子供の運動神経を伸ばす方法

子供の運動神経を伸ばす方法

子どもの運動神経

子どもの運動神経は、5歳から10歳ごろに多様な動きを経験させるほど伸びやすくなります。この時期はゴールデンエイジと呼ばれ、身につけた動作は大人になっても忘れにくいと言われています。足が遅い、運動が苦手そうだと感じていても、動きの土台は今からでも育てられます。

大切なのは一つの競技を極めることではなく、走る、跳ぶ、かわすといった体の使い方の引き出しを増やすことです。この記事では、球技や対人競技をすすめる理由と、足が遅かったサッカー少年が3か月で変わった実例、海外の研究が示す内容を、ねもと整体&ストレッチスタジオ(川崎市登戸)での指導経験をもとにお伝えします。

完璧さよりも、動きの種類を増やす。

子どもの運動神経が伸びやすい5歳から10歳ごろとは?

走っている男性

お子さんの運動神経について、いつ頃から何をさせればよいのか迷われている保護者の方は多いと思います。スポーツの世界では、5歳から10歳ごろまでの期間を「ゴールデンエイジ」と呼び、運動能力が大きく伸びやすい時期だと考えられてきました。この時期に身につけた動作は、一生忘れにくいと言われています。

自転車に一度乗れるようになると、何年ぶりに乗っても体が覚えているのと同じです。走る、跳ぶ、投げる、かわす、止まるといった動きのパターンを子どもの頃にできるだけ多く経験しておくと、将来スポーツ選手にならなくても、体を巧みに動かす力が日常生活の中で支えになってくれます。

私が大切にしているのは、動きを完璧に仕上げることではありません。この時期は、多少荒削りでも構いません。前後、左右、斜め、回転と、動きの方向や角度のパターンをどんどん増やしていくことが、のちの運動能力の土台になると考えています。

海外の研究が示すゴールデンエイジの考え方

走っている男性

ここで、ゴールデンエイジという考え方を海外の研究とあわせて見ておきます。実はこの言葉には、研究者の間でも議論があります。10歳の子ども、若い成人、大人に、初めて経験する運動課題を学んでもらい、同じスタートラインから比べた研究では、10歳児が特別に運動を学ぶのが速いという証拠は見つからなかったと報告されています。

それまでの研究で見られた差は、練習量などの条件がそろっていなかったことによる見かけの差だった可能性がある、というのが研究者の見方です。

これは、ゴールデンエイジが無意味だという話ではありません。子どもは大人よりも、遊びやスポーツの中で動きを練習する時間がはるかに長いと指摘されています。年齢そのものが魔法のように効くというより、多くの動きを経験する機会が豊富な時期だということです。だからこそ、その時間をどう使うかが大切になります。

さらに、複数の競技を経験することについても研究が進んでいます。若い選手を対象にした系統的レビューとメタ分析では、早くから一つの競技に絞った子どもの方が、複数の競技を経験した子どもよりもケガのリスクが高いと報告されています。

全米アスレティックトレーナーズ協会も、一つの競技への専念はできるだけ遅らせて、さまざまなスポーツを経験することを勧めています。

10歳を過ぎたお子さんはもう遅いのか?

運動をしている男性

「うちの子はもう10歳を過ぎているから遅いのでは」と心配される保護者の方もいらっしゃいます。ただ、先ほどの研究では、10歳児が特別に速く運動を学べるという証拠は見つからなかったと報告されています。

年齢の枠にこだわりすぎるよりも、お子さんがいろいろな動きを経験できる環境を整えることの方が、ずっと大切だと私は考えています。

もちろん、5歳から10歳の間にたくさんの動きを経験できれば理想的です。けれど、足が遅い、動きがぎこちないと感じた時点で、体の使い方を見直しはじめる意味は十分にあります。

水泳よりも球技や対人競技をすすめる理由

サッカーをしている男性

日本では、お子さんの習い事として水泳を選ぶご家庭が多いと思います。水泳が悪いという話ではありません。ただ、この時期の運動能力を伸ばすことを目的に選ぶなら、私は球技や、柔道、空手といった対人競技の方をおすすめしています。

理由は、予測できない刺激に対して、その場で体を使って対応する経験が得られるからです。ボールはどこにどんな速さで来るか分かりません。

対人競技では、相手がどう動くかによって、自分の動きも毎回変わります。この「ランダムな状況に合わせて体を動かす」経験が、子どもの時期に伸ばせる運動能力の中で、いちばん大切な要素だと感じています。決まった動きを繰り返す種目とは、体と頭の使い方が違ってくるのです。

足が遅かった小学4年生のサッカー少年のケース

サッカーをしている男性

ここからは、ねもと整体&ストレッチスタジオでパーソナルトレーニングを行ったお子さんの実例をご紹介します。あくまで一人のお子さんの例で、結果には個人差があります。

現在は中学生になり、サッカーを続けているお子さんです。小学4年生のときに、お父さんと一緒にご来店されました。ご相談は「チームの中で足が遅く、どうしたら速く走れるようになるか知りたい」というものでした。

体の使い方を確認すると、股関節の使い方がまだ身についていない状態でした。サッカーは、空手やバレエのように足を高く上げる動きが少ない競技です。そのため、柔軟性を見てみると、体が硬いお子さんが意外に多いのです。

股関節が十分に使えないと、足を前後に大きく振れず、ストライド、つまり一歩の大きさを確保できません。
私たちトレーナーは、可動域を広げることを大切に考えています。可動域が広がると、動きの自由度が増して、技のバリエーションも増えるからです。そこで、動きの中で関節を大きく動かす動的ストレッチを取り入れて、週に1回、30分のパーソナルトレーニングを続けていただきました。

3か月ほどたつと、動きが明らかに変わってきました。保護者の方からも、以前よりいろいろな動きが自然にできるようになったと感想をいただきました。

結果として、2つの大きな変化がありました。1つ目は、足が遅いと感じていたお子さんが、チームの中でも上位に入るようになったことです。股関節の可動域、特に動的な可動域が上がったことで、ストライドが伸びました。
2つ目は、ケガの面です。このお子さんは、以前ジャンプの着地で足首を捻挫した経験がありました。

そこで、足首の動きを高める動的ストレッチと、アジリティーディスクを使ったバランストレーニングも加えました。その結果、ケガなく過ごせるようになり、ランニングの効率も上がって、短期間で大きな変化につながったと感じています。

動的ストレッチとは?子どもの動きが変わる理由

動的ストレッチをしている男性

動的ストレッチとは、体を動かしながら関節を大きく動かして、筋肉や関節の動く範囲を広げていくストレッチです。じっと伸ばし続ける静的ストレッチとは違い、走る、跳ぶといった実際の動きに近い形で行うのが特徴です。

サッカーのように足を高く上げる場面が少ない競技では、股関節の動く範囲が使われないまま硬くなりやすいと感じます。動的ストレッチで股関節や足首の可動域を広げると、足の運びが大きくなり、体のバランスも取りやすくなります。

可動域が広がることは、動きの精度が高まり、技のバリエーションが増えることにもつながります。
先ほどのお子さんがケガなく過ごせたのも、足首の動きとバランス能力を同時に高めたことが一因だと私は考えています。

チームの練習だけでは身につきにくい体の使い方

運動をしている男性

サッカーや野球のようなチームスポーツでも、走り方やジャンプの仕方、腕の振り方、足の上げ方、手足の連動といった基本的な体の操作を、一人ひとりに指導している例は、私の見る限りほとんどありません。多くは団体練習の中でドリルを行う形です。

それは、チームのウォーミングアップを見ているとよく分かります。サッカーをしているお子さんは、ボールに触れることがウォーミングアップだと考えていることが多いです。ボールを触りたい気持ちはもちろん大切です。ただ、私の考えは少し違います。この時期は、競技の練習そのもの以上に、体を巧みに動かせるようになる運動プログラムを多く取り入れる方がよいと感じています。

競技の技術は、体を思い通りに動かせる土台があってこそ伸びていきます。足が遅い、運動が苦手そうだと感じるお子さんも、動きの土台は今からでも育てられます。

まずはウォーミングアップや普段の遊びの中に、いろいろな方向への動きを取り入れるところから始めてみてください。

よくある質問

当院のジュニアアスリートパーソナルトレーニング

トレーニングをしている男性

当院では、長年ジュニアアスリートのパーソナルトレーニング指導も行っております。弊社では30分及び60分のパーソナルトレーニングを行っております。スポーツに必要な体力要因は下記になりますが、できるだけ早く正しい動作を習得することが将来のキャリアに大きく関係してきます。30分のパーソナルトレーニングでも指導した内容を日々繰り返し行うことで、スポーツにおいて必要不可欠な動きを高めることが可能です。

体力要素わかりやすい意味(イメージ)スポーツでのメリット・役割
敏捷性(アジリティ) すばしっこさ 体を素早く切り返し、方向転換する能力フェイントで相手を抜いたり、相手の動きに素早くついていくことができます。
瞬発力(パワー) 一瞬の爆発力 短い時間で大きな力を一気に出す能力高くジャンプする、スタートダッシュを決めるなど、決定的な場面での力強さを生み出します。
バランス能力 姿勢を保つ力・体幹 不安定な状態でも体の軸を崩さない能力相手とぶつかっても倒れない、空中で姿勢を立て直すなど、ケガを防ぐための土台になります。
巧緻性(コーディネーション) 運動センス・器用さ 頭でイメージした通りに、自分の体を正確に動かす能力道具を上手に扱うだけでなく、新しい動きや

【まとめ】

サッカーをしている女性

ここまで、お子さんの運動神経を伸ばす時期と、動きの土台の育て方についてお伝えしてきました。ゴールデンエイジという考え方には海外で異論もありますが、子どもの頃にいろいろな動きを経験することが、運動能力にもケガの少なさにもつながるという点は、研究と私の現場での実感が重なるところです。

この記事のポイント
  • ・5歳から10歳ごろは、走る、跳ぶ、かわす、止まるなど、いろいろな動きのパターンを増やしたい時期です。完璧さよりも、動きの方向や角度の種類を増やすことを大切にしてください。
  • ・水泳だけでなく、予測できないボールや相手に反応する球技や対人競技を経験すると、運動能力の幅が広がると私は感じています。海外の研究でも、複数の競技を経験することはケガのリスクが低いと報告されています。
  • ・チームの練習だけでは、走り方や股関節の使い方まで教わる機会は多くありません。動的ストレッチで可動域を広げたところ、足が遅かった小学4年生が3か月でチーム上位に入るようになり、ケガなく過ごせています。
  • ・ゴールデンエイジを過ぎたからといって、遅すぎるわけではありません。気づいた今が、体の使い方を見直すいちばん早いタイミングです。
足が遅い、運動が苦手そうに見える。そんなお子さんでも、動きの土台は今からでも育てられます。競技の練習に加えて、体を巧みに動かす時間を少しだけ増やしてあげることが、これからの走る力と、ケガに強い体づくりにつながっていきます。
ジュニアアスリートのパーソナルトレーニング

ねもと整体&ストレッチスタジオでは、ジュニアアスリートのパーソナルトレーニングも行っています。走り方や股関節の使い方、動的ストレッチ、バランストレーニングなど、お子さんの体の使い方に合わせて、一人ひとりに指導しています。足の速さや動きに悩むお子さんの体づくりを、私たちがお手伝いします。

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