのはあくまでも軽いしびれまでです。急性期と慢性期があり、急性期のときには特に痛み止めやブロック注射などを併用しなければいけない時もあるので、施術経験というものを軽視しないで、正確な診断を受けることと、医療と連携が取れるような治療を選ぶべきです。

「放置せず、まずは相談」が安心への第一歩
専門家に相談することで現状を把握し、現在の痛みや将来の重症化を防ぐ可能性があります。
私が長年整体を経営して急に悪化して動けなくなってしまった方も何人も見てきました。そのような経験から整体で何でも良くなるとも思わないですし、一番は予防だということを認識しています。虫歯と同じで早めに対応した人が重症化を防ぐことができ、そのような対応が我々にしかできない仕事だと思います。

しかし重症化してしまった方に対しては医療との連携は必須といえます。それは医療を紹介するという意味ではなく、私の整体に関しては施術をして反応が良くない方はそのようなことを説明させていただき、時間で良くなる可能性や場合によっては早めに医療としての精密検査をお勧めするということで対応させていただいております。

坐骨神経痛は特別なケースではなく、40代50代でもヘルニアは非常に多いですし、高齢者になると狭窄症などの同じような症状でも違う原因で罹患し、苦しまれている方も多いと思います。そのような方の少しでも参考になればと思い、整体師・パーソナルトレーナーから見た坐骨神経痛についてお話ししました。

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