ねもと整体&ストレッチスタジオ根本院長。
整体技術と運動指導の両面からサポート!
最終更新日2026年9月25日
テニスやバドミントンでラケットを振ると腕が痛む場合、多くは肘そのものの炎症ではなく、手首の可動域不足によって肘への負担が集中していることが原因で、まれに頸椎からの神経圧迫が関わっていることもあります。
肘は、手首を整えることで守ることができる関節です。
今回は、当院で行っている手首のセルフチェックとセルフケア、施術事例を交えてお伝えします。
ラケットを振ると腕が痛くなる本当の原因

テニスやバドミントンでラケットを振る動作を繰り返していると、前腕の筋肉に炎症や微細な損傷が起こり、いわゆるテニス肘(上腕骨外側上顆炎)につながることがあります。当院では小学生のテニスやバドミントン選手のスポーツ整体も行っていますが、練習量が多いお子さんほどオーバーユースによる肘の痛みで来院されるケースが目立ちます。学年が上がり練習時間が長くなるほど、肘や手首への負担は蓄積しやすくなり、大人になってから改めて痛みが出てくることも少なくありません。
年代によって痛みの出方にも特徴があります。成長期のお子さんは骨や腱がまだ発達途中のため、大人よりも軽い負荷で炎症が起こりやすく、痛みを我慢したまま練習を続けてしまうと、成長軟骨に影響が及ぶこともあります。
成長期のお子さんであれば、練習後に痛みだけでなく違和感が続いていないか、保護者の方が声をかけて確認してあげることも予防の一歩になります。一方、社会人になってから趣味でテニスやバドミントンを再開した方は、以前の感覚のまま体を動かしてしまい、筋力や柔軟性の低下に体がついていかず痛みを引き起こすケースが多く見られます。
一方で見落とされがちなのが、首から来る神経の痛みとして腕の痛みが出ているケースです。肘そのものに炎症がなくても、頸椎の神経が圧迫されることで前腕から肘にかけてしびれや痛みのような感覚が出ることがあります。原因によって必要な対応が大きく異なるため、痛みが出た段階で、筋肉由来なのか神経由来なのかを早めに見極めることが重要になります。
手首・肘・肩は連動している

ラケットを振る動作では、手首・肘・肩の動きはすべて連動しています。痛みが出ているのが肘であっても、実際には手首の動きが十分にできておらず、その分を肘が過剰に動いて補っていることがあります。
同様に、肩甲骨の動きが不足していると、フォロースルーの動作を肘に頼りすぎてしまい、負担が集中してしまいます。この連動性は普段の生活では意識しにくいものですが、ラケットを振るという一つの動作の中で、手首・肘・肩・肩甲骨・体幹が順序よく力を伝え合うことで、初めて腕への負担が分散される仕組みになっています。
そのため痛みのある部位だけを見るのではなく、手首・肘・肩甲骨を含めた全体的な動きをチェックすることが、根本的な改善につながります。痛い場所だけをマッサージしたり湿布を貼ったりしても、負担の原因になっている手首や肩甲骨の動きが改善しなければ、練習を再開したときに同じ場所に痛みが戻ってきてしまうことが多いのです。
当院で行うセルフケア|手首4方向ストレッチ

肘が痛いのになぜ手首のケアが必要なのかというと、手首と肘は同じ骨(橈骨・尺骨)でつながっており、手首を調整することで肘も同時に調整できるためです。この特性を利用したストレッチは非常に効率的なセルフケアになります。
具体的には、手首を4つの方向に動かします。手首を下に曲げる動き(掌屈)、上に反らす動き(背屈)、親指側を下にひねる動き(回内)、小指側を上に持ち上げる動き(回外)の4方向です。これは海外のリハビリテーションでも用いられている基本的な可動域チェック方法でもあり、どの方向で痛みや違和感が出やすいかを確認することにも使えます。4方向それぞれを反対の手でゆっくり15秒ほど保持しながら伸ばしていくと、前腕全体の筋肉をバランスよくケアすることができます。
ここで大切なのは、痛みが出る方向に無理に動かさないことです。痛くない方向にはしっかり動かし、痛みが出る方向については痛みのない範囲内でストレッチするのがコツです。無理に可動域を広げようとすると、かえって炎症を悪化させてしまうことがあります。毎日少しずつ続けることで、痛みのない範囲が少しずつ広がっていくのを実感できるはずです。練習前に行えば予防的なウォームアップになり、練習後に行えば疲労を残さないクールダウンにもなります。
ストレッチに加えて見直していただきたいのが、グリップやガットなど道具の状態です。グリップが太すぎたり細すぎたりすると、握る際に手首や前腕に余計な力が入りやすくなります。またガットの張力が高すぎるとインパクト時の衝撃が吸収されにくく、その分が手首や肘にダイレクトに伝わってしまいます。長く同じガットを使っている場合は、劣化によって衝撃吸収性が落ちていることもあるため、定期的な張り替えも痛みの予防につながります。フォームの面では、手打ちになっていないか、体全体を使って振れているかを一度確認してみることもおすすめです。
症例|中学生テニス選手の場合

中学生の女子テニス選手が肘の痛みを訴えて来院されたケースをご紹介します。施術を進めていくと、手首の動きが十分でなく、その分肘が動きすぎていることが分かりました。週1回30分程度の施術を継続していただき、3回ほどで痛みはかなり軽減しました。
ただし全身の状態を確認すると、下半身の柔軟性が非常に乏しく、球技をされている選手に多い独特の硬さが見られました。下半身の柔軟性が低いと、地面から受け取った力を効率よく手先まで伝えることができず、その分を上半身や腕の力だけで補おうとしてしまいます。関節の柔軟性が低い状態は、いわばぱつぱつのジーンズを履いてテニスをしているようなものだとお伝えしました。
そこでハムストリングス(もも裏の筋肉)の柔軟性を回復させるメニューを指導し、動的ストレッチを取り入れていただいたところ、手首の動きだけでなく下半身の柔軟性も回復していきました。さらに体の連動性を高めるPNF(固有受容性神経筋促通法)を取り入れたリハビリトレーニングも並行して行いました。トレーニングを重ねるにつれて、以前は途中で疲れてフォームが崩れていたサーブも、最後まで安定した形で振り切れるようになったとご本人からもお話がありました。現在は痛みが再発することなく、以前より体全体がしなやかに動くようになったと喜んでいただいています。
見落とされがちな首からくる腕の痛み

意外な盲点として、頸椎の神経圧迫が肘の痛みとして現れることがあります。当院独自の施術になりますが、頸椎を調整することで腕の痛みが軽減するケースを数多く経験しています。一般的な医療機関ではあまり行われることのない視点ですが、肘の痛みが頸椎の神経圧迫から起こり得ることは医学的にも示されています。
姿勢の悪化やスマートフォンの長時間使用によって頸椎への負担が増えている現代では、スポーツによる腕の使いすぎと首への負担が重なり合っているケースも珍しくありません。特に練習や試合の後にスマートフォンを長時間操作する習慣がある方は、首への負担が抜けきらないまま次の練習を迎えてしまい、腕の症状が長引く一因になっていることもあります。
腕の痛みに対しては、局所だけでなく全身の調整、そして手足の調整を継続的に行っていくことが、最も効果的な予防につながります。痛みが出てから対処するのではなく、日頃から手首や肩甲骨、下半身の柔軟性をチェックする習慣をつけておくことが、長くスポーツを続けるための土台になります。
こんな症状があれば早めの相談を

筋肉由来の痛みと神経由来の痛みには、いくつか見分けるヒントがあります。筋肉や腱の炎症による痛みは、ラケットを振る、物を握るといった特定の動作をしたときに痛みが強まる傾向があります。一方で神経の圧迫による痛みは、安静にしていてもピリピリとしたしびれが続いたり、首を特定の角度に傾けたときに腕まで痛みが響いたりすることがあります。また指先までしびれが広がる場合や、握力そのものが以前より明らかに落ちてきたと感じる場合も、神経の関与を疑う一つのサインです。
このような症状に心当たりがある場合、自己判断でセルフケアだけを続けるのではなく、早めに専門家に相談することをおすすめします。痛みの原因を正しく見極めずに練習を続けてしまうと、回復までの期間が長引くだけでなく、フォームの崩れから他の部位に新たな負担がかかってしまうこともあります。特にお子さんの場合は、痛みをうまく言葉で伝えられないまま我慢して練習を続けてしまうことも多いため、周囲の大人が普段の様子の変化に気を配ってあげることも大切です。
よくある質問
Q1:手首のストレッチはどのくらいの頻度で行えばいいですか?

A.:練習がある日は練習前後の1日2回、練習がない日でも1日1回を目安に行っていただくと効果を実感しやすくなります。特に練習後に手首や前腕がだるいと感じた日は、その日のうちにストレッチを行っておくことで、翌日への疲労の持ち越しを防ぎやすくなります。継続することが何より大切なので、無理のない範囲で毎日の習慣に組み込んでいただくのがおすすめです。
Q2:痛みがあるのに練習を続けても大丈夫ですか?

A.:痛みの程度によりますが、動かしたときにだけ軽い違和感がある程度であれば、セルフケアをしながら練習量を調整して様子を見ていただいて問題ないケースが多いです。
ただし、安静にしていても痛みが続く、タオルを絞る・物を持ち上げるといった日常動作でも痛む、しびれを伴うといった場合は、そのまま練習を続けると回復までの期間が長引いてしまうことがあります。この場合は早めに専門家に相談し、原因を確認した上で練習量を判断することをおすすめします。
Q3:頸椎の調整とはどのような施術ですか。整形外科でも行ってもらえますか?

A.:頸椎の調整は、首の骨の並びや動きの硬さをチェックし、神経の圧迫が起こりにくい状態に整えていく施術です。
一般的な整形外科では、レントゲンや薬による炎症の管理が中心となることが多く、当院で行っているような手技による頸椎への直接的なアプローチは、整体特有のものになります。首に違和感がある、腕の痛みが肘の施術だけでは改善しないといった場合は、一度頸椎の状態も含めて相談していただくことをおすすめします。
整体院・パーソナルジムとの比較表

ラケットを振ったときの腕の痛みは、手首や肘の可動域を整えるケアと、前腕・肩甲骨まわりの筋力を鍛えるトレーニングの両方が揃って初めて再発しにくい体になります。
整体院だけでは詰まりや動きの悪さは解消できても、負荷に耐えるための筋力づくりまでは踏み込みにくく、パーソナルジムだけでは可動域の詰まりや頸椎との関連といった根本原因の見極めまでは難しいことがあります。
当院では手技によるケアとトレーニング指導を一人の担当者が一貫して行うことで、テニスやバドミントンでラケットを振る動作に必要な、痛みの原因の見極めからフォームの改善、練習や大会への復帰まで、しっかりとまとめてサポートしています。
| アプローチ / 目的 | 主な目的と特徴 | 整体院単体 | パーソナルジム単体 | ねもと整体(併用) |
|---|---|---|---|---|
| 手首・肘の可動域改善(詰まりの解消) | 前腕の筋膜や関節まわりの硬さを手技で緩め、動きの詰まりを取り除く | ◎ | △ | ◎ |
| 前腕・肩甲骨まわりの筋力強化 | ラケットを振る負荷に耐えられる筋力そのものを鍛える | △ | ◎ | ◎ |
| 頸椎の状態を含めた原因の見極め | 肘の痛みが筋肉由来か神経由来かを見分け、必要に応じて頸椎を調整する | ◎ | ○ | ◎ |
| グリップ・ガット・フォームの見直し | 道具の状態や振り方をチェックし、腕への負担そのものを減らす | △ | ○ | ◎ |
| 大会前の痛み対応と仕上げ | 痛みの緩和とコンディション調整を一人の担当者が一貫して管理 | ○ | ○ | ◎ |
まとめ

ラケットを振ったときの腕の痛みは、肘そのものの炎症だけが原因とは限りません。手首の可動域不足によって肘に負担が集中していたり、頸椎からの神経圧迫が関わっていたりと、痛みの背景にはいくつかの要因が重なっていることがあります。痛みが出てから対処するのではなく、日頃から手首や肩甲骨、下半身の柔軟性をチェックする習慣をつけておくことが、長くスポーツを続けるための土台になります。
今回のポイント
- 肘の痛みは、手首の動きが不足している分を肘が過剰に動いて補うことで起こりやすい
- 手首と肘は同じ骨でつながっており、手首4方向のストレッチで両方をまとめてケアできる
- 痛い方向には無理に動かさず、痛くない範囲でストレッチを続けることが悪化を防ぐコツ
- 安静時の痛みやしびれ、握力低下がある場合は神経の関与も考え、早めに専門家へ相談する
肘は、手首を整えることで守ることができる数少ない関節です。今日ご紹介した手首4方向のストレッチを、まずはできる範囲から日々のケアに取り入れてみてください。毎日の小さな積み重ねが、ラケットを振る動作での腕の痛みを防ぎ、長く競技を楽しむ体づくりにつながります。
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